こちらデイリー4コマ編集部です。普段は「デイリー4コマ」の編集業務とともに編集部blogを書いている日常ですが、「ディレクターblogを書いてみないか?」 というお話をいただきました。編集がメインの業務ではありますが、ウェブコンテンツとしてそもそも提供している以上、ウェブディレクターであることにも変わりありません。また、これまでの個人的な経験値(人工衛星開発からコーヒー屋さんのECサイト構築までいろいろ)もありますので、それらを元にウェブディレクターが意識すべきことについて筆を執ってみることにしました。

■ウェブディレクターは「ウェブコンテンツ」というタイトルの映画監督である

まず、ディレクターとは何なのか? 『livedoor ディレクター Blog』のバックナンバーで小久保(元)ディレクターも言及してましたが、私なりの解釈で説明するならば、ディレクターという言葉を辞書で引くと、その意味は「映画の監督や演劇の演出者」と解説されています。なので、私は友人知人などにどんな仕事? と聞かれた場合、「ウェブコンテンツの監督」と答えています。別に厳密な意味で聞かれているわけではないので、補足説明すればイメージが伝わりやすいこの言葉で充分だと個人的には思います。

#以後、イメージしやすく「ディレクター」を「監督」に言葉を置き換え、映画の撮影を比喩に使います

■作品作りの過程に囚われすぎず、結果を意識するのが重要

監督として作品を撮影している時は、キャストの振る舞い、プロデューサーやスポンサーの意向、スタッフのモチベーションなど、様々な要因が折り重なって、すべてに対して上手く立ち回れるわけではありません。少なくとも私は全ての過程がスムーズに進行する作品に出会ったことはありません。いつものことながら、進行管理や調整、収録は大変です。ただ、過程に追われすぎると、結果の意識がブレます。結果、観客動員が芳しくなく、「こんなはずでは無かったのに」というオチが待ち受けます。

作品の結果責任を負うのが監督という意識がまず大事です。何よりもまず一番に考えなければいけないのは「作品を見に来てくれる観客」です。観客は「出来上がった結果」を見ます。「パイロット版」を意識して見に来ているわけではありません。大多数の観客は見た時点で判断を下します。そして、大多数の観客は作品作りの過程なんて知ったことではありません。ただ、ここで誤解して欲しくないのですが、過程を疎かにするという意味ではないのです。結果を「重要視」しているわけではなく、結果を「意識する」ことがポイントなのです。

とはいえ、過程がよくても結果が駄目ならば、その作品は結局B級なのです。過程の一部分を切り取って評価することはできますが、それはあくまでも過程における内部的な評価にしか過ぎないのです。監督は過程のプレーを見せるプレイヤーではないのですから。結果にて世に作品を問うのが、一番の仕事だと考えます。

■結果に対して具体的な意識を持つ意義
さて、結果の意識の持ち方ですが、一例を挙げるならば、一文で書き表せるキャッチを常に持ち続けることです。デイリー4コマ編集部では、2つのキャッチを当初より持っています。常に求められる結果は「4コマを毎日提供して多くの人に楽しんでいただく」、最終的な結果は「作品を何らかの形で出版する」というものです。結果は数字や実績で表せます。現在の状況を出版的に言うならば、公称10万部と言っても差し支えないレベルでしょうか。これは4コマというジャンルからしても、ほぼ想定していた通りの数字です。最終的な結果で言うならば、雑誌連載化が4作品というところまでこぎ着けました。単行本としての出版まであともう少しです。

客観的に見て、成功しているとは言い難い部分もありますが、デイリー4コマでは上記の結果を意識しつつ先日、3年目に突入することができました。連日、サイト内だけでなく、地下鉄の中や、フリーペーパー、雑誌などでもお届けできております。観客の皆さま、作者の皆さまに感謝です。

■補足とまとめ
「過程よりも結果を意識すること」は、別にウェブコンテンツに限った話ではありません。このブログ記事もそれを意識して書いてみました。この記事を読んでいただいた方に、「過程よりも結果を意識すること」が伝われば、中身についてどう読まれようが問題ありません。もちろん中身に対して異論反論もあるかと思いますが、一つの考え方として伝わればこれもまた問題ありません。

また、重ねて書きますが、過程を疎かにするわけではありません。過程が良いに越したことはないのです。私はこの記事の過程として「映画を比喩にして読者にイメージしやすく」という手段をとりましたが、単に私の趣味の一つであるインディーズの映像作品制作から出てくる経験に重ね合わせているだけで、これについても善し悪しがあるでしょう。別な表現のほうがよっぽどわかりやすい場合もあるかと思います。そう思わせたのなら結果責任として甘んじて私が受け止めなければならない責務です。そう、結果を意識するからにはその責任も負うものなのです。

どうでしょうか? ウェブディレクターとしての心得における一例として何か少しでも響く点があれば幸いです。

今後とも、『livedoor デイリー4コマ』ともども『livedoor ディレクターblog 』をよろしくお願いいたします。

P.S.
もし、少しでも心に響いて、『livedoor デイリー4コマ』を始めとするエンタメコンテンツに関わりたいと思った方はlivedoorのスタッフ募集に応募してみてくださいね(実は採用ページも以前担当してました・・・一緒に働く人が欲しい気持ちが伝わってるといいなぁ)。