こんにちはlivedoorの辻と申します。
今回は私が担当している『livedoorネットアニメ』にて人気のキャラクター『やわらか戦車』の軌跡を追いながらCGM×キャラクタービジネスについて書かせていただきます。
『やわらか戦車』は、2005年12月の『livedoorネットアニメ』設立とほぼ同時に公開されたFLASH短編アニメ作品です。

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■livedoor ネットアニメ設立の背景
『livedoor ネットアニメ』設立にあたっての経緯ですが、2002年以降アニメ業界で、『ほしのこえ』『スキージャンプ・ペア』などの個人制作のアニメーションが、高い評価を受け、個人クリエイターに非常に注目が集まっていたという大きな背景がありました。アニメーションを制作するソフトウェアの進化により個人でも簡単にひとりでアニメーションを作れる環境が整ったことも大きく影響しています。
そんななかで、一時的なPV稼ぎのための既存人気作品の購入ではなく、クリエイター育成と作品の発掘に注力し、「ウェブアニメーションをポータルサイト上で展開しよう!」という思いで『livedoor ネットアニメ』が設立されました。

■ブログを活用したユーザーとのコミュニケーション
『やわらか戦車』が公開された当初、『livedoor ネットアニメ』内でのアクセスは、ほかの作品に比べて多いものの、まだまだサイトも作品も認知をされていませんでした。

そこで、ウェブ発のアニメということでブログを利用し、地上波のアニメではなかなか実施が難しい作者とユーザー間のコミュニケーションを取り、作品のなかにも積極的にユーザーの声を入れ始めました。
ブログにはユーザーが直接コメントを書き込むことができ、コメントを通じて見知らぬユーザー同士が意見交換をすることができます。

ユーザーとのコミュニケーションが増えるなかで、2006年1月には、大手ネット系ニュースサイトにて記事が掲載され、多くの新しいユーザーがサイトに訪れました。

ブログを開設しているユーザーは作者がブログを開設していことを知り、トラックバックなどで『やわらか戦車』を紹介するなどして口コミによる広がりが始まりました。

一連の流れがテレビや新聞などのメディアに『ネット発のアニメ』という形で取り上げられ、より一層作品やブログへのアクセスを加速させました。

■ユーザーとの共同開発商品
このころには、キャラクターグッズの商品化を希望する企業が殺到し、
次々と商品化が決定しました。商品化にあたって活用したのもブログです。
まず商品化を希望するメーカーを『やわらか戦車連合軍』としてグループを作り、競合他社などの垣根を越えてひとつのブログに各社で記事を書くフローを作りました。通常の商品化では考えられないことですが、商品が発売される前に、商品のプロットタイプの写真を一般ユーザーに公開します。たとえば「青いT シャツと赤いTシャツどちらが良いか」というように、企業からユーザーに質問を投げかけたうえで、ユーザーにジャッジしていただくわけです。この際にもブログのコメント欄は活用されます。

いわばユーザーとメーカーが商品の共同開発を行ったわけです。
誰でも閲覧し、意見を発表できる。これがブログを使用する最大のメリットであると考えられます。

この取り組みが再びメディアから注目を集めて“CGM×キャラクタービジネス”という新しい取り組みとして紹介され、このことも『やわらか戦車』を広げたきっかけとなりました。


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■サイトのメディア化
このようにして、ウェブ発アニメーションとしての強みを生かし、ブログなどを使った口コミ、メディア露出、口コミをサンドウィッチのように繰り返すことにより、『livedoor ネットアニメ』自体のアクセス数を伸ばし、サイト自体がメディアとして機能し始めました。

現在はこのメディア力を生かしながらコラボレーション企画や、イベントの開催などのさまざまな取り組みをしています。

■最後に
今回は『やわらか戦車』にスポットを当ててユーザーとメーカー、さらには作者のラレコ氏が作り出すアニメーションによってメディアを作り出していった点に関して書きましたが、『livedoor ネットアニメ』では、このほかにも、一般ユーザーがアニメーションの投稿、投票を行う『ネトアニグランプリ』を毎週開催しており、プロのアニメーション作家も誕生しました。
これからも『livedoor ネットアニメ』は、個人のクリエイターを支援しながらユーザーの皆さんと一緒にメディアを作り続けていきたいと考えております。


※ちょっと宣伝になりますが、先日手塚プロ公認キャラクター「やわらかアトム」という作品が公開されました。アニメーションの第一人者である手塚治虫の代表作品「鉄腕アトム」と、ユーザーのみなさまの声で育った次世代アニメーション「やわらか戦車」のコラボレーションというのは、一見の価値があるのではないでしょうか? ぜひご覧ください。