こんにちは、櫛井です。
webディレクターという仕事は色々な職種の方たちの間に入って調整をすることが多いのですが、一口で「調整」といっても結構難しいものです。webサイト開発に限らず、「言われたまま、言われた順にこなしている」という人が担当だと予定通りに物事は進みません。そこで今回は、webサイト開発時に頻繁に用いられるスケジュール作成方法についてお話してみたいと思います。
山ほどあるタスク、どれから手をつけるべきかを考えるためのヒントになれば幸いです。

■ステップ.1 タスクに優先順位をつける
まずはそれぞれのタスクに優先度をつけ、種類を決めて考えます。
・クリティカル・パス
 (絶対に遅らせてはならないもの。最優先として認識すべきもの)
 参照記事:プロジェクトマネジメントOS本舗

・やらなければいけないこと
 (バグ解消、トラブル対策で必須なもの、社外との交渉など)

・やっておくといいこと
 (利便性の向上、企画モノの準備、過去のレポートまとめなど)

・やる必要はないがやりたいこと
 (担当のコダワリ、チームのモチベーション向上のための施策など)


■ステップ.2 スケジュールの期限を把握する
タスクに種類があるように、スケジュールにも種類があります。対外的な要因や、公開日だけが諸般の事情で決まっているものなど様々です。
・必ず守らなくてはならない期限があるもの

・やれればいい希望的期限を設定するもの

・いつでもいいけど早くやったほうがいいもの

・いずれやるかも知れないもの


■ステップ.3 そのタスクに必要なリソースを確認する
その作業を行うために3日かかるのか20日かかるのかで事情は随分と変わりますので事前に把握しておく必要があります。
経験則で「これぐらい」というのもアリだと思いますが、自分の作業以外の場合は素直に聞くのがよいでしょう。


■ステップ.4 スケジュール表を作成してみる
というわけで、具体的な例として9月1週の段階でlivedoor PICSであがりそうなタスクを上記であげた内容にあてはめて作成してみます。

S-1

まずは今あるタスクを思いつく順に書き出してみます。

S-2

次に「優先順位」「期限」「リソース」を入れてみます。

S-3

「優先順位」が高いものから順に並びかえてみます。

S-4

タスクの一覧をもとにざっくりとしたスケジュール表を書いてみます。
まずはパッと見で雰囲気が伝わればいいのであまり神経質にならなくてもよいです。

さて、このスケジュール表に矢印を入れていきます。期限があるものは期限から逆算して必要と思われるリソース+2〜4営業日付け加えたうえで予定をいれておくと余裕のあるスケジュールとなります。(可能であれば、ですが)

・「サーバ追加」は10月末までにやればよい。1週間ほどで出来るが余裕をもって2週前に依頼
・「A社キャンペーン」はページ数は少ないが確認なども入るので早めに素材を受け取っておきたいので1ヶ月前には届くように依頼しておく
・「インターフェース改善」は一旦置いておいて・・・
・「秋フォトコンテスト」はすぐに出来るので素直に設置
・「レポートファイル追加依頼」は手のあいている9月前半に片付けておこう
・「favicon差し替え」は秋フォトのタイミングくらいにしよう
・「インターフェース改善」は出来れば細部まで詰めたいから余裕をみて4週程度みておこう。9月4週から10月2週が作業がないからそのタイミングでやってしまおう。

という形で順番を工夫しながら置いてみたスケジュールがこのような形です。
S-5


ここまで出来たらプロジェクトチーム内で共有し、他に担当しているプロジェクトの進行具合や、スケジュール感に無理がある箇所がないかを確認しあい、最終的なスケジュールとして仕上げていきます。
チーム内全体で合意がとれたうえで作業に着手することで、コミュニケーションロスを防ぐことが出来るという効果があります。

■その他に留意すべきこと
・優先順位に関わらず、他に影響するものがないものは最優先でサクッとやったほうがいい

・既存のシステムに影響するものは上位にあるものから片付ける

・クライアントの確認や社外の調整が必要な場合、一度でOKが出る前提でえがちだがリテイクがある前提でスケジュールに余裕をもたせておく。

スケジュール作成や作成後の管理は難しいですが、それはまたの機会に。
他にも様々なノウハウが存在しますが、もっと知りたい方は「続きはwebで」!