こんにちは、坪田です。

ライブドアでは、アクセス解析ツールをいくつか併用していますが、Google Analyticsも利用してサイト分析をおこなっています。

ディレクターブログでも何度か記事にしていますが、Google Analyticsの「ga.js版」と呼ばれる1世代前のトラッキングコードを利用していましたが、最近いくつかのコンテンツを「非同期版」に移行しました。

通常は、トラッキングコードを非同期版に入れ替えるだけですが、イベントトラッキングやカスタム変数を利用している場合は、非同期版に対応したコードの書き換えが必要となります。

今回は、非同期コード版の導入メリットと注意点についてまとめてみました。

非同期トラッキングコードについて


非同期トラッキングコードは2009年12月にベータ版で公開されましたが、2010年5月17日以降はGoogle Analyticsは非同期トラッキングコードを標準として利用しています。

非同期版へ移行するメリット


非同期版の改善ポイントとしてgoogleが発表しているのは以下の3点です。
1,ブラウザの読み込み時間を高速化
2,データの収集と精度強化
3,JavaScriptが完全にロードされるまでの依存から起こるバグを除去
参考:Google Analytics launches asynchronous tracking
http://analytics.blogspot.com/2009/12/google-analytics-launches-asynchronous.html
以前に発表された、検索ランキングアルゴリズムにサイト応答速度を加味
米Googleは4月9日(現地時間)、同社が取り組むWeb高速化の一環として、検索結果の表示順位を決定するアルゴリズムにサイトの応答速度を取り入れると発表した。
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1004/12/news015.html
とあるように、SEO対策としても有効ですので、「ga.js版」を利用しているサイトは「非同期版」への移行をオススメします。

移行する上での注意点


冒頭でも書いたとおり、非同期版へ変更する注意点として、カスタム変数やイベントトラッキングを使ってる場合、合わせてコードを変更する必要があります。

いくつか注意点をまとめてみました。

1,トラッキングコード貼付場所について
ga.js版:</body>タグの直前
  ↓
非同期版:</head>タグの直前

2,非同期コードのイベントトラッキングについて
イベントトラッキングでは、PVとイベントを分離して計測でき、それぞれのリンクがクリックされている数が集計可能です。

ga.js版:
pageTracker._trackEvent('カテゴリ', 'アクション', 'ラベル', '値');
  ↓
非同期版:
_gaq.push(['_trackEvent', 'カテゴリ', 'アクション', 'ラベル', '値']);
※[ラベル][値]はオプションで設定可能

実例:
<a href="#" onclick="_gaq.push(['_trackEvent', 'ヘッダー', 'ヘッダーナビ', 'サービス']);">ヘッダーナビ</a>
サイトレイアウトをカテゴリでわける事で、それぞれのエリアごとのクリック数を簡単に計測することができます。
※カテゴリ分類については「google analyticsのちょとしたテクニック」が参考になると思います。

イベントトラッキングについては「Google Analytics イベントトラッキングガイド」でまとめられていますので、詳しくはこちらをご覧ください。

3,マルチトラッキングについて
通常は、1サイト1プロファイルですが、コードを以下のように変更する事でマルチトラッキングする事ができます。

■通常
var _gaq = _gaq || [];
_gaq.push(['_setAccount', 'UA-*******-**']);
_gaq.push(['_trackPageview']);

■マルチトラッキング
var _gaq = _gaq || [];
_gaq.push(
['_setAccount', 'UA-プロファイルA'],
['_trackPageview'],
['b._setAccount', 'UA-プロファイルB'],
['b._setDomainName', 'none'],
['b._setAllowLinker', true],
['b._trackPageview']
);
※プロファイルにはそれぞれ発行される[UA-******-**]が入ります。

ライブドアでは、ドメインの異なるサービスを複数運用していますので、以下のように
■livedoor_all :プロファイルA
 ┣livedoor TOP :プロファイルA+プロファイルB
 ┣livedoor Blog :プロファイルA+プロファイルC
 ┣livedoor PICS :プロファイルA+プロファイルD
 ┗livedoor clip :プロファイルA+プロファイルE
マルチトラッキングを使う事で、サービスを横断しての解析とコンテンツ個別解析が可能となります。

このように、ライブドアでは、Google Analyticsを使ってアクセス解析でサイトの課題を発見する事で改善に努めています。

アクセス解析は派手な仕事ではありませんが、成果が分かり易く可視化できますし、やれば確実に結果がでる業務です。アクセス解析なら俺に任せろ!というディレクターを真剣に募集しておりますので、興味がある方はTwitterとかで問い合わせください。