こんにちは、『T=SELECT』や『livedoor トレビアンニュース』などを担当しているケイジェイです。私は文章の校正や校閲をする業務が多いので、今回もその分野についてのお話しをしたいと思います。

インターネットが世間に広まるまで“校正校閲の仕事”といえば紙媒体(つまり印刷物)が主体でした。新聞や雑誌、書籍などの編集者にとって、校正スキルは必須といえます。正しい日本語で正しい情報を伝えるために、文章の校正はとても重要です。校正だけを業務とする校正者という職業があるくらいですから、「物事を正確に伝える」ことは大切なのです。

そんな紙媒体特有ともいえる校正校閲の仕事でしたが、パソコン通信やインターネットが普及してきてから、紙媒体と同じような情報がモニターの画面表示というかたちになって掲載されるようになりました。特に『Yahoo! JAPAN』がスタートした1996年以降は顕著です。インターネットには、紙媒体と変わらぬ膨大な量の情報が数々のサイトに掲載されるようになりました。

情報という意味では紙媒体もインターネット媒体も同じです。つまり、インターネット媒体にも紙媒体と同じクオリティーの文章が求められるわけです。では「紙の校正」と「サイトの校正」には違いがあるのでしょうか? カンタンにいえば70パーセントは同じで、残り30パーセントは違うといえます。ちなみに、『Yahoo! JAPAN』さんにはQA(Quality Assurance)という、サイト校正や校閲などをする品質保証の部があるそうです。

では、私がlivedoorの各コンテンツの文章を校正する場合を例にとって、サイト特有の校正をひとつ紹介しましょう。ちなみに、サイトの校正でも紙としてプリントアウトし、赤ペンで校正をします(直接テキストファイルを校正する場合もあります)。

・文章の一部を削る校正記号
紙の校正:「トルツメ」 サイトの校正:「トル」
「トルツメ」は「文字を削って詰める」という意味です。紙媒体の場合、削った文字を詰めないとそのまま空白になってしまうため、「トル」と「ツメ」の指示が必要です。しかし、パソコン上では文字を削れば自動的に詰められるので「ツメ」は必要なく「トル」という指示だけで問題ない。ただし、文字を削ったあとを空白にする「トルアキ」「トルママ」はサイト校正でも使われます。


上記は校正記号の場合ですが、それ以外にも紙媒体とは違う表記ルールがサイト校正にはあります。たとえば……

・数字はすべて半角
数字1ケタの場合、紙媒体では全角数字を使うことが多いですが、サイト校正では1ケタでも2ケタでも半角数字を使うのが適切です。こうするわけは、見た目と読みやすさの問題が大きいといえます。

1ケタ全角、2ケタ半角の場合
「12月7日、8回の裏10打点を取った4番が23回転んで5回三振」

すべて半角の場合
「12月7日、8回の裏10打点を取った4番が23回転んで5回三振」


上記の例は数字だけでなく英字にも当てはまるルールで、基本的に英字も半角で表記します。実際、英数字を全角のみで表記したり、半角と全角を混在させて表記した場合、とても読みにくいのがわかるはずです。ですので、全角と半角が混在していた場合は半角英数字に修正します。

今回は、いくつかの例を出しつつ、校正についてお話しました。それらは私が受け持つコンテンツでの校正方法ではありますが、きっと、どのサイトにも使える校正方法ではないかと思います。「紙の校正のままサイト校正をしてはいけない」ということがわかっていただければ幸いです。次回、私が記事を書く機会があれば、引き続き校正についてお話したいと思います。

今後とも、livedoor をよろしくお願い申し上げます。