こんにちは。10月からブロググループのディレクターをしている真田 (さなだ) です。

これまで私はマークアップエンジニアをしていましたが、コンテンツの設計段階から参加できることは多くありませんでした。ディレクターとなったからには、根本からHCD (人間中心デザイン) を意識したコンテンツ作りをしていきたいと思っています。

そこで今回はまず、ユーザーエクスペリエンス (以後UX) とユーザビリティの基礎についてまとめてみたいと思います。

UXってなに?


なかなか明確に定義することが難しく、さまざまな解釈がなされているUXという言葉。

直訳すると「ユーザー体験」となりますが、国際規格のISO 9241-210の中では、「製品やシステム、サービスを使用、あるいは使用を予想した時の、人の知覚と反応」とされています。

それを利用したときに感じるあらゆる感情、また「使用を予想した時の」とあるように、製品の箱を開ける時のワクワク感なんかも含まれますね。

一時期、「おもてなし」という日本語が相応しいんじゃないかという言い方がされたことがありましたが、ユーザビリティ研究の第一人者である黒須正明先生 (NAVERアドバイザリーボード) はこれを否定されています。

「UX=おもてなし」ではなく、おもてなしによって得られる感情・満足感がUX、というところでしょうか。

ユーザビリティってなに?


こちらもISO 9241-11によって定義されています。
「ある製品が、特定の利用者によって、 特定の利用状況下で、 特定の目標を達成するために用いられる際の、有効さ、効率及び満足度の度合い」
簡単にいえば「使いやすさ」で間違ってはいないのですが、「特定の」というところが重要です。

例えば書きやすいボールペンがあったとして、ある日手を怪我して包帯グルグル巻きにします。するととたんにそのボールペンは使いにくいものになるわけですが、それをもってそのボールペンのユーザビリティが低いとは言わないですよね。それはその時の状況では使いにくく感じた、ということであって、製品そのものには関係ありません。

このように、ユーザビリティはあくまでモノの属性であって、ユーザーが感じる個人的な感覚ではないというところがポイントです。

ユーザビリティを評価する3つの指標の中に「満足度」があり、UXと重なる部分がありますが、基本的に、ユーザビリティはモノの属性であり、UXはユーザー側の属性ということになります。

まずはユーザビリティを


ユーザビリティが優れているというのは、言ってみれば「使いやすい」というよりも「使いにくくない」状態を指します。

ですので、ユーザビリティを改善する作業というのはどちらかというとマイナスの状態をゼロにする、バグつぶしのようなものになりがちです。

最近UXという言葉が半ばバズワード化して一人歩きしている感があり、一方でユーザビリティという言葉は一回りして少し陳腐化してしまったような印象を受けます。

UXという言葉を掲げると上のレイヤーにも話が通りやすかったりしますし、逆にユーザビリティの向上をと細かい修正をするような話になると、「それやってPV上がるの?収益になるの?」みたいな話になっちゃったりします。しかし、基礎となるユーザビリティの部分をしっかり固めておかないと、その上のUXを高めることは難しいでしょう。

なんとなく、分かったような分からないような話かもしれませんが、このあたりの知識をひと通り押さえておくと、一段階上のUX・ユーザビリティを提供できるのではないかと思います。

マークアップして分かるUXとユーザビリティ


冒頭の通り、9月末まで私はマークアップエンジニアでした。

マークアップエンジニアをしていると、職種柄プロジェクトの終盤を任されることになるのですが、やはりマークアップしてセルフチェックを行っている最中に「使いにくさ」に気付くことが多々ありました。

例えばボタンやプルダウンの種類・ボタンの位置やレイアウトなど、細かいものを挙げて行くとキリが無いのですが、それらは設計やデザイン段階では気付きにくく、実際に操作してみてみないと使用感が分かりません。

そしてプロジェクトの終盤を任されているため、作業時間もあまり残されて無く、泣く泣く次フェーズ対応となったりと歯がゆい思いをしたことも何度かありました。そういった「マークアップして分かった」経験を設計段階からUXを高めるよう、ディレクションを心がけたいと思います。

ライブドアでは色々な経験を有効的に活用できるディレクターを募集しています。