こんにちは、livedoor のプロデュースグループでモバイル事業を担当している津元です。今回は非公式ケータイサイトの課金について書かさせていただきます。

その前に、公式サイトとは何かをご説明いたします。公式サイトとは、ケータイキャリアが公式に認めているサイトという意味を持ちます。以前の記事で、公式サイトに登録されるメリットを書きましたが、そのなかに「キャリアの情報料回収代行サービスを利用でき、容易に課金できる」というメリットがありました。

皆さんも使われたことがあると思いますが、4ケタのパスワードを入れるだけでコンテンツなどの購入ができ、支払いは毎月の携帯料金と一緒になります。これはケータイユーザーにとって他の決済手段(銀行振込、クレジットカード、電子マネー、コンビニ払い等)に比べると非常にハードルが低く、モバイルコンテンツ市場がここまで大きくなるうえでも重要な役割を果たしました。

一方、非公式サイトはどうなのかといいますと、公式サイトのような課金方法は利用できないため、さきほども述べた銀行振込やクレジットカード、電子マネーが主流です。ただ、105円や315円などの小額決済をするためだけに各種情報を入れるのは、余程バリューのあるコンテンツでないと厳しいですし、そもそも10代だとクレジットカード持ってないユーザがいたり、おしなべて課金しづらい状況があります。とはいえ、ECサイトでのショッピングとなると話は別ですが、これはまたいづれお話しましょう。

そんななか、ドコモの回収代行サービス『ケータイ払い』サービスが登場し、各社が続々と導入し始めているようです。このサービスはもともと『DoCommerce』という名称で試行していましたが、その後『ケータイ払い』に名称を変更し現在にいたっています。もともとの名前からもおわかりの通り、主に ECサイトでの利用を想定したものです。


<『ケータイ払い』概要>
・4ケタのiモードパスワードを入れるだけで利用可能(=公式サイトと一緒)
・携帯料金と一緒に請求(=公式サイトと一緒)
・上限額 10,000円/月
・従量課金(=ショット)の課金のみ
・料金延滞がない(iモード付加機能使用料などの支払いを直近2ヶ月連続で期限
内に支払っている)ユーザのみ利用可能
・債権は加盟店からドコモが買い取り(=公式サイトの回収代行よりは手数料高?)


公式サイトのものとはいくつか異なる部分もありますが、「4ケタのパスワードだけでコンテンツや商品を購入できる」といういちばんのメリットは同様です。ですが、ショットでの課金しかできないのがデメリットとしてあります。たとえば3か月や6か月コースなどパッケージで対応するしかない状況です。

この『ケータイ払い』ですが、ドコモは過去にそれほど積極的に展開していなかったのか、導入しているサイトは少なかったのですが、最近は積極的に働きかけているようで、それに伴い審査の方も柔軟になってきているようです。また、今までは ECサイトが多かったのですが、コンテンツやサービスの課金手段としても導入しているサイトもあり、それに伴い、にわかに注目され始めています。導入しているサイトですが、ECサイト以外で有名どころとしては以下のサイトがあります。

<『ケータイ払い』導入サイト>
・ケータイハンゲーム(ハンコイン購入)

・モバゲー(プレミアムアバター購入)

・モバオク(月額有料会員の決済)

・ニコ動、ヤプログ、アットゲームス、コルムオンライン、MOOCS Mobileなどなど


上記はほんの一部でして、パソコンで対応しているサイトも多く、そちらも含めるとかなりの数にはなります。売上へのインパクトでいうと、相対的には伸びた会社が多いと聞きます。

弊社は、『ケータイ livedoor』をはじめ非公式サイトを持っており、そのなかでは『livedoor ウォレット』という事前にクレジットカードや請求先情報などを登録しておけば基本的にはボタンひとつで購入できるサービスもあるのですが、ウォレットに対応しているサービスが少ないこともあり、あまり利用されていない現状があります。そこで、ユーザーからの要望もあり、現在『ケータイ払い』導入の準備を進めています。

今までは課金すること自体のハードルが高かったので、実現したくてもできない部分がありましたが、『ケータイ払い』を利用し、有料メニューを作ることで高機能化を図り、結果的にユーザーの皆さまが満足していただければと考えています。

なお、他キャリアはというと、au は『まとめてau支払い』、ソフトバンクは『S!まとめて支払い』と、同じようなサービスを展開しております。ただ、『まとめてau支払い』は審査があるのと同時に実装に工数がかかります。また、『S!まとめて支払い』は利用できるのが公式サイトのみで、そもそも最初から非公式サイトは NG といった感じで、3キャリアまとめて導入できないのが痛いところです。

今後はキャリア課金だけでなく、Edy、Suica など Felica を利用して、非公式サイトでもカンタンにシームレスで決済できる仕組みなどが出てくると良いのですが……。ちなみに、現在でも『Mobile Edy』というサービスありますが、メールを受信してからアプリ起動しなくてはならず、利用にワンクッションはさむ形になるのでシームレスに使えないです。

弊社では、このような現実的な課金の仕組みを使ってマネタイズしていくことも重視しております。弊社で持つ媒体と相性の良いコンテンツやサービスをお持ちの会社さまがいらっしゃれば、ぜひお声をいただければと思います。