こんにちは、『livedoor ネットラジオ/ねとらじ』(以下、ねとらじ)を担当させていただいています高橋です。
今回はネットラジオのちょっとした紹介とポッドキャストの録音編集術を書きたいと思います。
『ねとらじ』は元々個人運営していたものをライブドアがM&Aしたということを存じでしょうか? 当時、『icecast』(アイスキャスト)というラジオサーバソフトを用いて運営していたのですが、とても個人では運営仕切れないほどのユーザー数になってしまい、ライブドアが運営することになりました。
そんな『ねとらじ』ですが、ほかのサイトとは違う“特殊な点”がいくつかあります。これは面白い点でもあり大変なことでもあるんですけど……。説明も交えてその特殊な点を紹介したいと思います。
<ライブストリーミングとは?>
『ねとらじ』はライブストリーミングとポッドキャストのコーナーに分けられてますが、当初はライブストリーミングしかありませんでした。実は『ねとらじ』はポッドキャストサイトでは無くライブストリーミングサイトのことを主に指しています。ではライブストリーミングとは何なのでしょうか?
簡単に説明するとユーザーが生配信できてしまうサービスです。「ライブドアがサーバを貸すので自由に生配信をやっても良いよ」というサービスなのです。
元々『ねとらじ』は『2ちゃんねる』という掲示板サイトで人気があったものなので、盛り上がり方やユーザーが『2ちゃんねる』ユーザーに偏りがちなのですが、たまにとてもおもしろいことをしてくれます。
懐かしいものではkobaryuさんによる『POPSTAR』の替え歌である『VIPSTAR』などが有名です(過去にライブドアの忘年会にも出演経験あり)。
やはり生配信は実況向きで、現在のニュースを延々と語るラジオなどはかなりのリスナー数を獲得しています。
こんなライブストリーミングですが、ログが残らないため生配信が終わるとユーザーが聴くことができません。誰かが運良く録音していたものをアップしてもらうのを待つだけです。
※もちろん運営側ではログを取っています。
また生配信のためパーソナリティーとユーザーがリアルタイムに交信できる、いわゆるチャット状態になるのも最大のウリです。『ねとらじ』の配信者は配信時に『2ちゃんねる』や『したらばBBS』にスレッドを立て、人集めを行ったうえでコミュニケーションを図ります。スレッドに書かれたことを延々と読んでいくというラジオもざらではありません。暇があるから『ねとらじ』をするという方も多いようです。一度やるとクセになるライブストリーミング、皆さんもやってみてはいかがでしょうか?
<ポッドキャストの録音と編集方法>
ライブストリーミングとは違い、いつでもオンデマンドで聴けるのがポッドキャストです。ダウンロードして聴いてもよし、『iPod』に入れて聴いてもよし、自分の環境に合わせて時間のあるときに聴けるのが特徴です。
そんなポッドキャストはどのように作られているのか? サラっと簡単に説明しちゃいます。
録音機材にマイクを準備、指向性のあるマイクを選べば余計なノイズを拾わずに収録できるので最適です。その代わりマイクがひとり1個必要となり、複数の人数で収録する場合はマイクが人数分必要となります。
そんなときに便利なのが、他指向性マイク。みんなの真ん中に置いておけば全員の声を拾ってくれます。その代わり余計な音やヒスノイズを拾ってしまいます。解決方法は後ほど……。
マイクを使う際にはパソコンやレコーダーに接続して録音を行うのですが、最近では高音質なボイスレコーダーが販売されているのでそちらもお勧めです。私が使用しているボイスレコーダーは、『EDIROL』(エディロール)という会社が販売している『R-09』です。これはかなり音質がよく臨場感もたっぷり。 MP3形式での録音も可能なのでSDカードに何時間も録音できます。もちろんボイスレコーダーは皆さんの好きなものを選んでください。
結構余談が入ってしまいましたが、次は録音したポッドキャストの編集です。
そのまま公開しても味があって良いのですが、せっかく収録したものなので音を付けたりミステイクを削除したりと“編集”をすると聴いてる側も聴き心地が良いはずです。
波形編集ソフトなど有料無料など各種ありますので好みのものを使って音楽をミックスさせたり、ノイズ除去を行ったりしてみると楽しいです。
ではここで、株式会社ライブドアホールディングス代表取締役平松庚三のポッドキャスト番組、『働くひらまっちゃん劇場』を例に挙げて編集方法をご説明していきます。
収録にはスタンドマイク2台、ゲストが来る際は3台使用、それらのマイクを接続するミキサーは『YAMAHA MW10』で、USB接続なのでデジタル収録が可能です。『働くひらまっちゃん劇場』はこれらを用いて収録してます。
録音時はパソコンに録音ソフトを導入する必要があります。Windows付属の『サウンドレコーダー』では機能不足なので、無償ソフトをダウンロードして使うことをお勧めします。
私個人は『Cycle of 5th』(サイクルオブフィフス)が開発している、『SoundEngine Free』(サウンドエンジンフリー)を使用しています。録音だけならこれで十分です。マルチトラックには対応していませんが、ほかにもフリーの高機能波形編集ソフトはたくさんあるので探してみてください。
いざ収録すると時折ミスをすることがあります。咳き込んだり、司会進行役の頭が真っ白になって「もう一回!!!」とか言い出すときがあります。そんなときはテキストエディタにタイムレコードを作り、「05:15 要編集」と書いておきます。こうしてメモしておくと実際の編集の際に非常に便利です。この辺のやりかたは各個人やりかたがあると思うので、やりやすい方法をお勧めします。あくまでも私個人の場合です。
では次に編集に入ります。編集はさすがに前出の『SoundEngine Free』では大変なので、有料のソフトを導入します。『Sound Forge』(サウンドフォージ)や『DigiOnSound』(デジオンサウンド)、『Sound it!』(サウンドイト)『Adobe Sound Booth』(サウンドブース)などいろいろありますが、私は『DigiOnSound』を利用しています。『Sound Forge』がマニア向けだとしたら『DigiOnSound』は初級〜中級者向けです。インターフェイスもわかりやすく、初心者の方でも取っつきやすいはずです。
『DigiOnSound』でも機能はそろっていますので十分だと思います。
編集ではミステイク部分などを適当にカットしていきます。この辺の操作はとても簡単で、どの波形編集ソフトも共通です。不必要な範囲を選択して“カット”するだけです。一通りカット編集が終わったら今度は音量調整しましょう。『ノーマライズ』という機能があるのでそれで音量を均一化します。これも大抵のソフトについています。これで音量のばらつきがなくなると思います。
その後はボリュームを少し上げて聴きやすくしてあげます。少し大きいくらいの音量がちょうど良いですね。しかしボリュームを大きくすると“ヒスノイズ”が出るという弊害が起こります。ヒスノイズとは「サー」というあの耳障りなノイズのことです。ここでようやく有料ソフト『DigiOnSound』の本領発揮です。ノイズクリアで“ヒスノイズ”を検出して取り除いてあげましょう。検出量も調節できるので、聴きやすい程度と感じたところで先程までの波形データに反映させます。あまり検出量を多くしすぎると今度はノイズ以外の声や音楽が「モゴモゴ」してしまうので注意してください。
ノイズ除去だけでももっと奥が深いのですが、マニアックになってしまうのでここでは割愛します。
以上の波形に音楽をミキシングすれば、もっとラジオらしくなります。あとはこの音声をMP3などに圧縮してネットワーク上で公開。MP3への圧縮も上記のソフトで簡単にできます。これであなたが編集したラジオが全世界に旅立ちます。
基本的にポッドキャストのデータはモノラルで圧縮しましょう。
なぜステレオじゃ駄目なのか? それは収録中に使っているマイクのほとんどが、モノラルだからです。
基本的にマイクはモノラルだと思ってください(2本使えばステレオになります)。
モノラルで収録した物をステレオで圧縮しても無駄になりますよね。そんなわけでダウンロードする方のことも考えてモノラルに!
と、マニアックなことを書いてしまいましたが、おのおの好きなように配信すれば良いと思います。これはあくまで『働くひらまっちゃん劇場』での収録編集例です。
少し長くなってしまいましたので簡単にまとめておきます。
-収録に必要なもの
スタンドマイク or ボイスレコーダー
録音ソフト(パソコンで録音する場合)
-編集に必要なもの
編集ソフト
素材
-公開に必要なもの
公開場所
以上、ポッドキャストの録音と編集方法でした。
これを読んで皆さんがポッドキャストに少しでも興味を持っていただければと思います。また『ねとらじ』にもポッドキャストコンテンツがあり、おもしろい番組をそろえていますので、興味のある方は聴いてみてください。
まだまだ書きたいことがたくさんあるのですが、今回はこれくらいで。
(livedoor ネットラジオ/ねとらじ担当:高橋)
今回はネットラジオのちょっとした紹介とポッドキャストの録音編集術を書きたいと思います。
『ねとらじ』は元々個人運営していたものをライブドアがM&Aしたということを存じでしょうか? 当時、『icecast』(アイスキャスト)というラジオサーバソフトを用いて運営していたのですが、とても個人では運営仕切れないほどのユーザー数になってしまい、ライブドアが運営することになりました。
そんな『ねとらじ』ですが、ほかのサイトとは違う“特殊な点”がいくつかあります。これは面白い点でもあり大変なことでもあるんですけど……。説明も交えてその特殊な点を紹介したいと思います。
<ライブストリーミングとは?>
『ねとらじ』はライブストリーミングとポッドキャストのコーナーに分けられてますが、当初はライブストリーミングしかありませんでした。実は『ねとらじ』はポッドキャストサイトでは無くライブストリーミングサイトのことを主に指しています。ではライブストリーミングとは何なのでしょうか?
簡単に説明するとユーザーが生配信できてしまうサービスです。「ライブドアがサーバを貸すので自由に生配信をやっても良いよ」というサービスなのです。
元々『ねとらじ』は『2ちゃんねる』という掲示板サイトで人気があったものなので、盛り上がり方やユーザーが『2ちゃんねる』ユーザーに偏りがちなのですが、たまにとてもおもしろいことをしてくれます。
懐かしいものではkobaryuさんによる『POPSTAR』の替え歌である『VIPSTAR』などが有名です(過去にライブドアの忘年会にも出演経験あり)。
やはり生配信は実況向きで、現在のニュースを延々と語るラジオなどはかなりのリスナー数を獲得しています。
こんなライブストリーミングですが、ログが残らないため生配信が終わるとユーザーが聴くことができません。誰かが運良く録音していたものをアップしてもらうのを待つだけです。
※もちろん運営側ではログを取っています。
また生配信のためパーソナリティーとユーザーがリアルタイムに交信できる、いわゆるチャット状態になるのも最大のウリです。『ねとらじ』の配信者は配信時に『2ちゃんねる』や『したらばBBS』にスレッドを立て、人集めを行ったうえでコミュニケーションを図ります。スレッドに書かれたことを延々と読んでいくというラジオもざらではありません。暇があるから『ねとらじ』をするという方も多いようです。一度やるとクセになるライブストリーミング、皆さんもやってみてはいかがでしょうか?
<ポッドキャストの録音と編集方法>
ライブストリーミングとは違い、いつでもオンデマンドで聴けるのがポッドキャストです。ダウンロードして聴いてもよし、『iPod』に入れて聴いてもよし、自分の環境に合わせて時間のあるときに聴けるのが特徴です。
そんなポッドキャストはどのように作られているのか? サラっと簡単に説明しちゃいます。
録音機材にマイクを準備、指向性のあるマイクを選べば余計なノイズを拾わずに収録できるので最適です。その代わりマイクがひとり1個必要となり、複数の人数で収録する場合はマイクが人数分必要となります。
そんなときに便利なのが、他指向性マイク。みんなの真ん中に置いておけば全員の声を拾ってくれます。その代わり余計な音やヒスノイズを拾ってしまいます。解決方法は後ほど……。
マイクを使う際にはパソコンやレコーダーに接続して録音を行うのですが、最近では高音質なボイスレコーダーが販売されているのでそちらもお勧めです。私が使用しているボイスレコーダーは、『EDIROL』(エディロール)という会社が販売している『R-09』です。これはかなり音質がよく臨場感もたっぷり。 MP3形式での録音も可能なのでSDカードに何時間も録音できます。もちろんボイスレコーダーは皆さんの好きなものを選んでください。
結構余談が入ってしまいましたが、次は録音したポッドキャストの編集です。
そのまま公開しても味があって良いのですが、せっかく収録したものなので音を付けたりミステイクを削除したりと“編集”をすると聴いてる側も聴き心地が良いはずです。
波形編集ソフトなど有料無料など各種ありますので好みのものを使って音楽をミックスさせたり、ノイズ除去を行ったりしてみると楽しいです。
ではここで、株式会社ライブドアホールディングス代表取締役平松庚三のポッドキャスト番組、『働くひらまっちゃん劇場』を例に挙げて編集方法をご説明していきます。
収録にはスタンドマイク2台、ゲストが来る際は3台使用、それらのマイクを接続するミキサーは『YAMAHA MW10』で、USB接続なのでデジタル収録が可能です。『働くひらまっちゃん劇場』はこれらを用いて収録してます。
録音時はパソコンに録音ソフトを導入する必要があります。Windows付属の『サウンドレコーダー』では機能不足なので、無償ソフトをダウンロードして使うことをお勧めします。
私個人は『Cycle of 5th』(サイクルオブフィフス)が開発している、『SoundEngine Free』(サウンドエンジンフリー)を使用しています。録音だけならこれで十分です。マルチトラックには対応していませんが、ほかにもフリーの高機能波形編集ソフトはたくさんあるので探してみてください。
いざ収録すると時折ミスをすることがあります。咳き込んだり、司会進行役の頭が真っ白になって「もう一回!!!」とか言い出すときがあります。そんなときはテキストエディタにタイムレコードを作り、「05:15 要編集」と書いておきます。こうしてメモしておくと実際の編集の際に非常に便利です。この辺のやりかたは各個人やりかたがあると思うので、やりやすい方法をお勧めします。あくまでも私個人の場合です。
では次に編集に入ります。編集はさすがに前出の『SoundEngine Free』では大変なので、有料のソフトを導入します。『Sound Forge』(サウンドフォージ)や『DigiOnSound』(デジオンサウンド)、『Sound it!』(サウンドイト)『Adobe Sound Booth』(サウンドブース)などいろいろありますが、私は『DigiOnSound』を利用しています。『Sound Forge』がマニア向けだとしたら『DigiOnSound』は初級〜中級者向けです。インターフェイスもわかりやすく、初心者の方でも取っつきやすいはずです。
『DigiOnSound』でも機能はそろっていますので十分だと思います。
編集ではミステイク部分などを適当にカットしていきます。この辺の操作はとても簡単で、どの波形編集ソフトも共通です。不必要な範囲を選択して“カット”するだけです。一通りカット編集が終わったら今度は音量調整しましょう。『ノーマライズ』という機能があるのでそれで音量を均一化します。これも大抵のソフトについています。これで音量のばらつきがなくなると思います。
その後はボリュームを少し上げて聴きやすくしてあげます。少し大きいくらいの音量がちょうど良いですね。しかしボリュームを大きくすると“ヒスノイズ”が出るという弊害が起こります。ヒスノイズとは「サー」というあの耳障りなノイズのことです。ここでようやく有料ソフト『DigiOnSound』の本領発揮です。ノイズクリアで“ヒスノイズ”を検出して取り除いてあげましょう。検出量も調節できるので、聴きやすい程度と感じたところで先程までの波形データに反映させます。あまり検出量を多くしすぎると今度はノイズ以外の声や音楽が「モゴモゴ」してしまうので注意してください。
ノイズ除去だけでももっと奥が深いのですが、マニアックになってしまうのでここでは割愛します。
以上の波形に音楽をミキシングすれば、もっとラジオらしくなります。あとはこの音声をMP3などに圧縮してネットワーク上で公開。MP3への圧縮も上記のソフトで簡単にできます。これであなたが編集したラジオが全世界に旅立ちます。
基本的にポッドキャストのデータはモノラルで圧縮しましょう。
なぜステレオじゃ駄目なのか? それは収録中に使っているマイクのほとんどが、モノラルだからです。
基本的にマイクはモノラルだと思ってください(2本使えばステレオになります)。
モノラルで収録した物をステレオで圧縮しても無駄になりますよね。そんなわけでダウンロードする方のことも考えてモノラルに!
と、マニアックなことを書いてしまいましたが、おのおの好きなように配信すれば良いと思います。これはあくまで『働くひらまっちゃん劇場』での収録編集例です。
少し長くなってしまいましたので簡単にまとめておきます。
-収録に必要なもの
スタンドマイク or ボイスレコーダー
録音ソフト(パソコンで録音する場合)
-編集に必要なもの
編集ソフト
素材
-公開に必要なもの
公開場所
以上、ポッドキャストの録音と編集方法でした。
これを読んで皆さんがポッドキャストに少しでも興味を持っていただければと思います。また『ねとらじ』にもポッドキャストコンテンツがあり、おもしろい番組をそろえていますので、興味のある方は聴いてみてください。
まだまだ書きたいことがたくさんあるのですが、今回はこれくらいで。
(livedoor ネットラジオ/ねとらじ担当:高橋)
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