こんにちは、佐々木です。


最近、WebディレクターというよりもWebプロデューサーとしての立場でサービスに関わることが増えてきました。そこでよく利用するようになったのが、「リラスプ」というフレームワーク(考え方)です。

このフレームワークを使うと、これまで無意識に使ってきた「お客さま」という言葉を明確に定義して使い分けられるようになります。それによって、立場の異なるお客さまのメリットの最大化について、想像力を働かせやすくなりました。とても便利な考え方ですので、ぜひ一度お試しください。


■「リラスプ」とは?


まず「リラスプ」という言葉の定義について、こちらの記事をご覧ください。

CGMサービスにおける4種類のお客さま「リラスプ」

[リ] Reader(読み手)
サービスを利用する人。閲覧したりダウンロードしたり、ネット上のコンテンツを楽しむお客さま。

[ラ] Writer(書き手)
サービスを利用する人。書き込みやファイルのアップロードによってネット上のコンテンツを充実させるお客さま。

[ス] Sponsor(広告主)
広告出稿する人。サービスを通して、読み手や書き手にアクセスし、そこでリレーションを築きたいお客さま。

[プ] Provider(提供者)
サービスの提供を共同で行うパートナー。OEM展開だったりASP導入だったり取り組み方はさまざまですが、運命共同体とでもいうべきお客さま。

イメージできましたでしょうか?

ある種類のお客さまにとってメリットだと思ってやったことが、ある種類のお客さまにとってはデメリットになっていた、なんてことはよくあることですし、「お客さま」という言葉自体が何のことを指しているのかわからない、という場面もよくあります。

それを整理するのがこの「リラスプ」という考え方です。
では、この「リラスプ」を実践的に活用する方法を紹介します。


■開発計画を立てるとき


たとえば「新広告枠の追加」「お絵描き機能」というふたつの開発をする場合。
実装担当者にとってはどちらも同じ作業かもしれませんが、お客さまにはどう見えるのかを整理してみましょう。

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新広告枠の追加は、「スポンサー」にとってメリットとなる可能性がありますが、「読み手」にとってはデメリットになる可能性があります(広告がすべてそうだというわけではありません。あくまで一例です)。

一方のお絵描き機能は、「書き手」にとってはメリットになる可能性がありますが、サービスを共同で提供しているプロバイダーにとっては、「余計な機能が増えて困る」といったデメリットとなる可能性があります。

だからダメだというのではありません。

機能のメリットとデメリットをリラスプで分析して、「誰かに大きなデメリットが偏っていないか?」とか「誰のための機能なんだ?」といったことを確認するきっかけにするのが目的です。


■プロモーションの計画を立てるとき


たとえばサービスのプロモーションやリリースの計画を立てる場合。
発表する予定のものを「リラスプ」で整理するとどうなるか見てみましょう。

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上の表はライブドアの実例なのですが、2009年2月のlivedoor Blogは、「読み手」からするとセクシーなサービスに見えない、ということが言えそうです。

異なる立場のお客さまをイメージし、「このサービスは本当に魅力的に見えているか?」と問い直すためにも、「リラスプ」という考え方を活用してみましょう。


■事業計画を立てるとき


たとえば売上の予算や事業計画を立てる場合。
売上を項目別に分析するのも必要ですが、「誰がお金を支払っているか」をリラスプで分類してみると、ちょっとちがった角度からものを考えることができます。

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上の表は、売上の項目別に分類したもの。
ちなみにlivedoorとはなんの関係もない架空の数字です。

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上の表は、最初の表をリラスプで分類したものです。

ここから感じる印象はさまざまだと思いますが、「コンテンツ課金で、読み手からもっと収益を得られないだろうか」とか、「広告主からの売上は、全体のおよそ60%もあるんだな」とか、いろいろと考えることができます。

どのお客さまを集中して大事にすべきなのか、といったことを考えていくのにも役立ちます。


■まとめ


誰のための機能追加だろう?
このサービスはどう見えてみるんだろう?
どうやって成長させていけばいいんだろう?

そういったことに迷ったら、「リラスプ」という4種類のお客さまをイメージしてみてください。ヒントがみつかるかもしれません。