こんにちは。『ケータイlivedoor』で小説を担当している川村です。
外出先や家でちょっとした時間ができたとき、何か暇つぶしになるものはないかな、とケータイをいじることはありませんか?
ゲームやSNSなどケータイで楽しむコンテンツが日に日に増えているなか、今若い世代を中心に人気を博しているのが「ケータイ小説」と呼ばれるものです。
『livedoor小説』とは、そのケータイ小説を無料で毎日配信しているコンテンツです。
私はディレクターとして作品の配信設定やサイトの更新、次回作の選定などを行っております。
「読書」といえば書籍が少し前までは当たり前でしたが、最近ではケータイで読書をすることが女子高生を中心に定着してきました。
今では、サラリーマンや主婦の間でも暇つぶしのコンテンツとして注目されています。
しかし、同じ小説だからといって書籍や文庫と同じ文章を載せると、ケータイではとても読みにくいものとなってしまいます。
今回はケータイ小説を配信するに当たって、書籍との違いやケータイならではの工夫点についてお話したいと思います。
◆文字数◆
まず最初にあげられる書籍との一番の違いは、ケータイには一度に表示できる文字数に制限があるということです。
書籍の場合は、章ごとなどでの文字数制限がありません。しかし、ケータイで制限なく書いてしまうと下にスクロールする回数が多くなり、ユーザーがストレスを感じてしまう可能性があります。また古い世代の端末ですと、容量オーバーとなり全文表示させることが出来ない恐れがあります。
そのようなことがないように、ケータイ小説では一話あたりの文字数を800〜1200字で依頼しています。それにより、ケータイの画面で読んだときのストレスをなるべく少なくしているのです。
◆配信話数◆
もちろん一話あたりの文字数が制限されることは、書き手にとってはなかなか厳しいものです。その中にストーリーを無理やり収めようとすると、作品の展開が単調なものとなりクオリティが下がってしまう可能性も出てきます。いくらケータイ向けに読みやすくしても、作品がつまらなくなってしまっては元も子もありません。
そこで、その分配信話数を多くすることで、作品全体のクオリティを維持するようにしています。一話あたりが短くてもそれをまとめて2〜3話配信することで内容的にも読み応えのあるものが配信可能となるのです。
◆作品描写◆
また、作品の描写方法も書籍とケータイでは異なってきます。
書籍であれば、その場面の背景や状況などを詳しく描写することで読者の作品イメージを膨らませることが可能ですが、ケータイで同じ書き方をしてしまうと、上述したように文字数が増えて、とても読みにくいものとなってしまいます。
そこで、ケータイでは作家さんに人物の会話シーンを増やしたり、描写の一文を短くするなどの対応をしていただいてます。
また、会話シーンの台詞部分に男性には青、女性にはピンクの色をつけるなどモバイルならではの工夫を施すことで、読者がさらに場面のイメージを膨らませられるようにしています。
◆行間◆
ここまでの対応でもだいぶ読みやすくはなりますが、さらに行間を空けることでその読みやすさは倍増します。
画面が小さいので、ついつい文字を詰めてしまいがちですが、そうするとせっかく文字数を少なくしても読んでいる途中で疲れてしまいます。台詞まわりや段落ごとに行間を入れることで、疲れを感じることもなくスムーズに読むことができるようになります。
以上のことを踏まえて、掲載している作品が以下のものになります。
[左:修正前 右:修正後]
いかがですか?
このようにちょっとした工夫を施すことで、読みやすさにここまで差が出てきます。
「おもてなしの心」にありましたように、ユーザーにとってストレスのないサイトを作ることはディレクターにとって重要な役割のひとつだと思います。そのためには、自分もいちユーザーとしてそのコンテンツを楽しむことも必要です。上記にあることも、休みの日や電車を待ってる時間などに自分で実際に小説を読んでみて気づいたことがほとんどです。
今後も開発者視点とユーザー視点の両方からよりよいサイトにしていけるようブラッシュアップしていきたいと考えています。
皆さんもちょっとした空き時間に手軽に読書を楽しんでみませんか?
外出先や家でちょっとした時間ができたとき、何か暇つぶしになるものはないかな、とケータイをいじることはありませんか?
ゲームやSNSなどケータイで楽しむコンテンツが日に日に増えているなか、今若い世代を中心に人気を博しているのが「ケータイ小説」と呼ばれるものです。
『livedoor小説』とは、そのケータイ小説を無料で毎日配信しているコンテンツです。
私はディレクターとして作品の配信設定やサイトの更新、次回作の選定などを行っております。
「読書」といえば書籍が少し前までは当たり前でしたが、最近ではケータイで読書をすることが女子高生を中心に定着してきました。
今では、サラリーマンや主婦の間でも暇つぶしのコンテンツとして注目されています。
しかし、同じ小説だからといって書籍や文庫と同じ文章を載せると、ケータイではとても読みにくいものとなってしまいます。
今回はケータイ小説を配信するに当たって、書籍との違いやケータイならではの工夫点についてお話したいと思います。
◆文字数◆
まず最初にあげられる書籍との一番の違いは、ケータイには一度に表示できる文字数に制限があるということです。
書籍の場合は、章ごとなどでの文字数制限がありません。しかし、ケータイで制限なく書いてしまうと下にスクロールする回数が多くなり、ユーザーがストレスを感じてしまう可能性があります。また古い世代の端末ですと、容量オーバーとなり全文表示させることが出来ない恐れがあります。
そのようなことがないように、ケータイ小説では一話あたりの文字数を800〜1200字で依頼しています。それにより、ケータイの画面で読んだときのストレスをなるべく少なくしているのです。
◆配信話数◆
もちろん一話あたりの文字数が制限されることは、書き手にとってはなかなか厳しいものです。その中にストーリーを無理やり収めようとすると、作品の展開が単調なものとなりクオリティが下がってしまう可能性も出てきます。いくらケータイ向けに読みやすくしても、作品がつまらなくなってしまっては元も子もありません。
そこで、その分配信話数を多くすることで、作品全体のクオリティを維持するようにしています。一話あたりが短くてもそれをまとめて2〜3話配信することで内容的にも読み応えのあるものが配信可能となるのです。
◆作品描写◆
また、作品の描写方法も書籍とケータイでは異なってきます。
書籍であれば、その場面の背景や状況などを詳しく描写することで読者の作品イメージを膨らませることが可能ですが、ケータイで同じ書き方をしてしまうと、上述したように文字数が増えて、とても読みにくいものとなってしまいます。
そこで、ケータイでは作家さんに人物の会話シーンを増やしたり、描写の一文を短くするなどの対応をしていただいてます。
また、会話シーンの台詞部分に男性には青、女性にはピンクの色をつけるなどモバイルならではの工夫を施すことで、読者がさらに場面のイメージを膨らませられるようにしています。
◆行間◆
ここまでの対応でもだいぶ読みやすくはなりますが、さらに行間を空けることでその読みやすさは倍増します。
画面が小さいので、ついつい文字を詰めてしまいがちですが、そうするとせっかく文字数を少なくしても読んでいる途中で疲れてしまいます。台詞まわりや段落ごとに行間を入れることで、疲れを感じることもなくスムーズに読むことができるようになります。
以上のことを踏まえて、掲載している作品が以下のものになります。
[左:修正前 右:修正後]
いかがですか?
このようにちょっとした工夫を施すことで、読みやすさにここまで差が出てきます。
「おもてなしの心」にありましたように、ユーザーにとってストレスのないサイトを作ることはディレクターにとって重要な役割のひとつだと思います。そのためには、自分もいちユーザーとしてそのコンテンツを楽しむことも必要です。上記にあることも、休みの日や電車を待ってる時間などに自分で実際に小説を読んでみて気づいたことがほとんどです。
今後も開発者視点とユーザー視点の両方からよりよいサイトにしていけるようブラッシュアップしていきたいと考えています。
皆さんもちょっとした空き時間に手軽に読書を楽しんでみませんか?
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