こんにちは、ライブドアの櫛井です。今回はディレクターとエンジニアの意思疎通についてお届けしたいと思います。

■魔法使いはいない?
一般的な受託案件などの場合、サイトのプログラムやサーバーまわりの調整などはシステム開発会社の担当の人が一手に引き受けてくれます。しかし、 livedoor のように社内に開発部がある会社では、ディレクターが自力でエンジニアに「何をしたいか」「なぜそうしたいのか」「それをすることで何を目指すのか」ということを正確に伝えていく必要が出てきます。

サイトの規模によってはエンジニアがディレクターを兼ねる場合もあるかもしれませんが、ウェブ業界全体を見てみても「ディレクターで元エンジニア」という人は希少で、ほとんどの場合プログラムやサーバーサイドの仕組みを十分理解できているディレクターというのは稀な存在といえます。

システムの知識を十分持っていないディレクターたちが抱く幻想として「エンジニアに言えばなんとかしてくれる」というものがあります。プログラムを魔法か何かと勘違いしているんですね。

■「なんとかしてください」は通らない
たとえば、いくつものサイトを同時に担当しているとこんなことがよくあります。

<よくある事例>
・ページを開いても何も表示されない
・画像が表示されない
・表示がすごく遅い
・挙動がおかしい、想定している動作と違う


受託案件などであればシステム開発会社へ連絡し「ここがおかしいようです、修正しておいてください」ですませてしまう場合がほとんどだと思いますが、livedoorの場合は違ってきます。

「こういった動きが正常と思われるが、どこの部分でどういった動作を行った場合にこういった画面になります」というところまで説明できないと、エンジニアは困惑するばかりです。

よく理解せずに「なんとかしといてください」では話になりません。エンジニアと直接やり取りをする必要があるサイト運用では、理解度やカバーできる範囲は経験によって異なりますが、担当ディレクターもシステムやプログラムを理解していなければ迅速に対応することは難しいといえます。

■ディレクターが学んでおくべきこと

自分でプログラムを書けない私ですが、いつも注意しているのは基本的なコミュニケーションの部分です。技術用語を理解しておくことはもちろんですが……

・基本的なシステム構成の把握
・具体的な過去のトラブル内容と対策内容
・どういうことをしたいかにより何が必要となるかを常に聞く
・聞いたことを忘れない


……といったことを普段から心がけるようにしています。さらに技術的トレンドにも興味があれば、なおよいかと思います。

個人的にですが、エンジニアと接するときにもっとも重要なのは「理解する」ということだと考えています。ディレクターに今なにをしてほしいのか、現在どういった問題があるのか、どういった解決策のパターンがあるかなど、把握する必要があるポイントは多々あります。聞いてみなければわからないので、まずは聞いてみるというのが大事なのかなと思っています。

■終わりに

エンジニアは決して魔法使いではありません。一緒にサイトを作り上げていくうち、なかには「魔法使ったでしょ今」と思ってしまうくらい素晴らしい問題解決をしてくれるときもあります。結果だけを見ればそれは魔法かも知れません。しかし、それは……

・サイトの中身を知り尽くし
・普段からこまめに状況を監視し
・問題点の洗い出しを常に行い
・解決策を数パターン用意しておく


……という、エンジニアのたゆまぬ努力が実を結んだ瞬間に立ち会えたに過ぎないのです。ディレクターとエンジニアの距離が近いぶん、意外な発見が多い livedoor で、あなたも働いてみませんか?

現在、ライブドアではディレクターを募集しています。