こんにちは。ディレクターの方の谷口です。今回は、新規にクチコミサイトを作る際において、今後どのような商材が適しているのかについて考えてみたいと思います。といってもクチコミサイトは既に多数あるので、「いまさらクチコミサイトを作る」にはどのような視点があるか、ということになるでしょうか。
クチコミサイトといっても多くの種類がありますが、ここでいうクチコミサイトとは、特定の商品・サービスについて、参加者がレビューを共有するサイトとします。
クチコミが集まるふたつの前提条件
クチコミに適した商材として、「選ぶのが不安」であることと、「日常的に選ぶ機会が多い」というふたつの条件があると思います。
前者の「選ぶのが不安」、というのは、たとえばティッシュペーパーのような日用品を買う際に不安は感じませんが、車を買う際には、買った後で後悔しないために神経を使います。間違って選択する確率と、間違ったときの損失が大きいほどこの不安は生じ、大まかに分解すれば下記になると思います。
1. 選択枝の多さ(誤って選ぶ確率が高くなる)
2. 利用時間の長さ(旅行など、一度選ぶと消費する時間が長い)
3. 利用金額の高さ
1は選択時の問題で、2と3は利用時の問題ですが、総じて選択時の不安要素になりえます。この不安が高くなければ、参加者がそもそも情報を共有しようという必要性を感じないので、クチコミが生じないと思います。
もう一方の、「日常的に選ぶ機会が多い」については、レストランのように日常的に行くものほど情報が集まりやすくなり、陶芸体験にいってみる、などの非日常的なものほど情報があつまりにくくなるということです。
クチコミサイトのポジション
前述の「選択の不安」と「選択の頻度」を軸にマトリクスをつくってみると、下記のようになり、大きく4つのポジションが見えてきます。

右上にいくほど、選択時の不安が大きく、日常的に選択するのでクチコミが集まりやすいポジションです。
日常的な嗜好品グループ
右上の日常的な嗜好品グループは、化粧品や食事などの、日常的に使用・消耗するものでありながら選択が慎重になる、もっともクチコミに適したエリアです。この分野は、コスメ情報を扱う「@cosme」をはじめ、あらかた既存サイトがあります。このエリアでは、よほど新しい技術やコンセプトがなければ既存サイトに太刀打ちできなそうです。livedoor でも、『livedoor グルメ』がありますが、競合も多く誕生し、競争が激化しています。しかし、このエリア内でもマトリクス上で下部に位置する、比較的気軽に選ぶことが多いもののなかには、まだ先行サイトがないものも出てきそうです。
日常的な生活用品グループ
右下の生活用品グループは、ティッシュペーパー等、日常的に使用・消耗するものかつ、嗜好とあまり関係のない商材です。スペックのみで選べるのと、選択に失敗してもあまり損失がないので、選択時の不安はあまり高くなく、単価も安いので、クチコミは集まりそうにありません。ただ、日常的に使われる商品であるので、ブログ等に何気なく評価が書かれている場合も多く、そのような意見を集積する仕組みがあれば、クチコミ情報がまとめられる可能性があります。
イベント・耐久消費財グループ
左上のイベント・高価な耐久消費財グループは、パソコンや家電など、一度買うと長期間使うモノや、旅行、就職・転職、結婚式などは、ライフイベント系の商材で日常的に選択するモノではないですが、商品が高額で、かつ利用時間が長くて選択に間違った場合の代償が大きいため、情報の需要が高いエリアです。
そのため、リクルートや『価格.com』をはじめ、新旧のサービスが密集しています。このエリアは、商品提供側の力が強く、クチコミ需要は高くても、商材によっては積極的に集めていないものも多いため、商品提供側から利益を得ない形でのビジネスモデルや、友人に限定した形でクチコミ情報を収集するなど、根本的に違うモデルでアプローチしなければ難しそうです。または、医療関係等、サービスでは選択するのに不安になるものはまだ多そうです。
安価な耐久消費財グループ
左下のグループは、ごみ箱など、安価だけど長く使い続ける商品です。通常、クチコミサイトは高価格の消耗品から扱いはじめるので、このエリアのクチコミサイトはあまり見たことがありません。しかし、安価でも、耐久消費財という、ユーザーが長く使うものなので、選択の大切さを利用者に啓発しやすいエリアです。
たとえば、枕は寝心地に大きく影響しますが、安いものも多いのであまり考えずに選択している人が多いと思います。もし、寝心地へのこだわりをうまく伝えられ、高価な耐久消費財として認識してさえもらえれば、クチコミの集まりやすい場をつくれる可能性があります。このような、価格幅の大きな耐久消費財、というのは穴場かもしれません。
今回のマトリクスはあくまでひとつの切り方で、さまざまな別の切り口がありうるとは思います。ネットに参加する心理的な敷居が年々さがり、ユーザーが従来よりも気軽に情報発信するようになっているので、従来ではクチコミが集まらなかった商材にも改めてチャンスが生じるかもしれないと思っています。
クチコミサイトといっても多くの種類がありますが、ここでいうクチコミサイトとは、特定の商品・サービスについて、参加者がレビューを共有するサイトとします。
クチコミが集まるふたつの前提条件
クチコミに適した商材として、「選ぶのが不安」であることと、「日常的に選ぶ機会が多い」というふたつの条件があると思います。
前者の「選ぶのが不安」、というのは、たとえばティッシュペーパーのような日用品を買う際に不安は感じませんが、車を買う際には、買った後で後悔しないために神経を使います。間違って選択する確率と、間違ったときの損失が大きいほどこの不安は生じ、大まかに分解すれば下記になると思います。
1. 選択枝の多さ(誤って選ぶ確率が高くなる)
2. 利用時間の長さ(旅行など、一度選ぶと消費する時間が長い)
3. 利用金額の高さ
1は選択時の問題で、2と3は利用時の問題ですが、総じて選択時の不安要素になりえます。この不安が高くなければ、参加者がそもそも情報を共有しようという必要性を感じないので、クチコミが生じないと思います。
もう一方の、「日常的に選ぶ機会が多い」については、レストランのように日常的に行くものほど情報が集まりやすくなり、陶芸体験にいってみる、などの非日常的なものほど情報があつまりにくくなるということです。
クチコミサイトのポジション
前述の「選択の不安」と「選択の頻度」を軸にマトリクスをつくってみると、下記のようになり、大きく4つのポジションが見えてきます。

右上にいくほど、選択時の不安が大きく、日常的に選択するのでクチコミが集まりやすいポジションです。
日常的な嗜好品グループ
右上の日常的な嗜好品グループは、化粧品や食事などの、日常的に使用・消耗するものでありながら選択が慎重になる、もっともクチコミに適したエリアです。この分野は、コスメ情報を扱う「@cosme」をはじめ、あらかた既存サイトがあります。このエリアでは、よほど新しい技術やコンセプトがなければ既存サイトに太刀打ちできなそうです。livedoor でも、『livedoor グルメ』がありますが、競合も多く誕生し、競争が激化しています。しかし、このエリア内でもマトリクス上で下部に位置する、比較的気軽に選ぶことが多いもののなかには、まだ先行サイトがないものも出てきそうです。
日常的な生活用品グループ
右下の生活用品グループは、ティッシュペーパー等、日常的に使用・消耗するものかつ、嗜好とあまり関係のない商材です。スペックのみで選べるのと、選択に失敗してもあまり損失がないので、選択時の不安はあまり高くなく、単価も安いので、クチコミは集まりそうにありません。ただ、日常的に使われる商品であるので、ブログ等に何気なく評価が書かれている場合も多く、そのような意見を集積する仕組みがあれば、クチコミ情報がまとめられる可能性があります。
イベント・耐久消費財グループ
左上のイベント・高価な耐久消費財グループは、パソコンや家電など、一度買うと長期間使うモノや、旅行、就職・転職、結婚式などは、ライフイベント系の商材で日常的に選択するモノではないですが、商品が高額で、かつ利用時間が長くて選択に間違った場合の代償が大きいため、情報の需要が高いエリアです。
そのため、リクルートや『価格.com』をはじめ、新旧のサービスが密集しています。このエリアは、商品提供側の力が強く、クチコミ需要は高くても、商材によっては積極的に集めていないものも多いため、商品提供側から利益を得ない形でのビジネスモデルや、友人に限定した形でクチコミ情報を収集するなど、根本的に違うモデルでアプローチしなければ難しそうです。または、医療関係等、サービスでは選択するのに不安になるものはまだ多そうです。
安価な耐久消費財グループ
左下のグループは、ごみ箱など、安価だけど長く使い続ける商品です。通常、クチコミサイトは高価格の消耗品から扱いはじめるので、このエリアのクチコミサイトはあまり見たことがありません。しかし、安価でも、耐久消費財という、ユーザーが長く使うものなので、選択の大切さを利用者に啓発しやすいエリアです。
たとえば、枕は寝心地に大きく影響しますが、安いものも多いのであまり考えずに選択している人が多いと思います。もし、寝心地へのこだわりをうまく伝えられ、高価な耐久消費財として認識してさえもらえれば、クチコミの集まりやすい場をつくれる可能性があります。このような、価格幅の大きな耐久消費財、というのは穴場かもしれません。
今回のマトリクスはあくまでひとつの切り方で、さまざまな別の切り口がありうるとは思います。ネットに参加する心理的な敷居が年々さがり、ユーザーが従来よりも気軽に情報発信するようになっているので、従来ではクチコミが集まらなかった商材にも改めてチャンスが生じるかもしれないと思っています。
コメント
コメント一覧 (1)
僕はクチコミサイトのニーズを考えるときは、「経験を伝えたい」「人の意見を聞きたい」という尺度をよく使います。
あと、「自分の体験を記録したい」「体験を知りたい」とか。mixiで書いたり日記を読んだりしている動機は、ここらへんにあると思います。