これからお休みになる方も、お目覚めの方もこんにちは。『livedoor トレビアンニュース』を担当しているKJ(ケイジェイ)です。今回は、サイトや雑誌に品物を掲載して原稿を書く場合、新人ライターや編集者がよく間違える「感想とレビュー」の違いをお伝えしようと思います。

■掲載方法の違い

ある品物をサイトや雑誌に掲載する場合、大きく分けて3つの掲載方法があります。その3つとは、「紹介」と「感想」と「レビュー」です。ほかにも「PR」や「報告」という表現もありますが、ここではその3つに焦点をしぼってお伝えしたいと思います。では、「紹介」「感想」「レビュー」の違いをかんたんにご説明しましょう。

<それぞれの内容の違い>
「紹介」……品物に対して「良し悪し」の「良し」は書いても「悪し」は書きません。あくまで紹介なので、その品物の特徴やデータを読者にお伝えします。このような原稿は、通販カタログやサイト、新聞・雑誌の新商品紹介、そしてプレスリリースに多くみられます。

「感想」……「感想」の原稿には、「紹介」にはなかった感情的な表現が入ります。「おもしろかった」「すごかった」「○○が△△で良かった」など、所感のような原稿になります。自分が思ったことを出しているぶん、「レビュー」に近い原稿になりますが、「おもしろかった」「すごかった」の部分をより明確にしない限り、「レビュー」原稿にはなりえないでしょう。『フレパ』や『Amazon.co.jp』のレビューを読むとわかりますが、けっこう「レビュー」というよりは「感想」に近い原稿が多々載っています。それだけに、「レビュー」を書くということは、結構“考えること”が必要なのです。

「レビュー」……「レビュー」の原稿には、「感想」にはなかった分析の要素が入ります。「良し悪し」の両方を伝えるだけでなく改善点を書くこともあります。また、必然的に「レビュー」は厳しいものになりがちです。えてして消費者というものは良い点よりも悪い点に目がいくもので、「感想」が「レビュー」になったとたん、その内容はガラリと変わって厳しいものになることが多いのです。「感想」ならば「おいしかった」ですみますが、「レビュー」では「どうしておいしいのか?」「どこをどうすればより良くなったのか」などの分析も入れる必要があります。読書感想文などに「もっと○○が△△だったらよかったのに」ということを書く人がいますが、それは片足を「レビュー」の領域に突っ込んでいる感想文といえるでしょう。


■3つの掲載方法の例

では、ここではわかりやすいように『KENちゃんの絵描き歌』というCDをサイトに掲載することになったとして、お話を進めていきましょう。ちなみに、ここで参考例を音楽CDにしたのは、私が前職でポータルサイトの音楽コーナーの担当をしていたからです。

では、あなたの担当するコンテンツに『KENちゃんの絵描き歌』を掲載することになりました。上記で説明した3つの掲載方法に当てはめますと、以下のように分けることができます。

<それぞれの盛り込むべき内容>
「紹介」……『KENちゃんの絵描き歌』の発売日や価格、収録されている曲名やジャンルなどのデータ、そして制作秘話などの裏話などが載る場合もあります。

「感想」……データのほか、『KENちゃんの絵描き歌』を聴いたときに感じた雑感・所感などを掲載。前作を例に持ち出して比較するのも「感想」ではありですが、やりすぎると「レビュー」になってしまう。

「レビュー」……データのほか、どうしてこの曲が○○になって△△になったのかなど、曲やアーティストの分析や客観的価値判断。あまりないことですが、気にかかれば曲数と価格のコストパフォーマンスを入れても間違いではありません。


■それぞれの原稿を書いてみた

では、実際に「紹介」「感想」「レビュー」に分けて原稿を書いてみることにしましょう。

タイトル:『KENちゃんの絵描き歌』
発売日:12月25日発売
メディア:CD
価格:3,129円(税込)
発売元:KYインタラクティヴ


「紹介」……
ついにKENちゃんのセカンドアルバムが10年ぶりに発売! ポップなチューンに耳を傾ければ、きっとキミもKENちゃんのKYワールドに入り込んじゃうハズ! 新曲『やるの忘れてました』も収録されているほか、初回特典のKY酸素ボンベはKENちゃんのサイン入りで限定1000個だよ。いますぐショップで予約だネ♪

「感想」……
KENちゃん10年ぶりのアルバムとなる『KENちゃんの絵描き歌』が発売され、さっそく聴いてみてオドロキ! 10年前のバラード調かと思いきや、ガラリとかわってロックンロールになってるじゃん! でも、「これもアリかな」って思えてくるから不思議。クルマを運転しながら聴くとスピードを出したくなるので注意してネ。ちょっと収録曲数が少なくて残念だけど、このビートはKENちゃんじゃなきゃ出せないから許す♪

「レビュー」……
10年ぶりのアルバムというだけでなく、ヒット曲『また俺のことか』がアレンジされて収録されていると聞いて期待していたが、演歌をロックにアレンジしたのはやや無理があったようだ。演出で“音飛び”しているかのような表現をしている曲『俺だけ呼ばれてない』は音階の旋律がメチャクチャで、聴いていてイラつくものがあった。カラオケとしながら、生産ミスで声が入っているのはいかがなものか。期待しすぎたようである。

……と、かなり軽いノリで例を書いてみましたが、なんとなくでも、それぞれの原稿が持つ内容の違いを知ることができたはず。人それぞれ自分の考えのもと原稿を書くと思いますので、私が書いたことが必ずしも正解とはいえないでしょうが、読者が商品の紹介を読んだときは「紹介」になっているものを、レビューを読んだときはちゃんと「レビュー」になっているものを読んでいただけるよう、努力していきたいですね。


livedoor では、原稿を書いたりすることはもちろん、同時にディレクターという分野で活躍したいスタッフを大募集しています。面接のときに自分の「紹介」と「感想」を的確に話し、採用後に良い「レビュー」がされるよう、期待しております^^