こんにちは、『livedoor PICS』や『livedoor ナレッジ』などの担当をしている櫛井です。突然ですが皆さんは“Exif(エグジフ)”というのをご存知でしょうか? 画像ファイルにはさまざまな形式でメタデータを埋め込むことが可能ですが、今回はExif情報についてお話したいと思います。

■Exifとは?
『ウィキペディア』によると……
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Exif(エグジフ、Exchangeable image file format)は、富士フイルムが開発し、JEIDA(日本電子工業振興協会)で規格された画像メタデータのフォーマット。デジタルカメラの画像用に使われる(中略)。対応画像形式はJPEG、TIFF。
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…とあります。
参考リンク:Wikipedia:Exif

ひとつの画像ファイルには画像データだけではなく
「どのカメラで撮ったか」
「いつ撮影したか」
「画像サイズはどれくらいか」

などなど、いろいろな情報が一緒に付加されています。これがExif情報と呼ばれるものです。

■意外と身近なExif情報
このExif情報は画像データが生成されたとき(わかりやすくいうとカメラで撮影されたとき)に自動的に付加されるので、ケータイのカメラやデジタルカメラなどで撮影した画像には、ほぼ間違いなくExif情報も存在しています。ケータイのカメラで撮影をしている人はよく見かけますし、デジタルカメラも今では誰もが持っているものなので、Exif情報も身近に存在しているといえるでしょう。

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Firefox拡張機能「Exif Viewer」で見たD904iで撮影した画像のExif情報

■Exifのいいところ
このExif情報というのは、画像加工をしたり特定のウェブサービスにアップロードしない限りは画像から削除されることがありません(ちなみに『Adobe Photoshop』の「web用に保存」を実行するとExif情報が削除されます)。
一般的に画像を加工したりデータのバックアップなどをすると「更新日時」や「ファイル名」が変更されるため、元々どういった画像だったかわからなくなりがちですよね。でも、Exif情報には撮影時の情報が保存されているため、のちのち役に立つことが多いのです。

画像には、おもに以下の情報が基本的なExif情報として保存されます。
・カメラのモデル名
・カメラのメーカー名
・画像サイズ
・撮影日時
・撮影したレンズ名
・絞り値
・シャッタースピード
・撮影モード


このように、保存されたExif情報を使うことにより、撮影日時で並び替えをしたり、同じカメラで撮られた画像だけをピックアップしたりと、情報を利用して特定の画像を探し出すときに絞り込みがしやすくなるというメリットがあります。

例:『livedoor PICS』DoCoMo SH903iで撮影された写真
  http://pics.livedoor.com/cameras/docomo/sh903i


■Exifのちょっと“あやうい”ところ
使っているケータイの種類や撮影日時が記録されているExif情報ですが、ブログなどで掲載された写真にもそのまま保存されている場合がほとんどです。最近リリースされたウェブサービスにはブログの画像からカメラ付きケータイの機種を調べてみるといったものもあるようです。

「あれ? あの人って△△社のCMに出てたのに、××社のケータイ使ってるんだね」ということになったりすると、見てるだけでちょっとハラハラしますよね。

■ウェブサービスで利用する際のポイント
画像保存の際に自動で保存されるExif情報ですがExif情報編集ツールなどもあるので、100%信用できる情報とはいえません。ブログサービスなどでは画像をそのまま保存しておくことが多いので特に意識する必要はないですが、Exif情報を利用したフォトシェアリング系のウェブサービスを構築する際には注意すべき点がいくつかあります。
前述のように、Exif情報のなかにあるデータが全て正しいとは限りません。どの範囲までを正しい情報として利用するか、取捨選択をする必要があります。また、Exif情報には上記であげたような「基本的な統一された項目」以外に、各カメラメーカーが独自の形式でさまざまな情報を入力する場合があるため、すべての情報を共通のものとして使えないということも把握しておく必要があります。
この「統一された項目以外のデータ」は、形式や入力されたデータ量もバラバラですので扱いが難しく、ウェブサービス側でどこまでの情報を保存しておくか、というのを精査する必要があります。数百枚単位であれば特に問題のないデータ量であったとしても、数万のユーザーをターゲットにしたウェブサービスの場合は状況が変わってきます。
「気づいたときには数ギガバイト単位で使用しないデータがたまっていた……」などということにならないよう、構築初期の時点で「何を残し、何を削除すべきか」というのを決めておいた方がよいでしょう。


ユーザーがデータを入力していくことで構築されていく CGM(コンシューマー・ジェネレイテッド・メディア)において、画像データというのは重要な存在です。その貴重なデータに含まれる情報をどのように扱い、どのような形で見せていくかなど、皆さんの参考になれば幸いです。

Exif情報だけに限らず、さまざまな情報をサービスにどう取り込むか? あなたも一緒に考えてみませんか?

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