こんにちは。YYCとyoubrideのユーザーサポートを担当している伊藤です。
ユーザーサポートをかれこれ7,8年担当してきました。これまで数多くの問い合わせを対応してきましたが、「クレーム」の対応については未だ頭を悩ませることもあります。特にコミュニティサイトでは、苛烈なクレームが届くことは珍しいことではありません。

今回は、私が長年経験してきた中で学習した「クレーム対応術」とでもいいますか、対応へのノウハウを少しでも共有できればと思います。

クレームが届いた場合に心がけるべきこと


1.部分的に謝罪をする


まず不快感を与えたことに対する謝罪をします。落ち度があった、なかったではなくユーザーの期待と、実際のサービスとにギャップがあった点について不快にさせたことをお詫びするようにします。

2.ユーザーの問い合わせ内容をトコトン聴く


ユーザーの話に耳を傾け、熱心に聴きます。事務的にとられないよう、声や表情に出して話を聞きましょう。また、決してユーザーの話を遮ってはいけません。

3.ユーザーに共感を示す


ユーザーの感情を自分のものとして理解するように努めます。共感することで、「分かってくれている」とユーザーの納得感が高まっていくはずです。

「昨日までのキャンペーン、参加したかったのにできなかったんですよ!」

こんな問い合わせがあるとします。いきなりこちらが「詳しい状況を教えてください」と尋ねたのでは、「わざわざ問い合わせたのに、話聞いてるんですか?」と更なるクレームへ発展しかねません。

この場面では・・・

「キャンペーンへご参加できなかったとのことで、大変残念なお気持ちでいらっしゃると思います。」

このような共感の気持ちをメッセージで伝えます。

4.ユーザーの状況を見極める


ユーザーの感情が一度浄化できたところで、どういった状況にあるのかを把握するため、5W1Hを使って適切な質問をします。

[例]

■問い合わせ内容:
  ログインできない。マイページへアクセスできない。

■聞くべき情報:
  -どのような動作ができないのか。
  -使っているデバイス、環境
  -どんなエラーメッセージがどこで出ているか。


■問い合わせ内容:
  マナー違反の利用を見かけたのですが。

■聞くべき情報:
  -どの場所で見かけたか。
  -どの相手か。(ネーム、IDなど特定できる情報で)
  -具体的にどのような行為をしたのか。

5.説明は分かりやすく丁寧に


『こんなことは知っているはず』と思い込まずに、些細なことでも丁寧に分かりやすくご説明しましょう。
例えば携帯ユーザーから「メールが届かない」と問い合わせが届いて、ドメイン指定受信の案内をする場面があるとします。「ドメイン指定受信」といっても特に年配の方は分からない方が多くいます。「迷惑メール防止の設定があります。」と、身近に理解が得られる言い方でユーザーに案内しましょう。

6.クロージングを大切に


最後の締め方はとても重要です。問い合わせしていただいたことに感謝し、ユーザーの顔を立てるなど、余韻のある、心に残るクロージングに徹しましょう。。

以上が対応としてのノウハウになりますが、まずはクレームを事前に防ぐ、クレームを拡げない、といった対策も考えておきたいものです。そのために用意すべき環境について紹介したいと思います。

クレームの予防・クレーム対応に役立つツール


ここまではクレーム対応ノウハウの一例を紹介しましたが、ここからは予めクレームを防ぐために、またクレーム対応を効率化するために、実際にコミュニティのサポートで導入しているツールなどの事例を紹介します。

◆ユーザー環境がわかるような問い合わせフォーム


上述の例でもありますが、感情的なクレームの場合、適切な対応に必要なユーザーの情報が必要不可欠です。その際、問い合わせフォームで予めユーザーの使っているデバイスやIDを入力できるようにしておくことができれば、こちらから相手にみすみす質問を重ねずに対応することができます。

◆電話問い合わせ用の録音機能


電話で問い合わせを受けている場合、電話自体に工夫をしないと1件の問い合わせ時間が膨れ上がってしまい、クレーマーが常連化してしまうことも。中にはどうしても不条理なクレームもあるもの。こんな状況を打開するには下記のようなツールが必要だと考えます。

  • 問い合わせの会話を録音できる機能

  • 録音することのアナウンスを流す機能

  • 問い合わせによって自動音声を振り分けるIVR機能

このようなツールを導入することで、以前は増加を続けた電話問い合わせの「対応時間」も、平均20分以内に抑えられました。

◆同ユーザーからの問い合わせ・対応履歴を紐づけるツール


問い合わせ全体の管理ができていない場合、人的ミスを引き起こす要因にもなります。複数人で一人のユーザーの問い合わせを対応する体制であることが多いと思いますが、この場合、気を付けなければならないのは、前任者との対応状況の引き継ぎです。そもそもがどういう問い合わせをしてきていて、どこまで情報をいただいているか。これらを適切に引き継ぎ可能なツールが必要になります。
一つの問い合わせに対し、現状ステータスの確認、共有化ができるような問い合わせ管理ツールが必須と言えるでしょう。

まとめ


今回共有させていただいたのは、長年のクレーム対応で得られたノウハウのわずか一部ではありますが、「サービスが軌道に乗ってきてクレームが増えてきた」など「これからユーザーサポートの体制を整えよう」という方の参考になれば幸いです。
次回は問い合わせやクレームを実際サービスに反映させるまでのノウハウを共有できればと思います。

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