2月14日にオープンした『AM』で編集長をしておりますayaと申します。

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私は、弊社の先輩方がブログでご紹介している「ウェブ開発」という分野では、1年生。日々、勉強中です。
しかし、入社してから4ヶ月経ったある日「ayaさん、女性に向けた恋愛サイトを立ち上げてほしい。ayaさんにすべて任せるから」と事業部長はなにを思ったのか、私に依頼をしてきたのです!
前職は女性誌の編集者。入稿、校了で使用するアイテムは、赤ペン、コピー機、セロハンテープ! ご想像していただけばわかる通り、仕事の環境はまるで違います。新しい仕事スタイルに慣れるのにも大変なのに…と不安を抱きながらプロジェクトがスタートしました。

サイトをつくる目的は、大きくふたつ。
「世の中の恋愛意識をもっとポジティブに変える!」
「弊社に女性ユーザーを増やす」
(※その他にもAMを通じて果たさなければならないミッションは沢山ありますが、スタート時点ではこの2点を特に重視していました)
サイト制作の経緯で、ここには書ききれないエピソードがありますが、最も気をつけたことふたつをご紹介します。
このふたつを徹底したからこそ『AM』がこの世に産声をあげられたのだと思っています。

(1)サイトの軸である「恋は人生だ」のブレない世界観をつくった


「私は、世界観を創造したと思っています。そして、オープンした今も必死に守っています。AMの世界観を守るためなら誰になんと言われようと構いません。私が守ってあげなければ、AMが死んでしまいますから」

昨今、「若者の恋愛離れ」「肉食女子」「草食男子」「リア充」「非リア充」等、恋愛を楽しむ上でノイズになる言葉がメディアによって取り上げられすぎだと感じています。
それらの情報が露出したことにより結果、社会問題とも言える、婚姻数は増えたのか? 若者の恋愛離れはストップしたのか? 答えはノーですよね。

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グラフの通り、婚姻数は、第1次ベビーブーム世代が25歳前後の年齢を迎えた1970年から1974年にかけて年間100万組を超え、婚姻率 (人口千対)もおおむね10.0以上でありましたが、2011年には婚姻数が67万組、婚姻率が概数値で5.5(過去最低)となり、それぞれ大きな減少が見受けられます。

婚姻件数及び婚姻率の年次推移
婚姻件数

(データ1・2引用)
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我々の部署は、こういった社会問題に日々、目を向けてインターネットを通じて何かアクションが起こせないかと考えています。
このことから、『AM』はいちメディアとして「恋愛は楽しい」というシンプルなメッセージを伝え、恋を楽しむ人を増やすという目標を立てました。

そこで、わたしが徹底的に行なったのは、AMの世界観の確立。
他社の恋愛サイトのリサーチと恋愛の分野でご活躍されている、作家さん、コラムニストさん、セックスカウンセラーさんにお会いし、ひとつ重大なことに気がつきました。
それは、「恋愛はおしゃれでスタイリッシュ!」と思えるような恋愛コミュニティが日本にひとつも存在していないということです。

ある有名なコラムニストさんは「恋愛の分野で食べている僕たちは、どこか閉鎖的な世界にいる気がするんだ。男と女、LGBTにとって欠かせない仕事をしていて、社会的に大切な仕事だと思うんだけど」
これらのことから、わたしが創造すべきサイトの世界が決定しました。
オシャレでセンスが良いサイトだ!→恋っていいかも♥
とユーザーの思考をシフトさせることができる世界観。

カップルフォト

では、具体的にどのようにその世界観をつくりあげたのか。

【その1】過去に触れてきた世界観の数がとても多かった

「雑誌オタク」
自分の好きなモードやコンサバティブな世界以外にも、ティーン誌、ギャル誌、ストリート誌、メンズ誌まで、さまざまな世界に触れ、各雑誌で発信されているアイテム、カルチャーを理解するのが大好きな少女でした。世界観を理解し、考えるという癖がついたのは、この趣味から。

「バービー人形」
3才から約10年間、母のバービー人形として活躍。3つ年下の妹と常にお揃いの服を着用し、オシャレをさせてもらっていました。母がつくっていく作品(バービー人形)から「イケてる」「イケてない」の基準があることを学びました。

【その2】世界観を仕事として学んだこと

きちんと「世界観」を仕事として学んだのは、女性誌に在籍しているときです。
「辛くても私についてきなさい。モノの見方が変わるから」とアナ・ウィンターのような素晴らしい感性を持った女性の元で働きました。
掲載するアイテムの選び方、写真の選び方、文章の書き方、言葉の選び方、読者に合った企画の立て方、彼女からすべてを学びました。
彼女が言った通り、私の「モノを見る目」は学生時代から大きく変わったと思います。
(彼女からしたら、まだまだ! もっと頑張りなさいと言われると思いますが)

この2つの経験が『AM』の世界観を創造したベースであり、すべてです。

  1. デザイン

  2. 女性らしいデザインを得意とするデザイナーさんへご依頼。恋愛を彷彿させるピンクはあえて使用せず、恋愛の閉鎖的コミュニティのイメージをデザインで変えようと努力しました。(なぜこのデザインに落とし込んだかはまた機会のある時に)
    wedding

  3. 記事

  4. 全カテゴリで、恋愛のエッセンスを含んだ記事を配信。想定ユーザーである20代〜30代の女性たちが好むネタを選び、彼女たちの日常を想像しながら記事を執筆しています。カルチャー担当のmaririnとは、日々綿密な企画会議をしています。
    (AMのペルソナを簡単に説明すると。首都圏在住、28才。仕事は、事務からキャリアウーマンまで。活発で友人も多く、趣味でなにかしらのコミュニティに所属している。たとえば、ゴルフチームやランニングチーム、定期的な呑み会など。モードなアイテムが好きだけれど、買い物では、リアルクローズを優先。結婚したての人も、彼がいる人も、いない人も、誰かを好きでいるのに積極的)

    記事

  5. ブログ

  6. 「international marriage」「women」「specialist」の3つの角度から恋を絡めたブログを配信。
    くわしくは、2012.02.16UP「AMblogの楽しみ方」をチェック!

    ブログでこだわったのは、主に2点。
    1点目は、ブロガーさんの人選。この人は有名になる! 人気が出そう! という素晴らしい人を発掘するのも編集者の大切な仕事です。周りからは、新規で執筆して頂くなんて交渉も大変そうだし、転載させてもらえるブロガーさんのみで探すべきなのでは? とアドバイスを頂きましたが、そこは譲らず、新規でスタートするブロガーさんにも交渉に行きました。

    そこで大切になってくるのが2点目。『AM』のブログのコミュニティがどれだけ面白いかをお伝えできるか。お会いできてない方もいますが、実際に会い、どんな女がどのような想いでつくっているサイトなのかを知ってもらうことを大切にしました。
    (お相手のご都合でメールが良い場合はメールに。臨機応変に)
    さらに、ブロガーさんがブログを始めることで生まれるメリットもしっかり考え、丁寧な提案をし、双方にとって良いかたちでスタートできるように心がけました。
    (ブロガーさんの基準は、AMで設定してありますがこちらは非公開にさせて頂きます)

    ブログ


  7. コピー&ボディコピー

  8. about am

    「恋は人生だ
    誰かを好きでいる素晴らしさを」

    というコピーと、他サイトではあまり見かけない、ボディコピーを「about AM」に取り入れました。きちんと言葉にすることで、世界観がより伝わると考えたからです。

(2)初心者のウェブ開発


「自分だけで完結する仕事は、夜中と休日に。エンジニアさんとマークアッパーさんの協力が必要な仕事は平日に」

これが私のやり方です。

「ウェブ開発のスケジュールもまともにひけなくて、これでサイトができると思うなよ!」とマークアッパーに叱られたことがあります。

最もなお言葉だと思いました。ウェブ開発の経験がなかった私は、ユーザーの目に触れるコンテンツばかりに力を注いでいました。また、一体何をしたら良いのか全くわからなかったというのも本音です。この指摘のお陰で、サイトがなければいくらコンテンツがあっても意味がない、どちらともきちんとディレクションしなくてはと気づかされました。

そこから、自分の時間を寝る以外は全てAMに注ぎました。もっと良い、器用なやり方があったかもしれませんが、ウェブ開発がわからない私には、そうするしか術がなかったのです。

そこで、徹底したのは、仕事の時間配分。具体的には、コンテンツ作成は夜中と休日に。エンジニアとマークアッパーとつくり上げる「サイト制作」の部分は平日に。平日は、チャットツールでエンジニアとマークアッパーの会話内容を追い、わからない部分があれば調べ、それでもわからなかったら質問をしました。

「こんなことも知らないの?」と何度も思われたと思います。それでも、チームのメンバーは温かく私の経験不足をフォローしてくれました。また、本来彼らの担当でない部分までもカバーしていただき、助けてもらいもしました。彼らと一緒のチームじゃなかったら『AM』は、この世に誕生していなかったでしょう。

サイトの構成書をつくるのもはじめて、管理画面もあまり使ったことがなかったのに制作側に。今思うと恐ろしいことですが、この経験はディレクターとしてひとつ成長できたと思うので大変ありがたかったと思っています。

(3)ウェブサイトの編集長とは


「編集長」ってなんだ。

これは、私が一番不思議で、全くしっくりきていません。
それは、前職でお世話になった出版社の編集長とは、同じ業務もありますが、基本的には違う仕事だと思っているからです。私がサイト制作、運営を通して考えるウェブサイトの編集長が果たすべき業務。優先順位が高い順から並べてみました。
(あくまでわたしが考える順位です)
  1. サイトの安定運営
  2. サイトが病気になったら、PCの目の前にいるユーザーが離れていってしまうリスクが高くなる。そのため、すぐ にエンジニアに事情を説明し、修正依頼をかけなければならない。たとえ、夜中であっても。そのためには、解決策を相談できる相応の知識と常にサイトを母親 のように監視してなければいけない。

  3. マネタイズ
  4. マネタイズを常に意識し、実行に移し結果を出すこと。どんなに素晴らしいサイトを創造したとしても、赤字であれば会社としてやっている意味はない。

  5. コンテンツのクオリティコントロール
  6. サイトは生きている。校了したら終わりではない。記事の検証をして、読者のニーズを知ることが重要。そして次の記事へつなげることが大切。また、記事のクオリティとサイトの世界観をキープすること。

  7. ソーシャルメディアとうまく付き合うこと
  8. 記事とは違い、新たなアプローチで読者の心をつかめるチャンス。
ウェブサイトの編集長は、コンテンツづくりだけに没頭はできないと考えています。サイト全体(ウェブ開発、コンテンツ)を満面なく把握し、お金を稼ぐということを実行しなければなりません(私自身もまだまだ努力中!)。
ゼロから何かを作り上げてくという、わたしたちAMの仕事はとても大変です。
ただ、働いた分だけ学んだ分だけ、自分の糧になることは保証します。AMで一緒に働いてみませんか?ご応募お待ちしております。面接でお会いましょう!(AM編集部ブログ

NHN Japanでは、AMの世界観を好きだと言ってくれる、共感してくれる、ウェブ開発ディレクターと編集アシスタントを募集しています。

(参考文献)
データ1:共生社会政策統括官少子化対策
2 婚姻・出産の状況
http://www8.cao.go.jp/shoushi/whitepaper/w-2011/23webhonpen/html/b1_s2-1-2.html
データ2:厚生労働省
人口動態総覧 前年比較 
4婚姻件数
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suikei11/dl/gaiyou.pdf