はじめまして、モバイルメディアグループにて企画および営業的な業務を担当しております津元と申します。
今回は、ケータイキャリア(以下、キャリア)の公式サイトビジネス(おもにDoCoMo)の変遷について書かせていただきます。モバイル業界にいらっしゃる方には物足りない内容かもしれませんが、そちらはご容赦ください。
iモードが開始されたのは今から8年前にあたる1999年です。その後、モバイルコンテンツ関連市場は順調な成長をとげ、2006年は9,285億円、今年は1兆円を突破する予定です。モバイルコンテンツ関連市場のうち、着うた(着メロ)、ゲーム、デコメなどのコンテンツ市場は3,661億円(詳しくはこちら)となっており、これはほぼすべて、各キャリアの公式サイトとして提供されているコンテンツと思われます。
公式サイトとは、皆さんもご存知の通り、たとえばドコモであれば“iMenu”のなかに登録されているサイトのことです。よく雑誌広告などで……
メニュー>着うた>JPOP>サイト名
……などと表記されているサイトがありますが、それが公式サイトにあたります。ちなみに公式サイト以外のサイトは「一般サイト」「勝手サイト」と呼んでいます。つまり、『ケータイ livedoor』は一般(勝手)サイトということになりますね。
公式サイトに登録されるには、各キャリアに対して企画書を作成・申請し、それを承認してもらう必要があります。2〜3年前までは、この審査はとても厳しいものでした。たとえば、以前私が申請した某ECサイトについていうと、企画書のページ数は最終的に150ページ程になり、結果的には半年を費やしました。昨年春ごろからは若干ゆるくなってきているようですが……。
ここで、公式サイトに登録されるメリットとデメリットを簡単にまとめてみたいと思います。
<メリットとデメリット>
【メリット】
・キャリアの情報料回収代行サービスを利用でき、容易に課金できる。
・メニューリストに載ることで、ある程度のユーザがサイトにアクセスしてくれる。
・無料でプロモーションとして『週刊iガイド』などに掲載してくれる。
・ユーザーが安心してアクセスしてくれる。
※ iMenu トップページの imp は5,000万/週(UU:1,000万)
※『週刊iガイド』のPVは180万/週
【デメリット】
・自由にコンテンツを追加できない(その都度、企画申請が必要)。
・自由にリンクができない。
・自由に広告掲載できない。
・CGMコンテンツ(掲示板、画像、動画など)の事前検閲は必須。結果、かなり工数がかかる。
……といった感じでしょうか。数年前までは、上記のデメリットがあるものの、メリットの方が大きかったため、公式サイトをやる価値は高かったのですが、現在はかなり状況がかわってきています。
結論からいうと、公式サイトになったからといって「会員が集まる=儲かる」という訳ではなくなったということです。そもそも「公式サイト=儲かる」といったこと自体が神話のようなものだと思いますが、現状でいうと公式サイトでも1,000人に満たないサイトもごろごろありますし、1万人いけばとりあえず成功といった声も聞ききます。この要因としては色々ありますが、要因として……
・サイトの数がかなり多くなった。
・加えて、コンテンツが充実した無料の一般サイトが増え、10代〜20代前半を中心にかなり利用されている。
……などが挙げられると思います(詳しくはiモードサイトアクセス比率で)。このような状況を如実に表し、象徴的なのが『モバゲータウン』です。7末時点で、PVはなんと、120億です。しかもまだまだ伸び続けています。おそらく、各キャリアの全トラフィックのうち、1割以上モバゲータウンといった状況でしょうか。他にも、『mixiモバイル』、『GREEモバイル』、『Yahoo!モバイル』など大量のPVを持つ一般サイトが多数存在しています。
このような状況に対して、各キャリアの対応としては……
・検索窓の設置
・コミュニティ(SNS)ジャンルの設置
……など、一般サイトを意識したものが続々と出てきています。コミュニティ(SNS)ジャンルでは、今までは考えられなかった公式サイトから一般サイトへのリンクも条件つきで可能ですし、検閲についても一定の条件をクリアすれば事後の対応が可能になっているようです。
一方、各コンテンツプロバイダの対応としては、かなりざっくりですが……
・とにかく多くのサイトを少ないリソースで立ち上げ、単黒にできる必要最低限会員を集める。全サイトのユーザーあわせるとそれなりの規模、利益→ザッパラスなど。
・不採算サイトは撤退→『フォーサイド』など。
・今まで有料課金が当然であったジャンルで無料サイトを作り、そこで集めた人を他の有料サイトに流す→『CAモバイル』など。
・一般サイトも展開→『CAモバイル』、『スクエニ』、『オープンドア』、『バンダイナムコ』など。
・様子見?→『サイバード』。
……などが挙げられます。全体的には踊り場的な状況ですね。
最後に、弊社の公式サイトに対する方向性を簡単にお話したいと思います。上記をそのまま受け取ってしまうと「公式サイトに登録する意味あんの?」と思う方がいらっしゃるでしょうが、弊社としては今後も機会があれば積極的に提供していくつもりです。
弊社は『ケータイ livedoor』という強力な媒体を持っているので、多くのユーザを公式サイトへ誘導することができ、そこで収益化をはかれます。また、新しい技術・サービスに関する情報も早い段階で得ることができるので、公式・一般サイト問わず、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
今後もめまぐるしい展開が予想されるモバイル業界ですが、公式サイト、一般サイト双方を古くから展開し、優秀なスタッフを抱える弊社のモバイル事業にぜひご期待ください。
今回は、ケータイキャリア(以下、キャリア)の公式サイトビジネス(おもにDoCoMo)の変遷について書かせていただきます。モバイル業界にいらっしゃる方には物足りない内容かもしれませんが、そちらはご容赦ください。
iモードが開始されたのは今から8年前にあたる1999年です。その後、モバイルコンテンツ関連市場は順調な成長をとげ、2006年は9,285億円、今年は1兆円を突破する予定です。モバイルコンテンツ関連市場のうち、着うた(着メロ)、ゲーム、デコメなどのコンテンツ市場は3,661億円(詳しくはこちら)となっており、これはほぼすべて、各キャリアの公式サイトとして提供されているコンテンツと思われます。
公式サイトとは、皆さんもご存知の通り、たとえばドコモであれば“iMenu”のなかに登録されているサイトのことです。よく雑誌広告などで……
メニュー>着うた>JPOP>サイト名
……などと表記されているサイトがありますが、それが公式サイトにあたります。ちなみに公式サイト以外のサイトは「一般サイト」「勝手サイト」と呼んでいます。つまり、『ケータイ livedoor』は一般(勝手)サイトということになりますね。
公式サイトに登録されるには、各キャリアに対して企画書を作成・申請し、それを承認してもらう必要があります。2〜3年前までは、この審査はとても厳しいものでした。たとえば、以前私が申請した某ECサイトについていうと、企画書のページ数は最終的に150ページ程になり、結果的には半年を費やしました。昨年春ごろからは若干ゆるくなってきているようですが……。
ここで、公式サイトに登録されるメリットとデメリットを簡単にまとめてみたいと思います。
<メリットとデメリット>
【メリット】
・キャリアの情報料回収代行サービスを利用でき、容易に課金できる。
・メニューリストに載ることで、ある程度のユーザがサイトにアクセスしてくれる。
・無料でプロモーションとして『週刊iガイド』などに掲載してくれる。
・ユーザーが安心してアクセスしてくれる。
※ iMenu トップページの imp は5,000万/週(UU:1,000万)
※『週刊iガイド』のPVは180万/週
【デメリット】
・自由にコンテンツを追加できない(その都度、企画申請が必要)。
・自由にリンクができない。
・自由に広告掲載できない。
・CGMコンテンツ(掲示板、画像、動画など)の事前検閲は必須。結果、かなり工数がかかる。
……といった感じでしょうか。数年前までは、上記のデメリットがあるものの、メリットの方が大きかったため、公式サイトをやる価値は高かったのですが、現在はかなり状況がかわってきています。
結論からいうと、公式サイトになったからといって「会員が集まる=儲かる」という訳ではなくなったということです。そもそも「公式サイト=儲かる」といったこと自体が神話のようなものだと思いますが、現状でいうと公式サイトでも1,000人に満たないサイトもごろごろありますし、1万人いけばとりあえず成功といった声も聞ききます。この要因としては色々ありますが、要因として……
・サイトの数がかなり多くなった。
・加えて、コンテンツが充実した無料の一般サイトが増え、10代〜20代前半を中心にかなり利用されている。
……などが挙げられると思います(詳しくはiモードサイトアクセス比率で)。このような状況を如実に表し、象徴的なのが『モバゲータウン』です。7末時点で、PVはなんと、120億です。しかもまだまだ伸び続けています。おそらく、各キャリアの全トラフィックのうち、1割以上モバゲータウンといった状況でしょうか。他にも、『mixiモバイル』、『GREEモバイル』、『Yahoo!モバイル』など大量のPVを持つ一般サイトが多数存在しています。
このような状況に対して、各キャリアの対応としては……
・検索窓の設置
・コミュニティ(SNS)ジャンルの設置
……など、一般サイトを意識したものが続々と出てきています。コミュニティ(SNS)ジャンルでは、今までは考えられなかった公式サイトから一般サイトへのリンクも条件つきで可能ですし、検閲についても一定の条件をクリアすれば事後の対応が可能になっているようです。
一方、各コンテンツプロバイダの対応としては、かなりざっくりですが……
・とにかく多くのサイトを少ないリソースで立ち上げ、単黒にできる必要最低限会員を集める。全サイトのユーザーあわせるとそれなりの規模、利益→ザッパラスなど。
・不採算サイトは撤退→『フォーサイド』など。
・今まで有料課金が当然であったジャンルで無料サイトを作り、そこで集めた人を他の有料サイトに流す→『CAモバイル』など。
・一般サイトも展開→『CAモバイル』、『スクエニ』、『オープンドア』、『バンダイナムコ』など。
・様子見?→『サイバード』。
……などが挙げられます。全体的には踊り場的な状況ですね。
最後に、弊社の公式サイトに対する方向性を簡単にお話したいと思います。上記をそのまま受け取ってしまうと「公式サイトに登録する意味あんの?」と思う方がいらっしゃるでしょうが、弊社としては今後も機会があれば積極的に提供していくつもりです。
弊社は『ケータイ livedoor』という強力な媒体を持っているので、多くのユーザを公式サイトへ誘導することができ、そこで収益化をはかれます。また、新しい技術・サービスに関する情報も早い段階で得ることができるので、公式・一般サイト問わず、積極的に取り組んでいきたいと思っています。
今後もめまぐるしい展開が予想されるモバイル業界ですが、公式サイト、一般サイト双方を古くから展開し、優秀なスタッフを抱える弊社のモバイル事業にぜひご期待ください。
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