こんにちは、櫛井です。

陰と陽、正義と悪、肉食と草食、いつの世も相反する要素というのはありますがいずれも表裏一体ともいえます。今回は、ディレクターとして身に付けておきたい「客観的な視点」について書いてみたいと思います。


客観的な視点はなぜ必要?


Webのディレクターをしていくと様々な役割を求められますが、一番大きな役割は「プロジェクトをゴールさせること」ではないでしょうか。企画だけうまくいっても、開発だけうまくいっても、結局は設定したゴールに辿り着かないことには意味がありません。プロジェクトメンバーには様々な考え方の人が集まりますが、その時にチームを引っ張る力とはなんでしょうか。私は客観的な視点から生まれる説得力であると考えます。

また、自分以外の誰かに「なぜこうなのか」を説明する時にも「え、いいと、思ったから…」では説明になりませんね。あらかじめ様々な視点 (とくに自分とは相反する視点) を想定しておくことで理論武装も可能になるというわけです。


相反する視点で考えること




では、具体的にどういった相反する視点で見るのか、5つほど例を挙げてみます。常に自分はしがらみが何もないフラットな状態でありつつ、本気でその考え方になってみるのがコツです。Webサイト制作をしていくうえでありがちな例と、そういった視点で見ることによってどういった効果が期待出来るのかも書いてみます。

1. ポジティブ・ネガティブ


これはとにかく良いところばかりを列挙してみる、逆に悪いところばかりを列挙してみるというものです。例えば、人気のあるサイトを見て良いところ、悪いところを5つずつ具体的にあげてみるとよいでしょう。

→悪いところを理解したうえで良いところをアピール出来るのは大事ですし、最終的に良いところが欠点を補っていたりすればOKではないでしょうか。


2. 最小・最大


いつだって予定通りに物事は進まないものですが、もしも予定している数よりも少なかったら、想定よりも多い数だったら?というのを本気で考えます。「ユーザーが半年間全然増えなかったら?」「1日に300万人が突然きたら?」「入力フォームにツールを使って文字数制限を超えた情報を入れられたら?」色々と考えられることはありそうです。

→具体的に数値に落としこんで考えておくと対処方法にも当事者意識を持てるはず。半年間流行らなかったら判断は早めにしたほうがいいですし、想定外にアクセスが来た時はどういったフローでサーバを追加するのか、入力フォームのデバッグ方法などあらかじめ考えておけそうです。


3. 善意・悪意


残念ながら世の中は善意だけで成り立っているわけではありません。何かを提供する側は性善説ではなく、悪意を持ったユーザーがいた場合にどういった対処が必要かを考える必要があります。「サイト上で収集した情報を表示する範囲をどこまでにするか」などは明確な悪意を持って見てみると、ちょっと考えこんでしまう場合もありますね。

→普通はやらないだろうけど嫌がらせをしようと思って見た場合にどういったリスクがあるか考えてみて、リスクを把握しておく意味でもよいでしょう。


4. 正しいか・正しくないか


なにか新しいことをしようとする場合、今までに無いことをするわけですから判断に悩むことも多いかと思います。ただ、社会通念上その行為が正しいかどうかというのは常に考えておくべきでしょう。

→ディレクターが軽い気持ちでやっていても、会社の看板を背負って仕事としてやる以上は影響力というものが大きくなります。あなただけの責任で終わることではないことに発展しないか、よく考えてみましょう。


5. 論理的・感情的


ここまでは論理的に2つの視点で来ていますが、これはもう人間である以上仕方がないものも認めようという視点です。論理的に考えて結論はわかっている、だけど俺はこうしたい!と感情的になるのも時にはよいでしょう。直感も時には大事ですよね。

→数字だけで割り切れるほど生きて行くことは簡単ではない、ということです。


おわりに


客観的視点というのは「あの人ならどう思うだろう?」「こういう状況のユーザーならどう感じるだろう」ということを想像することでもあります。また、例で出したように真逆の目線で常に同じものを見てみようとする行為は「こういった考え方もありそうだな」と自分の視野も広げてくれるでしょう。

テキストだけで書くとなかなか難しそうに思えますが、トレーニングで身に付くことですので皆さんもちょっと意識してみてください。

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