こんにちは。来月40歳になるヤング谷口です。
これまで約15年Webディレクターをやっており、優秀かどうかは置いといて、関わった案件の“バラエティ”だけは、誰にも負けない気がします。誇ることでもないんですが。
15年を振り返って思ったのは、Webディレクターの領域は広いため、その人の性格に合う案件に次第に向かうようになる、ということです。性格と案件が合わないと長くもたないからです。図にするとこんな感じです。
今回はこちらを解説していきます。ちなみに赤い矢印は私の歩んできた履歴です。
■ どこまで飽きっぽい性格か?
まず横軸の「ロングスパン、ショートスパン」は、一つの案件にかかわる長さです。これは、その人の飽きやすさの程度に関係します。
例えば建設でいうと、青函トンネルは開通するまでに27年かかっています。これを例えば、高田純次のような、飽きっぽそうな人に任せることはできません。本人も地獄でしょう。
しかし、何か一つの事を極めたいか、改善、成長させるのが得意な人にとってみれば、案件がコロコロ変わるよりもじっくりと取り組めます。
Webで言えば、自社サービスの開発は半年〜数年単位になるのに比べ、受託での制作はより短い工期になります。受託でも工期は様々ですが、最も短いのは既存のメディアに掲載する広告やコンテンツの制作です。
自分で言えば、私は究極に飽きっぽく、改善よりは新規のアイデアが好きな人間です。なので、様々な工期を経験しましたが、現在は、広告企画という非常に短期な処で、コロコロと案件が変わるからこそ新規のアイデアも試みやすい、という環境にいます。
■ どれだけお金が好きか?
フレームワークの縦の軸は、クリエイティブ志向か、論理・数値志向かです。
例えば自社のサービス開発であれば、絶えず売上や会員数などの数値を上げることが求められ、あまり奇抜なものを作るとユーザーが離れて自爆します。一方、受託での制作では、クライアントの目的は様々ですし、特に広告のクリエイティブなどは様々な方法で見たことが無いものを作っていかなければ注目を集められません。
つまり、数値を上げていくのが好きなのか、様々なものを作るのが好きなのか、という性格によって、進む方向が変わってきます。
これについては、面白法人カヤックの社長・柳澤さんの「新卒社員のために、受託と自社開発ソフトの違いについて語ろう」という記事も参考になります。
例えば私の場合は、どちらかと言うと色々な物を作りたいタイプですが、売上を上げるのも好きなので、広告企画というある意味どちらにも関係する事業部にいます。
■ SかMか
最後に、サドかマゾかです。案件にもサド案件と、マゾ案件があります。
唐突ですが、サドのSはサービス開発のSだと思います。自らが全てを決めていくサービス開発は、グイグイと自分のペースで押していくサド的な才能が必要になります。
一方、クライアントありきの受託または広告は、マゾ的に様々な要望に答えていく対応力が必要になり、その結果、様々なことが出来るようになっていきます。
私はSMをしませんが、SM作家の団鬼六先生の言葉に、「Sは一芸を極め、Mは多芸に通じる」というものがあります。
これは、攻める方のサドは、自分なりの縛り方を極めていくのに対し、受け手側のマゾは、様々な主人によって開発されるため、受け入れる幅がどんどん広がっていく、という違いがあるからです。
違う例え話をすると、若い女性は、色々な店を知っています。これは、様々な男性に誘われるから、結果として横断的に店を知ることになるのです。
一方、誘う側の男性は、自分のお気に入りの店に誘っているだけで、たいして店を知りません。
これはWebと同じ話で、自分がSな攻め手側に合っているのか、それとも、Mな受け手側に合っているのかを考えた方が良いでしょう。
自分で言えば、私はドMなので、クライアントワークに合っています。広告クライアントという様々な業種と出会えることで、新しい刺激があって飽きません。性的な意味ではなく。
■ 自分の性格を知るには
以上の三軸で自分の性格を見つめれば、自分に向いている仕事がわかる!
というわけではもちろんありません。
というのは、自分が何に向いているかは、人が決めるからです。それが得意かどうかは周囲の方が評価し、周囲の評価が良ければ自分もそれを好きになります。
つまり、結局やってみないとわからないということなのですが、今回ご紹介したフレームワークが、自分はどういう性格なのだろう、と判断に迷ったときのなにかのヒントになれば幸いです。まあ、私もまだ迷っているんですが。
※今回の記事は、第30回WebSig会議「Webディレクターの過去・現在・未来〜これから求められるスキルセット・マインドセット」で講演した内容を記事にしたものです。
NHN Japanでは、様々な性格のディレクターを募集しています。
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