こんにちは。早岡です。
これまでlivedoor Blogやロケタッチのサービス運営に携わってきましたが、その中で、他社・他サービスからサービス・機能連携の提案をいただくことが何度かありました。また逆に、こちらから声をかけて一緒に業務をさせていただく機会もありました。ひとえに「提案」といっても、提案内容や、提案を受ける会社の事情・環境・規模はそれぞれ違うのですが、今回は、これまでいろんな会社・サービスとの共同業務を行った上で、私が気をつけてきたコツを紹介します。
大きく分けて、「提案を受ける前の注意」「ゴール(目標)の設定」「実際のリリースに向けての注意」の3段階でまとめてみたいと思います。
提案を受ける際に注意したいこと
・両社(両サービス)にとってメリットがある取り組みか
・ユーザにとってもメリットがあるものかどうか
・そのメリットは開発・運用工数に見合うものか
・既存サービスへの影響範囲はどうか
こちらから提案する場合、提案を受ける場合の両方に言えることですが、両社にとってその提案がメリットを有するものかどうか、かどうかの見極めが重要です。逆に言うと、メリットがない提案は受ける必要もないですし、一方的に美味しすぎる話には罠があると思った方が良いと思います。メリットは金銭的なものであったり、ユーザ数が増えるなど、いろいろな形があるかと思いますが、そのメリットを受けるために両社の意識が同じ方向に向くことが、取り組みを成功させる要因であるといっても過言ではありません。
また、これも同じぐらい大切なのですが、「費用対効果」を意識することも、実際の作業に入る前には大切です。大幅な開発をしたところで、そこから得られる効果が見合わないものだったりすると、結果的には「それやるより、○○やったほうが良かったんじゃない?」となりがちなので、事前に取り組みを実施するにあたって、どの程度の効果が得られるかの見積りをすることが大切です。
さらに、ディレクターあるあるとしてよく挙げられるのが、先方から仕様変更を求められた内容が、自分たちのサービスに想像以上の影響をおよぼす(特に開発面で)ことです。大した追加開発じゃないと思っていても、その変更が意外とサービス本体に影響がある場合があります。安請け合いしてしまうと大変な場合もあるので、エンジニアなど関係者に確認を取って進めるにこしたことがないですね。
結果を可視化するために!事前に行っておきたいゴール(目標)の設定
・ゴール(目標)は何かを決める
・リリース後の効果・結果に対する指標を決める
各種調整が終わり、実際に作業に入るとなった場合、まず両社での「意識のすり合わせ」が重要となります。私自身も何度か経験があるのですが、どちらか一方の温度感が低い場合、取り組みがうまくいかないことが多いです。「お互いにメリットがある」という前提で取り組みを始めているのですから、温度感を合わせるために「ゴール(目標)の設定」をしてやる必要があります。
目標が決まると、その目標を達成しているかどうかの効果検証レポートが必要となると思うのですが、これ、意外とリリース後に「さて、何をレポートとして出しましょうか」と話すことが多くなってしまうんじゃないでしょうか?リリース後に、後追いで出せない数字もあります。まずは、目標に対しての達成率をウォッチするために、事前に両社で計測する数値などを決めておきましょう。
連携が決まった!リリースに向けて注意したいこと
・両社の意思決定はどこにあるか
・リリースにあたっての関係者の把握
実作業をすすめるにあたって、「最終的に誰に確認を取れば、リリースできるの?誰に決定権があるの?」という問題にぶつかることがあります。現場担当者レベルでOKとしていたものが、たとえばどちらかの会社の役員がOKを出さなかった…なんて、よくある話ですよね。それを回避するために、事前の打ち合わせなどで、両社の最終意思決定がどこにあるのかを確認しておきましょう。
会社組織は本当に様々な形があります。自分の会社と、相手先の会社が同じ組織構造とは限りません。後から「実は部長がダメと言っていまして…」などと切り出し、きまずい思いをしなくていいように、素直に自分の会社の意思決定者を伝えましょう。また同様の問題として、リリースまでに調整が必要な部署(法務・広報など)もある程度は伝えておくと良いですね。大きな会社になればなるほど、決定プロセスに時間がかかり、意外なところでリリースに影響がでる可能性があります。
さて。少し長くなってしまいましたが、いかがでしょうか。
これらを経て「いざリリース!」となるわけですが、リリースは終了ではなく、始まりです。実際に予定したものと違って効果がなかったり、逆に、想像していた以上の反響がでることがあるかもしれません。
普段みなさんはサービス運営をするにあたって、チームがスムーズに業務進行できるようにディレクションをしているかと思いますが、同じことを対他社に対しても行うだけですので、特別に大変なことではないのです。ただ、自社環境と相手の環境が同じではないため、少しの気遣いと確認が必要なだけなのです。あとは何でも安請け合いせず、一度立ち止まって冷静に考えることが求められるぐらいでしょうか。
必ずしも、みなさんが取り組む内容が上記で述べるパターンに当てはまるとは限らないですが、何かの参考になれば幸いです。
NHN Japanでは他社との連携も上手に進められるディレクターを募集しています。
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