こんにちは、今回はディレクターではなくシステム管理を主に担当している私、藤田が自社データセンターとディレクターの関わりについてお話いたします。

▽ 自社データセンターで運営されている ポータルサイト『livedoor』

日本の大手ポータルサイトのなかでも、自社データセンターを持ち、運用もすべて自社で行っているところは『livedoor』しかないのではないでしょうか?

サーバーは、インターネットに接続さえされていれば、どこに置かれていても問題ないはずです。たとえば自宅や会社の隅でも構いません。

でも、そういう場所に置いているサーバーって

うるさくないですか?
熱くないですか?
ネットが切れたらどうしますか?
ホコリとか溜まってません?
停電したらどうしますか?
地震がきたらどうなりますか?
誰も居ないときにフリーズしたらどうしますか?
誰かがサーバにつまずきませんか?


というように、そのサーバーで動いているサービスが重要であればあるほど、もっと良い環境に置きたいと思いませんか? 上にあげた問題点は、サーバーをデータセンターにを預けることで解決されます。

データセンターは、基本的にサーバー(ネットワーク機器)の設置場所と回線の提供を行う場所ですが、運営会社のサービスによって内容は多種多様です。

一般的なデータセンターは、ハード的な電源の ON/OFF や死活監視を対応を行い、それ以上のサービスを望む場合は、オプション料金が別に設定されていることが多いです。また、このオプションでも、構築手順書やトラブルの際の復旧手順書通りの対応しかしない場合がほとんどなので、運用や設定を行う人間が別に必要になります。

まして、最近のネットサービスのライフサイクルは以前と違ってかなり早いので、「せっかくオープンしたのにもう仕様変更?」「マニュアルアップデートしないと、外注してるデータセンターが対応してくれない……」という状況に陥っているディレクターの方は、意外と多いのではないでしょうか?

受託開発会社等は納品物として、仕様書や運用手順書を作成するのは当たり前かも知れませんが、ポータルサイトの納品物はユーザーに提供するサービスなので、このサービスをいかに早く、いかに高い品質で提供するかが重要となります。

▽ 仕様書や運用手順書なんて書かなきゃ良いんです!!

じゃあ、どうやって早くすれば良いのか? 仕様書や運用手順書なんて書かなきゃ良いんです。というのは大げさですが、詳細なマニュアルを作成する時間をコンテンツの拡充やおもしろいサービスを生み出す時間に使った方が良いと思いませんか?

実際、『livedoor』のほとんどのサービスに詳細な仕様書やマニュアルはありません。あるといえば、社内用wiki等に簡単な仕様が記載されていたり、『livedoor ディレクター Blog』の記事にあがっているような資料がある程度です。その資料も頻繁にアップデートされる事はなく、風化している状態です。

でも、サービスは提供できているんです。むしろ、どこのサイトより熱い愛情が注がれてるんです。

これが実現できているのは、サービスを作った人とサービスを管理・運用する人が、同じ社内の人間であるため、利害関係なしに問題部分の追求を気兼ねなくできるという部分があるからです。また、技術的なスキルが高いのは言うまでもありませんが、下記に挙げる自社データセンターならではのメリットが大きいとも考えられます。

▽ディレクターにとって自社データセンターでサービスを運用している場合のメリット


自社データセンターのスタッフは

・サービスを熟知しているので、動作確認が適切
・前述した仕様、復旧手順書を詳細に書かれていなくても理解して運用してくれる
・トラブル発生の際などに、直接、開発担当者に連絡もしてくれる = 復旧までの時間が短い


もちろん、このメリットを生み出すためには運用手順の標準化など、さまざまな取り組みが必要です。ディレクターの生産性が高まるだけではなく、携わるエンジニアのスキルアップも期待できるこの環境は、日本国内でも屈指の環境ではないでしょうか?

……とは書きましたが、もう少し仕様とマニュアルは作りましょうね。
> ライブドアのディレクターたち。