こんにちは。モバイルサイトを担当している小野です。今回は「半年で PV を2倍にする」という目標を2007年10月に達成した「livedoor 小説」のサイト運営法についてお話したいと思います。

「livedoor 小説」は、プロ作家の小説をモバイルで無料提供するサービスです。
2007年は一年を通して「携帯小説」への注目度が高まり、利用人口も増加しました。
しかし反対に、「livedoor 小説」の PV は減少傾向にあったのです。原因は、競合サイトの増加により市場競争で劣勢に追い込まれていたためだと考えられます。そこで「livedoor 小説」では、次の4つのステップをサイト運営に導入し、状況の打開を目指しました。

【1】目標を設定する
まずはサイト全体の PV と UU の目標を立てます。最初から適切な数値で目標をたてるのは難しいので、大まかな目標をたて、定期的に見直し、必要なら修正します。例えば「半年後までに PV を 2倍にする」などの目標をたてるわけですが、このとき下記の点を考慮します。

・現実離れしすぎた目標を立てない
 実現するためのプランをイメージできること。

・外的要因、季節要因を加味する

【2】プランを作成し実行する
(1)で立てた数値目標を、“期間”と“コンテンツ”に落とし込んだ目標の実現プランを作成します。

期間に落とし込むというのは、「半年後までに PV を 2倍にする」という目標なら、「3ヵ月後には 1.5倍。それなら今月はこれくらい」といった感じで、目標を期間で区切っていくということです。実際には具体的な数値を毎月の目標値として設定しておきます。

次にコンテンツへの落とし込みです。これは、コンテンツを構成する要素別に目標の数値を分解していきます。例えば「livedoor 小説」の場合は、コンテンツの構成上「連載中の作品」「バックナンバー」「その他特集ページ」といった3つの要素に分解して、下記のように目標を設定しました。

・連載中の作品→よく読まれるので全体目標の6割
・バックナンバー→全体目標の3割
・その他特集ページ→全体目標の1割

このときの要素が細かすぎると、次のステップの“定期的なチェック”が大変になるので、最低限の分解にとどめ、様子を見ながら修正するのがよいと思います。

そして重要なのは「分解した目標を達成するために、何をすべきか」を具体的に検討すること。実現プランが決まれば、あとはこれを実行に移します。


【3】定期的なレポートチェックで進捗を確認する
PV、UU、回遊率をチェックするのはもちろん、(2)で作成したコンテンツの要素に分解した目標達成の進捗を確認します。このときレポート作成に何時間もかけては意味がないので、入手しやすいデータを使って更新しやすいフォーマットにするのが長く続けるコツです。
「livedoor 小説」の場合は、「連載作品」「バックナンバー」など作品の種類で数値目標を設定したので、作品ごとの PV もチェックします。またこの確認作業は週1回の定例会議の中で行い、運営メンバー全員で共有します。週次で定例会議を開くと以下のようなメリットがあります。

・問題を発見しても、すぐに対策を打てる
 前週に発生した問題も、翌週に対策を打てばPVを挽回できる場合が多いです。

・目標を運営メンバーで共有できる
 今週の目標が達成できていれば今月の目標達成の見通しが立ち、今月の目標が達成すれば半年後の目標値に一歩近づいたことになります。


【4】改善策を検討し実行する
(3)のチェックで進捗が望ましくない場合には、改善策を検討します。このとき目標をコンテンツの要素に分解したことで、具体的にどこが落ち込みの原因かすぐにわかるので、その原因を解消するための対策を検討します。「livedoor 小説」ではこの作業も週1回の定例会議の中で、運営メンバー全員で行います。以下に例をご紹介します。

【問題1】新連載作品の PV が伸びない
【改善策】
「まだユーザーに認知されていないのでは?」という仮説から
 ・特集ページで作品をわかりやすく紹介する
 ・モバイルサイトトップページで大々的に取り上げる

【問題2】全体の UU が落ちている
【改善策】
 ・モバイルサイト内のバナー広告や、テキスト広告の活用
 ・ポータル内の同じユーザー層を持つ他のコンテンツから誘導リンクを設置
 ・メルマガを活用して離れたユーザーへアプローチ

改善策を実践したら、それが有効だったかどうか次回の定例会議でチェックします。原因分析と改善策の検討には「ウェブサイトの効果測定について」の記事も参考になります。

以上の4つのステップは、「PDCAサイクル」の「Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Act(改善)」の実践です。「livedoor 小説」では、(2)〜(4)のステップを週ごと、(1)〜(4)のステップを月ごとに繰り返しています。

複数のコンテンツを担当し、さらに新規開発案件を担当するような状況では、サイト運営も現状維持で満足してしまいがちです。しかし、せっかく立ち上げたコンテンツを育てていくのもディレクターの仕事の醍醐味(だいごみ)であり、結果が目に見えることは次なるモチベーションにもつながるのではないかと思います。


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