こんにちわ。モバイル関連業務を色々と担当している早岡です。
今年4月、女子中高生向けリアルタイムブログサービス「デコミィ」というサービスを立ち上げました。

logo_dcmee「デコミィ」は20代・30代をターゲットとしたサービスを得意とするライブドアの中では、かなり異色な存在で、過去に若年層サービスでの成功体験があまりないことや、そもそも、制作に携わるスタッフの平均年齢が30歳を超えている……こともあり、試行錯誤の毎日です。

特に苦労するのは、女子中高生の「本音」や「実像」がなかなか見えてこないところです。グループインタビューやユーザーアンケートなどを繰り返すことによって、ある程度の想定はできるのですが、核心的な部分までは、まだつかむことができていません。

私自身も中高生時代はそうだったのですが、大人に対する警戒心や、本音をさらけだすことへの恥ずかしさなど、「10代ならでは」の微妙な心理が壁となって、私たちをヤキモキとさせるのです。

ただ……実際にユーザが投稿するデータには、そんな彼女たちの「本音」が見え隠れしています。サービス開始から4ヶ月が経ち、徐々にユーザも増え、実際に投稿されているデータを見ているうちに、サービス前の「机上のユーザー像」が塗り替えられるぐらいの、様々な発見がありました。

たとえば、ユーザの投稿データから「かわいい」「嫌い」という単語を抜き出し、それぞれの文脈から「何をかわいいと感じているのか」「何を嫌いと感じているのか」を分析してみると、それはそれだけで、一種のリサーチになります。

◆かわいい

「自分の彼氏がかわいい」
「猫がかわいい」
「芸能人がかわいい」
「キャラクターがかわいい」
「小学生がかわいい」
「浴衣姿がかわいい」
「髪型がかわいい」
「AKB48がかわいい」
など

◆嫌い

「電車が混んでて嫌い」
「嘘つかれるのは嫌い」
「雨が嫌い」
「学校が嫌い」
「部活の人間関係が嫌い」
「偽善者が嫌い」
「自分が嫌い」
「友達が嫌い」
「粉薬が嫌い」
「朝早いのが嫌い」
など

また、投稿データから「やばい」を抽出したら、かなり上位にランクインしたのですが、「やばい」は、ポジティブな意味でも、ネガティブな意味でも使われる言葉です (日本語としてそれが正しいかどうかは別として)。

そこで「やばい」を含む投稿を無作為に30件抽出し、改めて文脈からポジティブとネガティブに分類してみると、

◆ポジティブな「やばい」(11件)

「(彼氏や芸能人が) イケメンでやばい」※複数投稿あり
「花火が楽しかったのでやばい」
「ドラマや俳優が面白いくてやばい」
「ドラマで泣けてやばい」
「野球選手の活躍がやばい」
「恋バナがやばい」
「知人の子供がかわいくてやばい」
「小説での恋愛が幸せそうでやばい」
「心満たされてやばい」

◆ネガティブな「やばい」(19件)

「勉強しないとやばい」※複数投稿あり
「寝坊したのでやばい」
「今日も寝れなかったのでやばい」
「明日朝から部活なので寝ないとやばい」
「雨がやばい」
「宿題してなくてやばい」※複数投稿あり
「眉毛をそりすぎてやばい」
「遅刻したらやばい」
「暑くてやばい」
「お化粧がんばったのに不評でやばい」
「行楽地に人が多く居てやばい」
「明日模試でやばい」
「悲しい出来事を思い出してしまってやばい」
「明日早起きなのでやばい」
「眠くてやばい」※複数投稿あり

「やばい」はネガティブな意味合いで使われる方が若干多い、などといった発見もできます。

あくまでもこれらは一例ですが、実際の投稿データから言葉の使われ方を学ぶことによって、グループインタビューやユーザーアンケートでは見えてこない、新たなユーザーの側面を知ることが出来ます。

ターゲットユーザーを知る・理解する、というのは、サイト運営において非常に重要なことだと思っていますので、これからも試行錯誤しつつ、少しでも彼女たちの「本音」に迫れたらいいなと思っています。