はじめまして、新世紀メディアグループのEと申します。このたびディレクターブログを執筆することになりました。現在、7月4日にリニューアルした有料メールマガジンサービス「BLOGOS メルマガ」の編集を担当しております。
今回は "インタビュー" について、思うところを書きたいと思います。良いインタビューにするためには何が必要なのか、いつも心がけていることをご紹介します。

まずは、インタビューの進め方に入る前に、そもそも良いインタビューというと、どんなものを指すのでしょうか?
ほかにも「テンポの良さ」「インタビューから感じられる雰囲気の良さ」など、"良いインタビュー" を構成する要素は多々あると思います。そんな中で、インタビュー記事を良いものにするための努力として最低限やるべきじゃないかと、私が常々心がけている4つのことを順を追ってご紹介します。
インタビューは準備で8割方決まる、と言っても過言ではないかもしれません。後述しますが、準備がまったくの無に返すケースもありますので、その場合は8割方その場の対応で決まりますが (笑)。
歌手のインタビューであれば、歌詞の一語一句までしっかり聞き込みたい。「作品を聞いてもらえばわかると思います」なんて言われてしまったら、聞いてないことを指摘されてるのと同じこと。俳優さん、スポーツ選手、企業家や職人さん、何かしら世に残されているもの、その人を語るものがあるはずです。多くの人の目に触れているものは、インタビュアーも知っていることが大前提です。
その上でさらに、深く調べることが出来ていればなお良し。「え? なんでそんなことまで知ってるの?」と、インタビュアーが対象者を驚かせているインタビューがたまにあります。私の知る限り、そういった反応は概ね好印象。いや、むしろ絶対盛り上がりますね。最後に紹介している、私の好きなインタビュアーの方々は、ここを徹底しています。
インタビューをする前に対象者を知ることは礼儀であり、深く知ることはインタビューを成功させ、記事の完成度を高めます。
と、準備の大切さを説いておきながら (笑)。対面でのインタビューならば、普段の会話や商談と同じで、伝えたいことは相手の目を見て伝えたいもの。手元の資料ばかり見て話していたら、対象者の心を掴むことはできないでしょう。
また、資料がまったく役に立たないケースもあります。○○○様などと呼ばれる気難しい女優さんや、ウソばかりつく芸人さんの話を聞いたことがある方も多いでしょう (笑)。インタビューは生ものです。下調べが重要なことは先述しましたが、あくまで前提の部分であって、対象者とインタビュアーが共有した知識・テーマを元に、それをどう膨らませていくかはその場の雰囲気や掛け合いが左右します。
臨機応変に進めつつもここ、大事です。聞きたいことは聞けたのか。起承転結は作れるのか。盛り上がることは良いことですが、ひとつの話題にばかりに寄ってしまっては、記事を作る際に苦労することに。
「これだけは聞く」という軸や、あとで再構成しやすいように、できるだけ幅広い話題でコメントを拾っておくといいですね。逆に偏った方向を戻せなくなってしまうようならば、そこを軸にしてしまうという考え方もあると思います。
繰り返しになりますが、インタビューは生ものなので、その場に行ってみないとわからないことも多々あります。事前の知識が先入観に繋がってしまって、いざ本番、イメージと違う相手に対し戸惑ってしまってはせっかくの準備も逆効果。想定外の流れがあることを、しっかり認識しておきましょう。
出しゃばらない、のほうはケースバイケースかと。インタビュアーとしての自分をブランディングする必要がある方は当然、スタイルを持ち、知ってもらう必要がありますし、また、対象者の口数が少なければ、インタビュアーのトークで聞きたい言葉を引き出さなければなりません。
ですが、基本は受け手・聞き手の姿勢が大事だと思います。いわゆる聞き上手というやつです。気持ちよくしゃべってもらう、これは結果的に文章 (映像) にもにじみ出てくるものです。
この先に編集という作業がありますが、正直、インタビュー時の取れ高がしっかりしていれば、どうにでもなると思います。そこで聞き出せてなかったことを捏造するわけにはいきませんが (そういう話も聞きますが……)、素材があれば大丈夫。
前述したように、仕上がりをイメージできていれば必要な素材も定まりますし、起承転結の組み方も、必ずしも当日の時系列に沿う必要はなく、これも取れ高次第だったりします。
地の文を使ったり、対話形式にしたり、スタイルは多様です。いろんなパターンで試してみて、自分にあった書き方を見つけるのがいいと思います。書き方のスタイルが確立されれば、インタビューの準備や、当日の流れの作り方も変わってくるでしょう。
というわけで、良いインタビューを行うための心がけをまとめると、
最後に、文中でも書きましたが、私の好きなインタビューを紹介させていただきます。
新・人間コク宝
著者:吉田 豪
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(2010-11-18)
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ひとつ目は言わずと知れたプロインタビュアー・吉田豪さんの著書。どれも面白いですが、年輪刻んだツワモノと、プロインタビュアーの準備・スキルがぶつかり合う「人間コク宝」シリーズをぜひ。濃厚です。
もうひとつはNardWuarというカナダのサイトです。その名もNardwuar the Human Servietteというカナダ出身のミュージシャン/インタビュアーが、著名なミュージシャンや俳優、セレブリティーを相手にインタビューする、ビデオインタビューのコーナーがもう、最高です。
その徹底した下調べぶりは毎度インタビュー対象を驚かせ、時に引かせてしまうほど。ちょっとマニアックですが、ある種、インタビューの理想型なのでは、と思ってしまいます。
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今回は "インタビュー" について、思うところを書きたいと思います。良いインタビューにするためには何が必要なのか、いつも心がけていることをご紹介します。
良いインタビューとは?

まずは、インタビューの進め方に入る前に、そもそも良いインタビューというと、どんなものを指すのでしょうか?
- 読者の関心事に応えている
- そのインタビューで初めて明かされる (そのインタビューでしか語られていない) 情報が聞き出せている
- インタビュー対象の、語られていないイメージを引き出せている
ほかにも「テンポの良さ」「インタビューから感じられる雰囲気の良さ」など、"良いインタビュー" を構成する要素は多々あると思います。そんな中で、インタビュー記事を良いものにするための努力として最低限やるべきじゃないかと、私が常々心がけている4つのことを順を追ってご紹介します。
1. 準備は周到すぎるほど周到であること
インタビューは準備で8割方決まる、と言っても過言ではないかもしれません。後述しますが、準備がまったくの無に返すケースもありますので、その場合は8割方その場の対応で決まりますが (笑)。
歌手のインタビューであれば、歌詞の一語一句までしっかり聞き込みたい。「作品を聞いてもらえばわかると思います」なんて言われてしまったら、聞いてないことを指摘されてるのと同じこと。俳優さん、スポーツ選手、企業家や職人さん、何かしら世に残されているもの、その人を語るものがあるはずです。多くの人の目に触れているものは、インタビュアーも知っていることが大前提です。
その上でさらに、深く調べることが出来ていればなお良し。「え? なんでそんなことまで知ってるの?」と、インタビュアーが対象者を驚かせているインタビューがたまにあります。私の知る限り、そういった反応は概ね好印象。いや、むしろ絶対盛り上がりますね。最後に紹介している、私の好きなインタビュアーの方々は、ここを徹底しています。
インタビューをする前に対象者を知ることは礼儀であり、深く知ることはインタビューを成功させ、記事の完成度を高めます。
2. 資料に頼り過ぎない
と、準備の大切さを説いておきながら (笑)。対面でのインタビューならば、普段の会話や商談と同じで、伝えたいことは相手の目を見て伝えたいもの。手元の資料ばかり見て話していたら、対象者の心を掴むことはできないでしょう。
また、資料がまったく役に立たないケースもあります。○○○様などと呼ばれる気難しい女優さんや、ウソばかりつく芸人さんの話を聞いたことがある方も多いでしょう (笑)。インタビューは生ものです。下調べが重要なことは先述しましたが、あくまで前提の部分であって、対象者とインタビュアーが共有した知識・テーマを元に、それをどう膨らませていくかはその場の雰囲気や掛け合いが左右します。
3. 仕上がりをイメージする
臨機応変に進めつつもここ、大事です。聞きたいことは聞けたのか。起承転結は作れるのか。盛り上がることは良いことですが、ひとつの話題にばかりに寄ってしまっては、記事を作る際に苦労することに。
「これだけは聞く」という軸や、あとで再構成しやすいように、できるだけ幅広い話題でコメントを拾っておくといいですね。逆に偏った方向を戻せなくなってしまうようならば、そこを軸にしてしまうという考え方もあると思います。
4. 動じない/出しゃばらない
繰り返しになりますが、インタビューは生ものなので、その場に行ってみないとわからないことも多々あります。事前の知識が先入観に繋がってしまって、いざ本番、イメージと違う相手に対し戸惑ってしまってはせっかくの準備も逆効果。想定外の流れがあることを、しっかり認識しておきましょう。
出しゃばらない、のほうはケースバイケースかと。インタビュアーとしての自分をブランディングする必要がある方は当然、スタイルを持ち、知ってもらう必要がありますし、また、対象者の口数が少なければ、インタビュアーのトークで聞きたい言葉を引き出さなければなりません。
ですが、基本は受け手・聞き手の姿勢が大事だと思います。いわゆる聞き上手というやつです。気持ちよくしゃべってもらう、これは結果的に文章 (映像) にもにじみ出てくるものです。
まとめ
この先に編集という作業がありますが、正直、インタビュー時の取れ高がしっかりしていれば、どうにでもなると思います。そこで聞き出せてなかったことを捏造するわけにはいきませんが (そういう話も聞きますが……)、素材があれば大丈夫。
前述したように、仕上がりをイメージできていれば必要な素材も定まりますし、起承転結の組み方も、必ずしも当日の時系列に沿う必要はなく、これも取れ高次第だったりします。
地の文を使ったり、対話形式にしたり、スタイルは多様です。いろんなパターンで試してみて、自分にあった書き方を見つけるのがいいと思います。書き方のスタイルが確立されれば、インタビューの準備や、当日の流れの作り方も変わってくるでしょう。
というわけで、良いインタビューを行うための心がけをまとめると、
- インタビュー対象者を深く知ること
- 仕上がりをイメージし、必要な素材 (コメント) を聞き出す
- インタビュー本番では、抜かりない準備をベースに
- 自分にあったインタビュー記事のスタイルを見つける
最後に、文中でも書きましたが、私の好きなインタビューを紹介させていただきます。
◆新・人間コク宝

著者:吉田 豪
販売元:コアマガジン
(2010-11-18)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る
ひとつ目は言わずと知れたプロインタビュアー・吉田豪さんの著書。どれも面白いですが、年輪刻んだツワモノと、プロインタビュアーの準備・スキルがぶつかり合う「人間コク宝」シリーズをぜひ。濃厚です。
◆Nardwuar the Human Serviette
もうひとつはNardWuarというカナダのサイトです。その名もNardwuar the Human Servietteというカナダ出身のミュージシャン/インタビュアーが、著名なミュージシャンや俳優、セレブリティーを相手にインタビューする、ビデオインタビューのコーナーがもう、最高です。
その徹底した下調べぶりは毎度インタビュー対象を驚かせ、時に引かせてしまうほど。ちょっとマニアックですが、ある種、インタビューの理想型なのでは、と思ってしまいます。
ライブドアでは読者の心に残るインタビューをコーディネイトできるディレクターを募集しています。
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