こんにちは。『ケータイlivedoor』のニュース担当・小野です。

ニュース記事のような文字情報の多いコンテンツをケータイの小さな画面で読むことに抵抗をお持ちの方、けっこういますよね。
でも、速報性のあるニュースをいつでもどこでも読むことができるというのは、とても便利でもあります。
もちろん、できるだけ快適にニュースの記事を読むことができるように、ケータイ端末特有のデメリットをカバーするため日々努力しています。
いろいろな工夫をして読みやすくしているのですが、今回は、実際に採り入れているいくつかの対策と、その効果についてお話をしたいと思います。

■切り口を増やす
『ケータイlivedoor』のニュースでは、最新記事を毎日400〜500本、累積記事を合わせて常時6〜7万本ほど読むことができます。
パソコンサイトのようにユーザーが選びやすいようなリンクを一画面にたくさん表示できればよいのですが、
たくさんの記事に対してケータイの小さな画面ではそのような誘導ができません。

そこで、できるだけ多くの切り口で情報を提示するようにしています。
具体的には以下のようになります。

<さまざまな切り口での誘導>
・トピックス
 ニュース担当者が選んだ記事、ユーザーの注目度が上昇中の記事、最新の注目記事

・アクセスランキング
 一定時間にアクセスが多かった(注目度が高かった)記事

・最新リスト
 時間軸での記事リスト

・写真ニュース
 写真も見られる記事リスト

・ジャンル別
 ニュースの内容ごとにジャンル分けされた記事リスト

・提供元別
 ニュース記事を提供している提供元ごとに分けられた記事リスト

・おもしろニュース
 コラム系の記事リスト

たくさんの切り口をつくることで、ユーザが記事へたどり着く道筋を増やしているのです。

■連鎖的な導線をつくる
記事を読むときのユーザーの視点は、ケータイ画面の上から下へと移動します。
下まで移動したあとに、また画面の上へ戻るという動作は嫌われやすいものですし、前の画面に戻って別の記事を探すのも一手間かかります。

そこで、記事の下には新たな情報を探す導線として、以下のようなリンクを設置しています。

<記事の下部に設置してあるリンク>
・同じ提供元の記事リストへのリンク
・同じジャンルの記事リストへのリンク
・アクセスランキングの上位記事へのリンク
・同じ時間帯に配信された記事へのリンク

連鎖的にリンクを設置することで、スムーズな動作で別の記事へ移動することができます。

■日々の改善
また、実際に自分が使って気付いたり、周囲の意見を聞いて改善すべき点は随時対応しています。

以下は、最近対応したものです。

・記事の写真を複数表示
 ひとつの記事につき1点の写真を表示していましたが、複数の写真が見られるようになりました。
 かつてのケータイでは容量の重い画像はあまり重視されていませんでしたが、
 最近はケータイ端末性能や料金制度の変化で、写真の注目度が高くなってきたための対応です。

・アクセス上位記事へのリンク掲載
 話題の情報をキャッチしやすいので、やはりランキングは注目度が高いです。
 そこで、ジャンル別や最新記事 のリストの下などにもアクセス上位記事を表示して導線を増やしています。

■工夫とその効果
ところで、ネット媒体は広告収入で運営されるため、広告がどれだけユーザの目に触れるかページビューが、媒体価値を決める指標のひとつとして使われます。運用上、ページビューは必ず日々意識しています。

当たり前の話なのですが、
ページビュー = サイトに訪れるユーザー数 × 1ユーザーが見たページ数
ということになります。

ページビューをアップさせるには……
・ユーザー数を増やす
・サイトに訪れたユーザーひとりひとりにたくさんのページを見てもらう
というふたつの方法があります。

さきほどお話した「記事の写真を複数表示」と「アクセス上位記事へのリンク掲載」というふたつの改善を行ったあと、1ユーザーあたりの閲覧ページ数が約1ページ増えました。
これは、「サイトに来たユーザひとりひとりにたくさんのページを見てもらう」という点で効果的だったことになります。
現状、ニュースのユーザーは約5万人。1ユーザーあたりのページ数が毎日1ページ増えれば、月間では150万ページビューの増加が見込めることになります。

ニュースに限らずコンテンツを運用する上では、ユーザーへの「おもてなしの心」が大事だと思います。
サイトを訪れたユーザーに「難なくスムーズに、たくさんの情報を得てもらえるように」と工夫することが、結局はページビューをアップさせ、媒体価値を高めることに繋がります。