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※台北市内でのブロガーイベントでの講演風景。左端が筆者。中央がLINE企画者の稲垣。
(ソース: 賽拉維的秋天「Inside Salon 心得速報」

こんにちは、ウェブサービス本部マーケティングコミュニケーションチームの矢嶋です。「LINE」「NAVERまとめ」ほか、ウェブサービス本部で運営しているサービスのマーケティング業務に携わっています。

このところ、スマートフォンアプリの世界では「日本発・海外」というのが一つのキーワードのように様々なメディアやブログで語られていますが、ありがたいことに、その一事例として弊社の「LINE」を取り上げていただく機会が増えてまいりました。

本ブログでは、「グローバルアプリを生み出すための5つのポイント」というテーマで前後編に分けお話させていただいていますが、今回はその後編となります。(前編はこちら

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 <目次>
  1. (前編)ユーザーニーズの把握と市場への投入タイミング
  2. (前編)「価値性」を武器に戦う
  3. (前編)グローバル対応の手順と勘所
  4. スマートフォンアプリ市場におけるマーケティング
  5. 求められるマインド
  6. 最後に

4.スマートフォンアプリ市場におけるマーケティング


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5つのポイントのうち、4番目はマーケティングに関するお話です。

PCサービスの市場と比べてスマートフォンアプリ市場が特徴的なのは、App Store・Android Marketという2大グローバルプラットフォームが覇権を握っていることです。これらのプラットフォームのおかげで、PCサービスと比べて大幅にマーケティングコストを圧縮できるという利点があります。

PCサービスで海外にマーケティングを行うとなると、現地法人を作り、マーケット調査を行い、バナー広告を打ち、、といったマーケティングコストが多額にかかりますが、スマートフォンアプリの場合は、App StoreとAndroid Marketでランキング上位に入れば、自動的にクチコミで波及・拡散していきます。

そして、流行の兆しが見え始めた段階で、プレスリリースやTwitter/Facebookアカウントを用意し、積極的に情報発信やユーザーコミュニケーションを行うことから始めれば良いと思います。オンライン広告やTVCMなどは芽が出てからで構わないと思います。基本は「PR first、Advertising second」ですね。

LINEの場合は日本国内においてはTVCMなどを積極的に実施していますが、海外ではほぼノンプロモーション、ユーザーのクチコミのみで広がっています。ただし、今後、更に成長スピードを加速させるため、2012年はアジア諸国での広告・マーケティング展開も段階的に進めていく予定です。

参考までにLINEは6ヶ月で1000万ダウンロードを達成しましたが、Twitter/Facebookでは1000万ユーザーを達成するために2年以上要しています。このスピード・ペースは、スマートフォンアプリでなければありえなかった数字です。急速に世界中で加速するスマートフォンの普及に伴い、PCの時代では考えられなかったことがいま起きています。だからこそ、スマートフォンアプリ市場の特徴を抑えたマーケティングを考えることが必要です。

5.求められるマインド


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5つ目は「マインド」です。

これまで述べてきたように、スマートフォンの世界では、まだまだ未成熟市場であり、世界的にこれから普及率があがる状況です。今の先行サービスのシェアを恐れていけません。また、世界共通のニーズを掴んだサービスであれば、簡単に国境を越えていくことができる時代です。

これまで「タイムマシン経営」と揶揄されたように、シリコンバレー発でサービスが生まれて、それが時間差で日本にローカライズされて輸入されてくるのが常でしたが、もはやそういう時代ではありません。日本発でも世界で戦える時代だと思います。

このような素晴らしい時代において、どうせチャレンジするのであれば、最初から世界を目指してみてはいかがでしょうか。

私たちも今まさに、LINEで世界へチャレンジをしています。2012年の目標は世界で1億ユーザーです。私たちのライバルはFacebookです。馬鹿にされるかもしれませんが、私たちはFacebookに勝つことができると本気で信じています。

6.最後に



現在、LINEは海外のメディアやブログでも多く取り上げられ、香港のテレビ局などでは、LINEのステッカー機能をパロディ化したテレビ番組が放映されるなど、様々な反響をいただいています。

また、卑近な例で恐縮ですが、先日、台北市内で開催されたブロガーイベントに招待していただき、LINEに関する講演と取材を受けてきました。その半年前にLINEをリリースした段階では、よもや自分がLINEの紹介をしに台湾に赴くとは全く想像をしていませんでした。

以上のような喜ばしい出来事ばかりではなく、大小関わらず世界各国で発生するトラブルの対応にも追われることもあり、毎日がある種の「お祭り」であるかのような感覚で日々過ごしていますが、TwitterやFacebookで見かけるLINEを愛してくださっているユーザーの皆さんの声が、何物にも替えがたい刺激と励みになっています。

日本のアプリ企画者・開発者の皆さんにとって、我々の事例が少しでも参考になれば幸いです。ぜひ一緒にチャレンジしましょう!

NHN Japanでは共に「日本発・海外」を目指すことのできるディレクターを募集しています。