こんにちは、livedoor でピクスや Auth などのサービスを担当している、ディレクターの櫛井と申します。

ウェブ業界特有のコミュニケーションだと思いますが、開発現場では実際に会って話すよりもインスタントメッセンジャー(以下、メッセンジャー)や“IRC” (チャットシステム)などの文字だけで会話を行うことが頻繁にあります。「会って話したほうが早いよ!」「隣にいるのにメッセンジャーで話すの!?」と驚かれることも多いですが、会って話すよりも効率的な部分があるからこそ、ここまで普及しているといえます。テキストによるコミュニケーションの利点としては、おもに以下の理由があります。

・内容がログ(履歴)として保存されるので読み返しができる
・正確性が求められるテキストやソースコードは口頭では伝えにくい
・相手が席にいなくても情報を伝えられる
・急ぎの用件があるときなど、すぐに返答をもらえやすい

ただし、メッセンジャーには「同じクライアントじゃないとダメ!」という大きな障壁があります。つまり、ニンテンドーDSのソフトはPSPで使えないということと同じですね。また、クライアントだけでなく専用のアカウントも同時に必要となる場合が多いため……

A氏「メッセですが、Bさんは○○を使ってますか?」
B氏「いや、メッセは△△しか使ってないんですよ」
A氏「そうですか……残念」

……という、微妙に気まずい空気が流れがちです。前置きが長くなりましたが、今回はそのようなメッセンジャーやアカウントにまつわる問題を解決でき、さらにメリットがある IRC をご紹介します。おもな IRC の特徴は……

・OSを選ばないので専用ソフトウェアを用意する必要がない
・案件に関係している複数の人たちと同時に会話(会議)ができる

…… という部分ではないでしょうか。DVDソフトであれば、DVDプレイヤーのメーカーが違っていても再生できますよね。それと同じく、IRC であればどんなクライアントやOSでも、つながることができるというわけです。実際に使ってみないとメリットを感じられないかも知れませんが、体験しておいて損はありませんし、あなたにとって欠かせない存在になるかもしれませんよ。

「これからはじめたい」というあなたが用意するものは IRC のソフトのみ。Windowsユーザーがよく利用している IRC は『LimeChat』というソフトです。ということで、今回は『LimeChat』の設定方法を説明していきます。

1. IRCクライアント をダウンロード
『LimeChat』配布サイトでダウンロードします。
インストーラ形式、zip形式のどちらでも同じのようです。
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2. 設定を開始
設定内容の細かさを選ぶことになります。今回はいろいろと設定してご説明しようと思いますので、「自分で設定をする」を選ぶことにします。
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3. サーバの設定
どのサーバ(人が集まるためのもの)にするか設定します。
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4. サーバを指定
最初は IRC 用のサーバが設定されていないと思いますので、無料で提供されている“freenode”というサーバを利用してみます。無料だからといって、特に機能的な制限などはありません。しかし、急にサーバに入れなくなることもありますので、その点は注意が必要です(私はよく利用していますが、頻繁には起こっていないようです)。
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5. サーバのプロパティ
設定名は自由に決められるので自分がわかりやすいものにし、引き続きホスト名やニックネームなども入力していきます。また、ポート番号は通常「6667」なので、特に変更する必要はありません。
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6. チャンネルに入ってみる
画像のように『LimeChat』ウインドウには、先ほど設定されたサーバが表示されます。しかし、設定が終わっただけでは指定したIRC用サーバに接続していない状態です。まずはサーバアイコンを右クリックして「接続」しましょう。サーバのなかにあるチャンネルを見るには、サーバーアイコンを右クリックして「チャンネル一覧」を選択します。
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というわけで、とりあえずの設定はここまでです。あとはチャンネル内にいる仲間たちと、仕事なり雑談なりチャットをするだけです! つぎに、設定しておくと便利なことや、ちょっとした裏技をご紹介します。

■ちょっと便利な使い方
・キーワードを設定
『LimeChat』本体の上部メニューから「設定」>「設定」と展開していくと、「キーワード」というものがあります。これは、設定したキーワードがあなたの入っているチャンネル内で発言されると、お知らせしてくれるというものです。多くの利用者は、自分の名前やハンドルネーム、よく呼ばれる名称などを入れておくことが多いようです。あなたが関係している案件名を入れておくのもひとつのテクニックですね。
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・常にクライアントが見える位置に配置する
いろいろなチャンネルに同時に入ることができる IRC 。複数のチャンネルで同時進行で会話が進んでいく場合が多々あります。どこのチャンネルで発言があっても気がつきやすいように、ウインドウを見えやすい位置に配置しておくのがベターです。
PCを操作している時に見ている時間が一番長いブラウザの隣にくるよう工夫しています。
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■オマケ
実際のイメージはこんな感じです(実際はもっとフランクな口調ですよ)。
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■関連URL
IRC普及委員会
ITmedia “社内IRC”を駆使するエンジニアの仕事術とは




■余談
IRCの歴史は古く、始まりは1988年と言われています。約20年前からあるというわけですね。
今更紹介するのもなーという気もしましたが、(感覚的に)去年あたりから改めて使われる頻度が多くなってきたように思います。
IRCとPlaggerとの連携をするgeekが増えたのも大きく影響している気がします。
IRCはよく「枯れた技術」と呼ばれるものの中にカテゴライズされることがありますがまだまだ現役で使えるツールです。是非使ってみてください。


じゃあの