こんにちは。Cureチーム、Nobeです。

NHN Japanではこの度、12言語対応コスプレフォトシェアリングサイト、『WorldCosplay』をリリースしました。

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『WorldCosplay』では、Facebook・Twitterのアカウントでログインやコネクトが可能な点をはじめ、多言語対応を意識して機能やインターフェイスを開発しました。

本日はその中で得られた知見を元に、多言語サイトを開発するにあたりディレクターが「目指す・用意する・気をつける」べきことを翻訳業務にフォーカスしてお伝えしたいと思います。

<目次>

対応言語を選ぶ


まずは立ち上げようとしているコンテンツが、どの国においてニーズが強そうかの目安をつけます。
既存コンテンツを多言語化する場合、事前に国別ユーザー数の統計を取っておくとよいでしょう。
登録時に国登録を行っていない場合は、アンケート、Googleアナリティクス、GeoIPを利用したアクセス解析などにより、
どの国からのアクセスが多いかを割り出すことができます。

収集したデータを元に、対応言語を決めていきます。
翻訳を外部に委託する場合は、決められた予算内で済ませたいところだと思うので、「出来るだけ対応言語を少なく、且つ広範囲を網羅する」ということを意識しておきたいところです。

例えば「インドの母国語はヒンディー語だけど、第二言語の英語でカバーしよう」というような選択肢もあります。
(インド国内だけでも30言語も異なる言語が存在しています)

決めていくにあたっては、下記のWikipediaが参考になります。

制作するサイトの性質・文言の量にもよると思いますが、制作開始から終盤にかけて、相当多くの文言修正・追加が発生すると思っていた方が良いかもしれません。
制作序盤では吸収しきれない、文言揺れ、エラーの文言、サイトデスクリプション、ページタイトルもここに含まれます。

ですので、決められた予算があるとすれば、その半分の予算を使用して翻訳に出し、残り半分はチェック・修正・追加に使うという気持ちでいた方が安心できます。


多言語サイトの為の設計方針


多言語サイトに必要なことは、”説明いらず操作ができるシンプル設計”ということにあるかと思います。
使いやすさの概念は国毎に異なるため、「こうすれば使いやすいだろう」という価値観は捨て、
ページの役割に応じた必要な情報を優先順位をつけて入れるとともに、海外のライバルサイトを参考にしながらページ設計と構造設計(ページのぶら下がり位置)を決める必要があります。

<設計ポイント>

◆情報の優先度を明確にする為にも、エリア定義をしっかり行う
ページの役割に基づいて情報の位置、エリアの大きさを決めていきます。

◆できるだけパーツ・文言を共通化する。
共通化を行うことでサイトに一定のルールが生まれ、一度操作すれば迷わない作りにつながり、同じ文言を使用するため翻訳コストを抑えることができます。

◆アイコンの使用
頻繁に登場するリンクをアイコン化することで挙動が伝わりやすくなったり、文字数を抑えたりできます。
文字数が変わる例で言えば、「もっと見る」のリンク。ロシア語では「Показать еще」となります。

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このように言語で横幅が変わってくるのも、アイコンにしてしまえば見栄えもすっきりしますし、直感での操作が可能となります。

◆文言はすべて可変!
文言はすべてローカライズされるので、幅は一定ではありません。すべての文言は幅を変える前提で作成する必要があります。

「説明がいらないUI」「パーツの共通化」この2つを実現するだけで、
シンプルな作りで使いやすさにつながり、サイト全体の文章量も減るため翻訳コストも抑えられます。


翻訳をすすめるにあたっての準備



<文言の一元管理シートの用意>
ワイヤーに入れた文言を抽出し、1箇所にまとめておくと管理・依頼がしやすいです。
翻訳結果が揃ったら、さらに他の言語もそのシート追記していきます。

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<文言と一緒に書き添えておくこと>
翻訳を外部に委託する際に必要となります

◆文言の挿入場所・ページ
どのページで、どの位置(ヘッダー・フッター・右カラム...)に入る文言なのか。

◆文言の種類
タイトル・ リード文・リンクテキスト...
リード文であればそれがキャッチコピーなのかエラー文言なのか

◆文言の性質(動的か静的か)
「◯◯にフォローされました」等の動的な文言は、「◯◯は、ユーザー名が動的入る」といった補足をつけます。

上記を伝えておくことで、翻訳意図がブレにくくなります。
ページ、挿入場所によって、名詞が変わったり、その文言が複数系になったりするため、
これらはしっかりと伝える必要があります。


<翻訳を踏まえたワイヤー作成>
翻訳とローカライズ(サイト内での言語切り替え)の方針をエンジニアと早い段階で決めておく必要があるため、早い段階で一通りのワイヤーフレームを用意します。
また、ワイヤーを正として進めるためにも、ワイヤーベースで仕様、レイアウトを固めていく必要があります。

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通常のサービス以上にディレクターは文言一覧とワイヤーを常に最新に保つことが必要となります。

翻訳文言をある程度把握し、文言一覧が手元にあれば
ページ・機能の追加が急遽必要となった時「このページ使っている文言が使えるな」という判断ができ、結果として無駄な翻訳を省き、スピーディーに対応することができます。

多言語サイトを立ち上げる為には通常の日本語サイト立ち上げとは違った気を使うこと多いですが、
いざ立ち上げてみると、気を使った分整理されたシンプルなサイトとなります。
多言語化を考えていなくても、将来多言語化を行うつもりで設計を行うと拡張のしやすいサイトが出来上がるかもしれません。


膨大な固有名詞を多言語化する為の機能


『WorldCosplay』では新しい試みとして、ユーザー自身がキャラクター・作品名を翻訳できる機能を実装しました。ユーザーが候補を追加し、一定票集まるとキャラクター・作品名が変更されるという投票型の翻訳機能です。

WorldCosplayのキャラクター・作品名の登録数は6万点を超え、日本語と英語で用意していますが、
これらをすべて翻訳するとなると、多くの時間と費用が必要となるためこの機能が必要となりました。

ログインした状態で、英語・日本語以外に設定した際、翻訳投票が行えます。
下記は、投票エリアのキャプチャです。

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翻訳候補を追加し、一定の票を獲得するとキャラクター名がその候補に変更されます。

翻訳投票を利用すればするほど、その言語での翻訳レベルが上がり、
より少ない票で候補を決定できるようになり、翻訳者としての影響力があがります。

WorldCosplayは、クオリティの高い世界各国のコスプレ写真を閲覧できるサイトですが、
翻訳投票を行なって、自分自身でキャラクター・作品名の翻訳を行うという楽しみ方も可能です!
使われ方をみてサイト全体の翻訳にも繋げたいと思っています。

NHN Japanでは、グローバルなサービスのUI設計ができるディレクターを募集しております。