こんにちは。ティーンズメディアグループ/ブロググループのタルです。

最近私は、サイトの戦略資料を作成したり発表をしたりする機会が多くありまして、そこで感じたこと、学んだことを今回は整理する意味も含めて、事業計画書や企画書など“提案要素の強い資料作成において大事なこと”をあげていってみようと思います。

プレゼンテーションのための資料(スライド)ではなく、あくまで“資料単体としてどう説得力をもたせるか”ということと、また、大それた戦略資料だけでなく、日常でディレクションをしていてちょっとした企画書などの資料作成でも当てはまるようなことを書きますので、資料作成に苦労されている方は参考にしてみてください。


まず悩み過ぎない。とりあえず動き出す


ある程度の主題(いいたいこと、やりたいこと)が決まっているとしても資料としてストーリーを持たせること(形にすること)を考えると、パッと資料の流れ・全貌が浮かぶ人は少ないので、まず悩んで何もしない、ということが往々にしてあります。

頭で考えてもそもそも記憶に限界があるので、進んでもまた思考を戻ったりして効率が悪いです。

頭でストーリーを考えながら白紙のパワポに向かってうなってるのではなく、まとまってなくて気持ち悪くても書き出した方が、私の経験的には圧倒的に早く進みます。

よくスライドっぽい紙に書くといいと言われますが、私はこんな感じのを携帯してるファイルに常に十数枚入れてます。

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先が見えなくてもとにかく動き出す、これは基本です。書いて視覚化することは、そんなの意味ないと思っている人の想像よりも前進する発見が「必ず」あります。

一か所で悩まない。とにかく完成させる。そして他人に見てもらう。


資料作成のプロなら別ですが、正解かどうかわからないのに細部をこだわったりしても意味がありません。例えば提出期限がある場合、期限ギリギリまで使って100%に仕上げて、1回も誰にも見せない、というのは非常に危険です。

一人で考えて考えれば考えるほどなぜかつじつまが合う「錯覚」が起きがちで、その力作を人に見せて意見を聞いたりすると、「ハッ」とわれに返り恥ずかしい資料だった、ってことを私は何度も経験しています。

上司が採決する資料であれば、期限の前に何となく仕上げて意見を聞く方が効率的です。意見をするほうも何もない0の状態で意見するよりも、材料がすでにある状態で意見する方がその材料に対して具体的な意見・方向性を示しやすいので、「とにかく材料をつくる」というのが大事です。

私の場合、一度仕上げた資料をひとの意見を聞いたあと、まったく別の資料にかわってしまうことがしばしばあります。(良いのか悪いのか・・・)

大事なのは「端的な表現」と「グラフ/表」と「イメージ図」


当たり前のことなのですが、いざ取り掛かると説得力のある材料を集めてくるのが難しいことが多く、小手先で手を抜きがちになる部分です。

《一文に対して1グラフ/表》

これは、サイトの状況や競合/市場の状況を説明するときに有効なのですが、基本的にうまく言おうとすることに時間をかけるよりも無理やりにでも数字を持ってくる方に時間をかけるべきです。

「端的な表現」 ← 「数字」

逆に言えば裏付けとなる数字やデータがなければその主張はただの妄想や自己満足になってしまいます。
理屈ではなく、データです。

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直接的なデータがなければ作ります。私が直近で担当しているサービスは10代向けのものですので、特にデータがありません。特にコンテンツ系のサイトでなければ市場規模は計りづらいです。公開されているものが少ないですね。となると、上の(図1)のようになんとなくサイトで起きている状況や想像などの理屈をいっぱい並べてなんとなくな資料が完成して、見る他人からすれば「何が言いたいのかわからない」資料になってしまいます。

そうではなく(図2)のように理屈ではなく、例えば「1行の言いたいこと」と「その理由のグラフ・表」みたいにカッコよくいきましょう。

例えば、公になっていないような市場規模や他社の売り上げ規模や会員数は、人づてに仕入れるか、会社の媒体資料や広告メニュー、会員数などから売り上げ規模を無理やり出すこともやります。そこをなんとなく誤摩化さない、逆にそこだけでもしっかりしていれば、戦略やいいたいこともスムーズに説得力のあるものにかわります。
ですので、データ収集は絶対に手を抜いてはいけません。手を抜いた資料が通るような会社は「あー将来あぶないな」って思った方がいいです。

《主張は端的に、具体策はイメージ図で》

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(図4)のような3点なら3点をそれぞれ一文で、具体的な説明は(図5)のように別ページでなおかつ絵で。(図3)のような詰め込み式は「よくわからん」と言われがちです。また、自信がないと文字で埋めがちですが、そもそも自信がないのはダメですし、(図4)のようにどうどうと端的に主張できるように、資料作成に取り組むことが大事です。

(図4,5)の形に忠実で、個人的に最近いい資料だなぁと思ったのは、2011年8月に公開されたCROOZ社の決算説明資料です。

クルーズ社の資料をほぼ毎回みているとわかるのですが、常にバージョンアップしています。とくにわかりやすさを追求している感じですね。自信がないと1ページに多くの要素を詰め込みがちですが、1ページにいろんな要素を詰め込まないのも大事です。端的な表現がこの会社の自信と勢いを感じさせます。

昨今のIT企業の決算資料は大手SNSのをはじめ、素人の方がみても楽しめる(といってはなんですが)わかりやすいものが増えてきていて資料作成のときに非常に参考になります。

まとめ


  • 悩みすぎず、とにかく動きだす

  • 他人にみせる→修正の時間をとる

  • 1文に対して最低1グラフ/表

  • 主張は端的に。具体策はイメージ図で。

この中で、やはり一番難しいのは「グラフ/表」(いわゆるデータ)を持ってきて主張に紐付けることですが、これをスマートにできるとわかりやすく見た目もカッコいい、しっかりしとした資料になるはずです。逆に、この部分で手抜きやつじつま合わせのごまかしが入ると、ボリュームがあって一見がんばってる資料でも、論理的な思考を持つ人が見れば残念なチープな薄い資料になってしまいます。

また、妥協のない資料作成は必然的に情報収集が大変になり多くのことを学べるので、しっかりできたときにはその分野のスキル向上に大きくつながります。

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