はい、どうも初めまして、ユティと名乗ってます中の人です。以前に『livedoor アンテナ』というコンテンツでも、駄文を晒していたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。普段はこんなブログをやってたりで、地図、天気、路線などのいわゆるユーティリティ系を担当しております。正直地味です。縁の下の力持ち系です。私自身はひ弱です。

一応、livedoorのディレクターということでお鉢が回ってきたわけですが、なにを書けばいいのか悩みまして、入社当初からの失敗談ばかり綴ろうかとも思ったのですが、それはあまりにもあんまりじゃないかと思い直しまして、担当コンテンツ『livedoor 地図情報』の“タクシー料金検索の話を蔵出しトーク”ということでお話したいと思います。地味ですね。

あれはもう一昨年のことになりますか、2005年の年末にタクシー料金検索が『livedoor 地図情報』に実装されました。タクシー料金検索とはその名のとおり、出発地から目的地までタクシーを使った場合の料金を予測してくれるもので、もともとルート検索が強かった『livedoor 地図情報』を、さらに独自性のあるものにしてくれました(自画自賛)。

その少し前、毎週行っていたユーティリティ系コンテンツの定例ミーティングの席では「ほかの地図サービスとは違うことができないか?」という話し合いがされていました。すでにスクロール地図は同年の8月にリリースしていたのですが、時代はもはや“スクロールありき”になりつつあり、プラスアルファ要素が重要になることは、容易に想像されたのでした。「何がいい? 何かないか?」と、悶々と考えていると、ある人が言いました。

「タクシーの料金って出せないの?」

もちろん単なる思い付きです。「タクシーですかあ……」と、微妙な返事をした私も実は「ああ、いいじゃない?」と思っていたことを白状します。というのも、このときは年末が近く、宴会シーズンに突入しつつある時期だったので、タクシーの需要が高いだろうと思ったのと、地図はウェブだけで使うものではないので、何かリアルな部分での接点を持ちたいと考えていたからでした。そういった点にタクシー料金検索というアイデアがマッチしまして、さっそく実装に向けて動き出しました。

タクシー料金のデータを持っているところはないかと探したところ、すごくいい感じで連携できそうなところを発見し、すぐさま連絡を取るメールをしました。今、そのメールを読み返したところ、最初に先方にメールを送ったのが2005年10月20日のことのようです(当時の文章がひどすぎてブルー)。ここから1か月半くらいで実装したことになりますね。規模からいうと、当社的には開発スタートから公開までスローペースだったかもしれません。

というのも、当時の私はまだまだ半人前もいいところで、ロクに仕事をこなせないぺーぺーでしたので、いろいろ手順にも無駄が多く、スムーズな進行ができなかったからではないかと今は思います。やる気がなかったとか、集中力が足りなかったとかではなく、一生懸命やるのだけど、上手くいかない、そんなジレンマの始まりがここだったのかもしれません……今思えばですが。

というのも、その後さらに大きな仕事がやってきて、ぺーぺーの私は打ちのめされてヘコみます。が、今もこうして、ディレクターとしてこれを書いているのは、こういったジレンマやフラストレーションなどは経験したときに初めて理解でき、何度ヘコんでも対処ができるものだということが分かったからです。

そうです! 麦は踏まれなければ強く育たないのです(麦踏み)! 稲はしばらく水を抜いて根を強くするのです(中干し)! いきなりコンテンツ任されるのは正直重いものもありますが、その重さはイコールやりがいなわけですから、ひとつのコンテンツをリリースしたときの満足感、達成感たるや、それはもう大変。ぜひとも私と同じく「なんとなく生きてきてしまったなあ」という人々にはそれを感じて欲しいと思う次第です。

明らかに書いている途中で内容の方向が変わりましたが、長々お付き合いありがとうございました。