こんにちは、モバイルディレクターの飯田瞬です。

ディレクターの皆さんは、「修正」と「変更」という言葉に対してどのようなイメージを持っていますか?

どちらも現状あるものに手を加えるという点では同じに見えるかもしれませんが、自分の置かれている立場や状況によって、意味合いやプロジェクトに与えるインパクトが自分の予想以上に違ってきたりします。特に対外的なやりとりを多く行うディレクターはこの部分にセンシティブになったほうがいいかもしれません。

そこで今回は「修正」と「変更」の違いについて紹介いたします。

修正


発注側と受注側の立場で置き換えると、受注側に誤りがある場合は「修正」(もしくは「訂正」) を用います。

たとえば、ウェブサイトのデザインを外注に発注していたとします。発注側は「青系統のサイト」を依頼しましたが、外注先から上がってきたデザインは「赤系統のサイト」でした (あくまで極端な例です)。

発注側は「青系統のサイト」で発注していたので、明らかに受注側のミスになります。このような場合、発注側は受注側に対して「青系統のサイトに修正してください」と修正である旨を伝えます。

変更


「修正 (訂正)」が受注者側の誤りでしたので、「変更」は発注者側の誤り (もしくは純粋に方針変更) の場合に用います。

先ほどのたとえ話の続きで、「赤系統のサイト」を「青系統のサイト」に修正してもらいましたが、青系統はどうもイメージとマッチしなかったので別の色で作り直してほしいと依頼したとします。

一番最初の発注から方針を変えた依頼になりますので、受注側には一切瑕疵がありません。このような場合は、発注側は受注側「黒系統のサイトに変更してください」と変更である旨を伝えます。

そこで、明らかに発注側の意志によるものなのに「○○に修正してください」と依頼すると、受注側は「え……これはこちらがミスした訳じゃなから変更だよね……」と思わせて心証を悪くしてしまうかもしれませんので、細心の注意が必要です。

使い分ける意味


それぞれの違いが分かったところで、使い分けることでどんなことが見えてくるのでしょうか。

よく「ゼロサムゲーム」にたとえられるのですが、先方の「変更」を聞き入れて「貸し」を作っておき、こちらの修正を最低限にすることで、作業交渉の引き合いにすることがあります (言うは易く行うは難しですが)。

また、営業側の立場だと「修正」や「変更」の違いは料金交渉やスコープ交渉の材料になる場合があります。「修正」が多いと、こちらが弱い立場になってしまうのはなんとなく分かるかと思います。

社内でのやりとりではそこまで神経質になる必要は無いかもしれませんが (現場の人のほうが敏感だったりします)、業務に対する取り組みとして意識しておいて損は無いと思います。

ディレクターとしての心構え


そもそも、ディレクターは「修正」「変更」の発生を極力少なくすることが務めになります。「修正」「変更」が多いプロジェクトはディレクションがうまくいっていないのではないでしょうか?

デザインの発注段階であらかじめ複数パターンを作ってもらうことや (複数パターン依頼する調整も予算内で済ませておく)、リテイクは何回まで大丈夫か? などさまざまな調整を済ませておくことで、お互い気持ちよく仕事できることかと思います。

ライブドアでは「修正」「変更」への意識が高いディレクターを募集しています。