こんにちは。『livedoor ニュース』のトピックスを担当しています、大谷・仲間です。本ブログでは、これまで『livedoor ニュース』の編集方針や、独自の記事・『独女通信』の誕生秘話で、記事を選んだり、記事を作ったりする側面についてはご紹介してきましたが、今回は『Yahoo!ニュース』の「トピックスの見出し」について意識していることを書いてみようと思います。

●『Yahoo!ニュース』は15文字、『livedoor ニュース』は13.5文字
みなさんは各ポータルのトピックスの文言ではなく、文字数について意識して見たことはありますか? 今(10月2日)、各ポータルサイトをざっと見てみると、『Yahoo!ニュース』、『infoseek ニュース』、『mixiニュース』では15文字、『エキサイトニュース』は16文字を使用しているトピックスがありました。

トピックス

実は、各ポータルサイトによって、このトピックスに使用できる文字数は違っていて、『livedoor ニュース』の場合、業界最少(?)の13.5文字を最大文字数としています。たかが1〜2文字の違い、と思われる方もいらっしゃると思いますが、そこが大きな違いになってきます。

●どのようにリライトするの?
トピックスの文言編集は、各情報提供元から配信された記事のタイトルを単に縮める、という作業ではありません。どの部分で驚いたり、「友人に伝えてみたい」と思ってくれるか考えながら13.5文字にまとめる作業なのです。記事の本質、記事が主張していること、そして私たちが読者にどの部分を強調して伝えたいのかが重要になってきます。ですから「タイトルを縮める」というより、「数百〜数千字の記事を縮める」と表現した方が適切かもしれません。

それでは、記事を例に見てみましょう。

テレワーク 障害者雇用を促進
http://news.livedoor.com/article/detail/2953844/

この記事の場合、企業が『テレワーク』を使って障害者の雇用を促進しているという要素や、企業によって考え方の違いもあるという要素が入っています。さらに恣意的な読み方をすれば、ライブドアが奨励賞を受賞というかなり我田引水(?)なトピックスにすることも可能で、かなりの選択肢があることになります。

くわえてリライトの段階になると、日本語は他言語に比べて、主語・述語・目的語を多少入れ替えても通じてしまうこともありますので、言葉の組み合わせは無限、ということになりますから、これはどこまでいっても“正解”がない世界です。

そして、毎時数百本配信される記事をさばきつつ、内容を読んでリライトしていきますので、リライトにかけられる時間は、記事1本につき1分もありません。本当に大変です。

しかし、1文字間違えるだけで、ユーザーや社会に大きな誤解を与えてしまうこともある仕事ですから、誤字脱字、本質を取り違えてしまうようなトピックスにならないよう気をつけながらリライトをしています。また、いわゆる“ウソ・大げさ・紛らわしい”トピックスにならないようにしつつも、なるべく多くの方にクリックしてもらえるようなリライトをすることを心がけ、試行錯誤の毎日です。

では“ユーザーがクリックしたくなる”という観点で、どのようなテクニックがあるのか? そのノウハウを少しご紹介したいと思います。


・ 登場人物の喜怒哀楽、語った言葉を入れるとよい。
・ 「〜なワケ」「〜とは」など、なんだろうと気になるような終わり方にする。
・ 漢字の連続は読みづらい。
・ ひらがなよりもカタカナの方がインパクトがある。
・ 助詞は、半角スペースで代理が可能。
・ 英数は、半角を使用することで文字数の圧縮が可能。
・ 発言や目新しい単語、造語などは“”(二重引用符)でくくることで、強調したり目を引かせることができる。

●この仕事のやりがい

トピックスのリライトを毎日続けていると、新たな発見があり、興味はきません。“短い文章で見ている人に何かを伝える”という点では、コピーライターのような職業にも通じるところがあるのかなと感じています。また、漢字や言葉の引き出しを多くもっていて、それがすぐに引っ張りだせないといけないので、時事問題に関心を持つことのほか、文章に触れる機会を増やして、表現の幅を広げていくと役立つのではと思ってます。