こんにちは、モバイルディレクターの中村です。

最近はMNP(番号ポータビリティ)の導入で、以前にも増して新機種が発売されていますよね。新しい機能が増え、ひとりのユーザーとしてはうれしい限りです。しかし、サービスを考える上で気になるのは、これだけ新機種がでているなかで「過去に発売された下位端末からのアクセスがどのくらいあるのか?」という点です。

では、どうして最新機種が多く発売されているいま、下位端末が気になるのか? たとえばDoCoMoの下位端末“50*シリーズ”は、表示可能なページサイズが少ない、xhtmlが表示できない、メールの受信可能な容量が少ないなど、さまざまな制約があります。それに対応するとなると、ある程度の開発と運用が必要となるからです。

そこで先月(2007年7月)分の『ケータイ livedoor』TOPページのアクセスシェアを調べてみました。まず、キャリア別のアクセス比率をご覧ください。

キャリア

やはりDoCoMoユーザーの割合が依然として高いですね。しかし、auも41%とかなり健闘しているようです。では、各キャリアの上位機種の割合を見てみましょう。まず、DoCoMoからです。

ドコモ

FOMAとその他で分けて集計しました。94%ということで、ほとんどがFOMAユーザーですね。FOMAであれば、本来私たちが見てほしいリッチなページを閲覧できるので、できればすべてFOMAユーザーになってほしいものです。

次にauです。

au

なんと98%がWINユーザーということが分かりました。パケット定額プランの敷居の低さや通信速度が最大2.4Mbpsであることが要因となったのでしょうか。実は私も簡単なデバッグのときは、いつもWINを愛用しています。では最後にソフトバンクです。

ソフトバンク

ソフトバンクは大きく分けてC型、P型、W型、3GC型があり、今回は、3GC型とその他で分けて集計しました。3キャリアのなかでは上位機種の割合がもっとも少ないですが、個人的には88%もあるとは思いませんでした。

『ケータイ livedoor』はポータルサイトということで、ユーザーが少ない下位端末でも基本的に非対応とすることはありません。しかし、新しいサービスを立ち上げる際「対応端末をどこで切り分けるか?」という判断も、ディレクターには必要です。ちなみに『livedoor 歌詞』では、FOMA,WIN,3GC端末を対応端末としています。

これからは、さらに下位端末の割合が減るとは思います。しかし、単に「ユーザーが少ないから」という理由で非対応にすることはありません。各キャリアの端末にどのような制約があって、どのような対応が必要かを十分理解した上で、対応端末を切り分けられるよう、過去に発売された端末の情報も頭に入れておく必要があります。

端末との戦いは宿命でもあります。ガッツや根気もモバイルのディレクターには重要なスキルといえるかもしれません。……しかし「ガッツはおもにフットサルで使え」と上司にいわれますが。