こんにちは。婚活サイト「youbride(ユーライド)」を担当している小野です。

ちょうど1か月ほど前に、2010年の国勢調査の速報値が発表されました。
今となってはすっかり市民権を得るようになった「婚活」という言葉ですが、この言葉を生んだ「婚活時代」(山田昌弘・白河桃子共著)が出版されたのが、2008年3月。2009年には「草食男子」「歴女」などとともに「婚活」が流行語にノミネートされました。そして一気に広まった婚活ブーム。
youbrideでも婚活ブームが浸透するにつれ、今までネット婚活をやったことがない人にも利用していただけるようになったり、以前よりも広くネットでの結婚紹介サービスが受け入れられるようになった実感は、運営者としてもあります。
婚活ブームがにわかに浸透し始めた2008年以降の結果も盛り込まれた、2010年の国勢調査。
前回の2005年の調査結果と比較して、独身者の結婚動向に変化は起こっているのか、調べてみました。

未婚率の変化


まずは年代別の未婚率から見てみます。グラフでは2000年から3回にわたっての結果をまとめてみました(離別・死別を含みません)。

2000年、2005年、2010年と追うごとに未婚率が上昇しているのが目立ちます。
そんな中注目したいのは、25〜29歳、30〜34歳の男性。2000年から2005年にかけて、上昇していた未婚率が横ばい、または減少しています。前回の調査の時に20代だった男性が早く結婚へ踏み切ったようです。
一方の女性ですが、こちらはすべての世代において未婚率が上昇しています。しかし、こちらも25〜34歳の年代においては、2000年から2005年よりも、2005年から2010年での未婚率の上昇が緩やかになっています(上昇は、25〜29歳で5%→0.9%、30〜24歳で5.4%→1.3%)。

youbrideを運営する中で色々な人たちの話を聞くと、20代男女の結婚願望が高くなっているという意見を耳にすることが多かったのですが、実際の調査結果にも表れていますね。婚活に励む年上世代を教訓に、20代のうちから早めに結婚を決断する人たちが増えたのかもしれません。

次に35歳以上ですが、2005年30〜34歳だった人たちは、2010年に35〜39歳の結果に表れます。男性の未婚率の変化を比較すると、2005年30〜34歳だった男性の未婚率46.5%が、2010年は34.6%と12%ほど減少していますが、ひとつ上の年代である2010年時点で40〜44歳は、2005年35〜39歳の男性未婚率30.0%が2010年は27.9%と2%しか減少していません。これは、2000年から2005年の同年代の変化と比較しても減少率が小さくなっています。女性についてもこの年代は横ばいか減少傾向にあり、未婚のままでいる割合が増えているようです。そして2010年時点で、30代後半の女性の5人に1人は独身であるのが現状となっています。

[図1]
グラフ1

資料:総務省「平成22年国勢調査速報」

生涯未婚率の変化


次に生涯未婚率をみてみます。生涯未婚率とは、50歳になったときの未婚率のことをいいます。50歳の時点で未婚の人はその後も結婚する割合が少ないと考え、生涯独身でいる人がどのくらいいるかを示す統計指標として使われています。

こちらは1920年からの推移を男女別にグラフにしました。
先日youbride会員向けに講演していただいた西口敦さんの著書「普通のダンナがなぜ見つからない?」でも「生涯未婚率20%という、未曾有のおひとりさま時代が、すぐそこまで来ている」とかかれています。グラフを見ると、2010年には男性の生涯未婚率は18.9%になっており、5人に1人は一生結婚できないという将来が現実味を帯びているのがわかります。一方の女性も9.7%と、10人に1人が一生結婚できないというのが、今事実として目の前にあります。

[図2]
グラフ2

資料:総務省「平成22年国勢調査速報」

結婚していない理由は?


このように全体的に上昇している未婚率と生涯未婚率。
独身者の結婚していない理由が、2005年「第13回出生動向基本調査」で発表されています。
こちらは30代に限定してグラフにしてみました。「適当な相手にまだめぐり会わない」というのが、男女ともダントツ1位となっています。「独身の自由や気楽さを失いたくない」という結婚“しない”理由も2番目に上がってきますが、1位との差はかなり大きいです。
youbrideが2009年に会員に実施したアンケートでも「出会いがない」「理想の相手に出会えていない」という理由が1位2位を占めていましたので、結婚“できない”理由として「出会い」というキーワードが、今も変わらずあるようです。

[図3]
グラフ3

資料:国立社会保障・人口問題研究所「第13回出生動向基本調査」

[図4]
図4

資料:2009年実施youbride会員アンケート「結婚していない理由」

まとめ


このように一部の世代に婚活ブームの影響がみて取れる一方で、全体的にみたときの未婚率の上昇や、生涯未婚率の上昇が明らかになっています。そしてその原因の大部分は、結婚したい独身者が「出会い」がないという理由で結婚できていないためです。
この独身者が求める「出会い」というのは、「出会いの数」ではなく「出会いの質」であることは、youbrideを運営する中で強く実感します。ネットを使えば「出会いの数」を増やすのは容易です。それこそ、youbrideのようなネット婚活が利用者に提供できる最大のメリットです。しかし、自己責任になりがちなサービスの特性上、難しいのが「出会いの質」です。今後のネット婚活サービスでは、技術や運営経験からマッチングする相手を紹介するような「質」を重視したサービス提供が、重要になってくると思います。
2015年の国勢調査で、もし未婚率の増加傾向が抑えられている結果が出たなら、すごく嬉しいことだと思います。

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