はじめまして。livedoor でディレクターをしている菊地です。結婚紹介サービス『youbride』を担当しています。初参加の今回は、国内の「結婚情報サービス」についてと、海外事情にみる今後の展望について書いてみたいと思います。

■そもそも「結婚情報サービス」ってなに?
広義では「出会い系」にくくられます。特徴としては、真剣に結婚を希望する男女を引き合わせる場所を提供し、成婚までの支援を行うサービスです。基本的には、下記の3種類に大別されます。

●仲人・結婚相談型サービス
いわゆる仲人や担当者が、結婚を希望する男女を引き合わせることを目的とし、お見合いのセッティングや交際をサポートするサービス等。
−日本仲人連盟や日本ブライダル連盟の会員

●データマッチング型サービス
あらかじめ会員が登録したデータに基づいて、結婚を希望する男女に対し、相手を紹介するサービス等。

−『オーネット』……(株)オーエムエムジー
−『ツヴァイ』……(株)ツヴァイ
−『JMS』……(有)JPワークス
−『サンマリエ』……(株)サンマークライフクリエーション

上記のようなサービスが国内では大手として挙げられます。

●インターネット型サービス
インターネット上において、会員が自主的な活動により、希望する相手と交際することを支援するサービス等。

−『ブライダルネット』
−『エキサイト恋愛結婚』
※参考:総務省


2006年における総務省の調査では、「結婚サービス」のおもな業態は「仲人・結婚相談型サービス」であり、業界全体の約86%を占めています。「データマッチング型サービス」は約9%、「インターネット型サービス」はその他あわせて、わずか5%以下にとどまっています。

弊社の『youbride』は、上記における「インターネット型サービス」に該当します。


■国内における「結婚情報サービス」の現状
「仲人・結婚相談型サービス」や「データマッチング型サービス」は、全国に営業拠点を持ち、全国のアドバイザーがマッチングまでの支援を行うことから、その信頼性が高く評価されています。

入会条件として、身元証明や独身証明、所得証明など、本人確認の書類提示を求められるサービスがほとんどです。くわえて、結婚情報サービス協議会(MISC)等の業界団体に加盟する事業者も多く、クーリング・オフ制度、個人情報保護の厳守など、安全性の向上に努めています。こうした業界団体への加盟は非常に審査が厳しく、全国に営業所を持たない事業者は対象外になるとされています。

対して「インターネット型サービス」は、身分証明書などの提出が義務化されていないサービスが多く、俗にいう出会い系サイトと区別がつきにくいという問題点があります。また、業界団体への加盟も難しい為、広告展開等のプロモーション活動において他の業態に遅れを取ります。

現状、ほとんどの雑誌広告・新聞広告への掲載は、業界団体への加盟などが条件となります。その代わり、「インターネット型サービス」は他の業態に比べ費用が安く、ユーザーが気軽に利用できるのが特徴です。

基本的なコンセプトはどの業態でも大きな差はありません。では、海外の「結婚情報サービス(出会い系)」はどうなっているのでしょうか?


■海外では何が起こっているか?
日本においては近年の SNS のブレイクにより、課金型の出会いサービスが押され気味になっている印象があります。担当ディレクターとしては、サービスをどのような方向に進めて行くべきか迷いどころです。

「出会うだけなら SNS でいいっしょ。無料だし」

そんな声に「で……、ですよね」などと逃げ腰になっていたのでは、課金サービスなど運営できません。「結婚情報サービス」は、まだまだ伸びしろが広がっていると私は確信しています。海外のサービスに目を向けると、その可能性を感じることができます。

海外にも我が国同様の「結婚情報サービス」が多数存在し、その市場規模は2008年に14億6千万ドルに達する見込みと言われています。

幾つか気になったサービスを紹介します。


・『true.com』
アメリカ国内の犯罪データベースを利用して、入会者の過去の犯罪歴をチェックしています。犯罪歴や経歴詐称があった場合は、会員に対して運営側が訴訟を起こすことを警告しています。


・『seniorfriendfinder.com』
50代以上を対象としたシニア向け出会い系サイト。
アメリカでは年々シニア層の出会い系利用者が増加傾向にあるそうです。


・『Engage.com』
「ソーシャルデートコミュニティ」と銘打ち、単なる出会い系にとどまらずソーシャルネット化を目指すべく OpenSocial API を支持しているということです。OpenSocial は、『Google』がはじめたウェブ上でソーシャルアプリケーションを開発する共通の API です。国内では『mixi』も賛同を表明しているようです。


・『truedater.com』
主要出会い系サイトの会員をレビューできるサービスです。他人の評価を見ながら相手を探せるという事で、一風変わった「クチコミ出会い系」。日本じゃ怖くて出来ません……。


日本の「結婚情報サービス」と比較すると、非常にユニークなサービスが多いことがわかります。そして、「出会い系=犯罪の温床」というイメージが強い日本に対し、海外では健全なコミュニティインフラとして認識されているようです。

また、最新の技術トレンドを積極的に取り入れることで、他社サービスとの差別化を図ろうとしています。そんなの当たり前のことなんですが、国内の出会い業界ではあまり意識されないのが実態です。

「インターネット型サービス」は、その名の通りネットサービスのみで勝負する必要があるので、こうした姿勢は見習うべきところです。

国内のサービス展開に行き詰まったら、海の向こうで何が起きているのか調べてみるのも良いかもしれません。

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