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こんにちは!なっちゃんです。livedoor Blogの公式 Twitter を担当しています。

前回、「私はこうやって公式 Twitter アカウントを運用しています」のエントリーを書かせていただきましたが、公式Twitterの運用スタートから1年半近くが経ちました。

試行錯誤を重ねる中で、当初の運用方針から色々な変化がありましたが、現在はTwitter上での“アクティブサポート”に力を入れています。
先日発売された、株式会社ループス・コミュニケーションズ斉藤徹氏の著書『ソーシャルシフト』でも、その取り組みを紹介していただきました。

ソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なことソーシャルシフト―これからの企業にとって一番大切なこと
著者:斉藤 徹
販売元:日本経済新聞出版社
(2011-11-11)
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アクティブサポートについて


現在、ライブドアの公式Twitterで実施しているカスタマーサポートは、「受身の問い合わせ窓口」ではなく、「自ら困っているユーザーを探し、その人に話しかけて解決のお手伝いをするアクティブサポート」です。

これまでの経験を踏まえ、私が感じる、「企業がアクティブサポートを成立させるために必要なポイント」を6つご紹介します。

1.何より大切なことは、「ユーザー視点」


「ユーザー視点」になることは、カスタマーサポートをする上で、最も基本的で、重要なことだと思います。「ユーザーの疑問・不満を解決したい」という気持ちが、ユーザーとのコミュニケーションを円滑にし、社内での発言にも自信を持つことができます。

2.担当者自身がTwitterのヘビーユーザーになる


Twitter上でサポートをするには、Twitterのことを熟知することが大切です。
操作についてはもちろん、独特の作法、ユーザー同士の距離感、好まれるツイート・敬遠されるツイートなど…これは十分にTwitterを使っていないと分かりません。

私も担当になった当初はTwitter初心者で、無邪気にツイートしてフォロワーさんをお騒がせしたり、自由に楽しいことばかりさせていただきましたが、お陰様で自然とTwitterの空気感に慣れていくことができました。

3.組織的に実施する


当初からlivedoor Blogユーザーからお問い合わせをいただくことは度々あったのですが、ネット上での対応は困難なため、お問い合わせフォームをご案内する方針でした。しかし、できる範囲でお答えしていく中で、感謝の声をたくさんいただき、企業の“中の人”が求められている立場が分かりました。
一つ一つの事例が上司や役員にも認められ、Twitter上でのサポート体制を強化するべく、2011年からアクティブサポートを組織的に実施するための部署が新設されました。
公式アカウントと担当者を増やすことで、より多くのユーザーボイスを収集し、それぞれのノウハウを共有しながら問題解決できる体制を築いてきています。
会社が後押しする環境があるからこそ、積極的な活動ができていると実感しています。

4. ツールを使って効率よく動く


前回のエントリーでも使っているツールをご紹介しましたが、アクティブサポートを始めてからは、以下のツールも活用するようになりました。

◆NAVER リアルタイム検索
URL: http://realtime.naver.jp/

特定のキーワードについてのツイートが検索できます。新サービスや仕様変更、障害時などは必ずチェックして反応を確認しています。

naverrealtime

◆Bettween
URL: http://bettween.com/

Twitter上での会話履歴が調べられます。ユーザーによってブログの利用環境や不具合等の症状は様々なため、以前のやり取りを見直してから会話をするとスムーズです。

Bettween

5. データ解析とフィードバックを忘れない


Twitter上の活動は、日々数値化して分析を繰り返しています。
以前はフォロワー数アップを目標にしていましたが、紹介したURLのクリック数やRT数などに反映されるわけではなく、過剰に追い求める必要はないと判断し、現在は以下の2点に着目しながら、どれだけのユーザーに満足いただけているかを重要視するようになりました。

◆リプライ数(メンションの数)
サポート数の目安と、フォロワーとのコミュニケーションの量として意識しています。紹介したサービスや私の個人的なつぶやきの反応が多いと嬉しく感じますし、livedoorブランドのファンにつながっていると感じます。
@livedoorblogの1日の平均リプライ数は50件で、私も基本的に全てお返事しています。

◆ポジティブツイートとネガティブツイートの比率
リリース後はキーワード検索で評判を調べます。必要に応じてこちらから話しかけ、詳細をお聞きします。また、不具合や障害発生時も困っているユーザーを探して、お詫びと現状説明など、求められていることをお伝えします。
サポート次第でネガティブからポジティブに変わる可能性があり、またその逆も然りです。最後まで丁寧なフォローが必要です。

さらに、開発チームとの共有も重要です。主にユーザーの不満点や要求をフィードバックして、サービス改善に活かしています。
私はユーザーボイスをGoogleスプレッドシートにまとめておき、毎週の定例ミーティングで共有するほか、緊急性の高そうなものについては随時社内チャット等で相談しています。

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最近ではTwitter上だけでなく、サービス毎のユーザーアンケートも実施しており、NPS(Net Promoter Score)を指標とした顧客満足度の調査にも取り組んでいます。

6. 活動を制限しない


ライブドアのサポートガイドラインでは対応時間を設定していますが、柔軟に動けるTwitterでは、必要とあれば時間を選ばずサポートを開始します。
以前、livedoor Blogで深夜メンテナンスを実施した際は、AM1:00〜7:00頃まで張り付きでツイートをしました。メンテナンス告知を見ていなかったユーザーも多く、100人以上にアクティブサポートを行い、不安・不満の解消に役立つことができました。

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また、週末に「問い合わせたのに返答がない」というストレスを軽減するため、土日常駐しているスタッフが@ldhelpから「受け付けました」と返信をしています。内容は全て共有してもらい、週明けに正式な回答を出しています。ここはさらに体制を強化して正式な回答ができるよう目指したいと思います。


まとめ


アクティブサポートの実施は、先進的で効率の良いものではなく、常に地道な努力が必要とされます。また、一度始めたら容易に止めることもできません。
しかし、アクティブサポートを始めてから、ユーザーとの距離感が縮まったことを強く感じます。ユーザーの生の声を聞いてサービスに活かしたり、また私たちの想いを直接お伝えできることは、とても有意義です。

ソーシャル上での活動にさらに力を入れていきたいと思いますが、私がいつも心がけているのは、“中の人”を身近に感じてもらえるツイート、嘘のない発言です。
livedoorブランドのファンになってもらえるように、真摯にフォロワーさんと向き合っていきますので、これからもよろしくお願いします!

◆参考書籍

Twitterアクティブサポート入門 「愛される会社」時代のソーシャルメディアマーケティングTwitterアクティブサポート入門 「愛される会社」時代のソーシャルメディアマーケティング
著者:河野 武
販売元:インプレスジャパン
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アクティブサポートを導入するための基礎的なことが全て書かれています。私はすでに手探りでのアクティブサポート導入後に読んだのですが、他の公式Twitter担当者には事前に必ず読んでもらうようにしています。

ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略ロイヤルティリーダーに学ぶ ソーシャルメディア戦略
著者:高見 俊介
販売元:ファーストプレス
(2011-03-14)
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Twitterアクティブサポートだけでなく、企業のソーシャルメディア活用のあり方が書かれています。顧客ロイヤルティの向上のためのNPSの実践方法や、様々な企業の成功例・失敗例はとても参考になりました。

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