こんにちは。ブロググループの池田です。

今回は、マーケティングデータの収集・分析の中でも、入手できる情報が限られるために手薄になりがちな競合サイトの調査・分析方法を紹介します。

まずは基本データをおさえる


PVやUU、ユーザ属性などを調べる際、ネットレイティングス (有料)、ComScore (有料) や Alexa (無料) といったツールがありますが、ここでは無料でかつ最近なかなかいい線いっていると思っている doubleclick ad planner by Google を紹介します。

使い方は簡単。doubleclick ad planner のページを開いて、調べたいサイトのURLを入力するだけ。表示されるページの「データを表示:」のプルダウンリストで「日本」を選択します。

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以下、表示されるページの中で特におさえておきたいデータです。

トラフィックデータとユニークユーザ数推移

基本データのPVやUUのほか、ユニークユーザ数推移では、市場や他社と比べてどれくらい成長しているかを見ることで、今後脅威となる可能性がある競合を予測することができます。
※注意:トラフィックデータはGoogleツールバーからサンプリングしたデータをもとに算出しているので、実際の数字とは異なります。

他の利用サイト

本来、広告の出稿先を探すために参考にすることが多いと思いますが、自社サイトを調べた際、ここに表示されるサイトは、利用者が重複しているということが言えます。つまり、ユーザを奪い合う関係にあることから、競合サイトに成り得る可能性が高いということです。

Twitterの影響力を知る


ここで紹介する TOPSY は、ReTweet数から市場への影響力を測定するツールです。

使い方は、調べたいサイトのURLを「site:」の後に付加して検索するだけ。表示されるページの左サイドで「Tweets」を選択すると、時間、1日、1週間、1カ月、全期間のReTweet数が表示されます。
※K=千、M=百万

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調べた時点だけでなく、過去のReTweet数のデータも (だいたい) わかるので、競合成長のトレンド予測の参考にもできそうです。

またこれ以外に、backtweets というサービスでは、Google Analyticsのようなレポート機能を有料で利用することができます。

競合情報を知る


サービスから発信されるお知らせや、会社のIR情報、プレスリリースはほとんどの場合RSS配信されています。それらをRSSリーダーで購読し、継続的に動向をチェックすることも欠かせません。

競合のベンチマークも、一時調べるだけでなく、やはり継続的に動向を把握することが重要です。

とことん使ってみる


これはツールでも何でもありませんね (笑)。しかし、これを最も重視しています。競合を分析する上で一番知りたいことは、事業戦略や製品戦略、製品特性、そして、それらに対するユーザの反応です。

上記のデータを元に、最後は一人のユーザとして、製品やサービスをとことん使ってみて、そこから戦略や特性を探ることが競合分析の ”キモ” だと思います。

以下、競合の製品・サービスをベンチマークする上でのポイントを紹介します。
  • 誰をコアターゲットにしているか?
  • 他にない、または他より優れていること (強み) は何か?
  • 他にあってそのサービスにない、または劣っていること (弱み) は何か?
  • 製品・サービスの使い勝手 (機能、デザイン) はいいか?
  • サポート (ヘルプ、問い合わせ窓口) は充実しているか?
  • 上記に対して、口コミサイトなどでのユーザの反応はどうか?

最後に


ここまで競合ベンチマークの方法について紹介してきましたが、これらは自社サービスの分析にもそっくり当てはめることができます。「敵を知り、己を知れば、百戦危うからず」ということで、競合分析と同時に自社サービスの見直しにも活用いただければ幸いです。

おまけ。マーケティングを勉強する上の参考書籍を紹介します。

コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 基本編 第3版コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 基本編 第3版
著者:フィリップ・コトラー
販売元:ピアソンエデュケーション
(2008-12-19)
販売元:Amazon.co.jp
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少し古い本ですが、マーケティングの基礎だけでなく、全体像を理解するのに参考になります。

図解 実戦マーケティング戦略図解 実戦マーケティング戦略
著者:佐藤 義典
販売元:日本能率協会マネジメントセンター
(2005-04-22)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

まさに実戦編。すぐに使えるマーケティング戦略が分かりやすく解説されています。

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