DragonNest 2011-01-28 17-36-16-03


はじめまして。ゲーム本部の杉浦と申します。

オンラインゲームの運営を長く経験させていただきまして、現在は、海外ライセンスや共同開発など、ゲームタイトルの事業を統括させていただいており、代表作としては「ドラゴンネスト」などに関わっています。

今日は、ドラゴンネストをはじめ、ハンゲームのオンラインゲームで実践されている、オンラインゲーム運営の3つのポイントについてご紹介します。

1. セグメンテーション


1つめは、「セグメンテーション」です。セグメンテーションとは、お客様属性をカテゴリ分け(マッピング)し、どういった感情、どういった行動を行うかをそれぞれにおいて分析し、それらに対して対策を実施することです。
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まず、お客様属性をライト層、ミドル層、コア層と大きく3つに分けます。(もちろん、状況によってはもっと細かく分析することもありますが)
ゲームに初めて触れるお客様は、最初は全員ライト層に属することになります。このライト層のお客様がミドル層、コア層に変化していくわけですが、その変化(成長変化)が、ゲームサイクルとしてきちんと設計されているかどうかがとても重要なポイントです。この設計がきちんと組み込まれていない場合は、開発面、運営面においてどうカバーするかを考えていかなければいけません。

つまり、このゲームサイクルの設計がすべてのベースになります。その上で、「継続要素」と「マネタイズ設計」を、「ライト層」、「ミドル層」、「コア層」それぞれに適した形に組み込まなければなりません。ここの詰めが曖昧だと、あとあとの軌道修正に時間をとられることになります。

2. 今を知る


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2つめは、「今を知る」ことです。当初描いていた事業計画、プロモーション計画など、綿密に計画してゲームをローンチしますが、そのあと、なかなか思惑通りにいかないことが多いものです。そうなった時、当初の計画をいろいろいじる前に、まず「今を知る」ことが重要です。

「今を知る」ために、当たり前ですが、ゲームをプレイします。そのときに見るべきポイントは、お客様行動はどう変わったのか、お客様ニーズは今どこにあるのか、ゲーム内マネーの変化、コンテンツ導線の変化などなど。目標としているKPIの変化を見るのも大事ですが、まずはゲーム内でどういうことが起こっているかを定量、定性的に把握することが重要です。

「今」をきちんと把握せずに、あれこれ画策しても、「間違った課題に対して、正しい答えを探す」ことになるだけなので、まずは、お客様視点で「今」を知る努力が必要です。

3. オリジナリティ


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3つめは「オリジナリティ」です。ひとこと「オリジナリティ」、そう言われても難しいところですが(苦笑)、やはりいずれの企画にも工夫は重要です。コンテンツや施策にどれだけ創意工夫できるかというのが、プロデューサーやディレクターの腕の見せどころだと思います。

ゲームそのものに変化はなくても、お客様の遊び方や感じ方は、日々変化していきます。今日すき焼きが食べたい!と思っても、来週も同じようにすき焼きが食べたいとは限らないですよね?(笑)その感覚と同じなのですが、ゲームの中、お客様は、常に変化しています。運営サイドが構築したゲームサイクルはあるものの、お客様の変化を把握していない状態で、あれこれ企画をしても、なかなか成果は見えにくいものです。もちろん、その企画がうまくいったかどうかの振り返りも行いにくいですしね。

たとえば、同じすき焼きでも、野菜をちょっと変えたり、卵にもひと手間加えたりなど、ちょっとした工夫で、変化を与えることができますよね?お客様の変化を如実に感じ、本質的な課題は何かを見据えた上で、あれこれ企画を練らないと効果は薄いと思います。

以上、3つのポイントについてかなりざっくり書いてみましたが、追究すればするほどもっと複雑なものだったりします。
ただ、そこを突き詰めることが運営の醍醐味でもあり、結果、お客様の反応が顕著に表れれば、運営としての最高のやりがいを感じます。

本当はもっとひとつひとつ深堀して話していきたいところですが、紙面の都合上もあるので、またの機会に…。

最後に、私はすき焼きが好きなわけではありません。どちらかというとしゃぶしゃぶ(豚)が好きです。

NHN Japanでは大規模サービスの運営ポイントをしっかり抑えたディレクターを募集しています。