www

「ワードサラダがやられたか…」「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」

こんにちは、スパムっぽいタイトルで始まりました。ブログチームでは新人、さいたまのさいとうです。

今回、スパム大好き担当者としてディレクターブログの原稿を依頼されました。簡単に自己紹介をすると、ブログチームに移るまでNAVER検索で3年半ほどスパム対策を担当していました。それ以前も今は亡き検索サイトでスパム駆除をしたり、Webフィルタリングの会社でフィルタリングDBの管理に関わったことがあります。要するに「スパマーの邪魔をするのが大好き」なのです。

一口にスパム対策といっても、スパムにも色々あります。そもそも何を以てスパムと定義するかにも、会社ごとサイトごと時代ごとに少しずつ違いがありますね。

一般に、検索エンジンはスパムに厳しめで、ある程度グレーな領域にも踏み込みつつ、インデックス削除やランキングペナルティ等、様々なペナルティを使い分けます。これに対してブログサービスの場合は、明確に犯罪に結び付くもの(例えばクリック詐欺)であるとか、一晩で1000個開設して10000記事アップロードするようなよほど悪質なケースを除けば、原則として慎重な立場を取っています。

そもそも何故スパム行為をするの?


これは単純で、「スパム行為で儲かる」(と思っている)からです。収入源としては、

・アフィリエイト・広告収入
・SEO
・詐欺


このあたりが主なところでしょうか。実際のところ、どれも対策が進んでおり、多くのスパマーにとって割に合わないものになってきていると思います。

アフィリエイト目的のスパム行為に特徴的なのは、プロアマ比でアマチュアの比率が比較的高いことです。「アフィリエイトで月ウン万稼げる! ネットビジネス! 在宅ワーク!」「私はこの自動投稿ツールで貯金が増えて背が伸びて彼女もできました!」的な売り文句に誘われて、自覚せずにスパム行為に手を出すケースがあります。しかしながら、実際に儲かっているのは自動投稿ツールの販売業者ばかりです。もちろん、きちんと書かれた記事への対価獲得手段としてのアフィリエイト活用は、全く問題ではありません。

SEO目的のスパム行為も昔からあるものの、Googleが「不自然なリンク」の検出とウェブマスターへの警告を開始したことで、今後下火になっていくと見込まれています。実際、弊社のサポート窓口にも、SEO業者のリンクスパム行為に関連した削除依頼が度々あります。そのほかにクリック詐欺など、ユーザを騙して脅してお金を払い込ませるものも存在します。

今回は、代表的なブログスパムを4つご紹介します。

よくあるスパム事例その1:なんだかわからない


ワードサラダ_1

最初期のスパムには、ただ単語を無秩序に並べただけの「ワードサラダ」と呼ばれるタイプが多く見られました。

このようなテキストを貼り付けているだけの記事がたくさん作られました。初期のブログ検索では、どんな無茶苦茶な内容でも、キーワードが含まれていれば新しい順に表示されたため、このような内容で頻繁に更新して検索結果1ページに居座ることができました。そうやって、うっかり開いた人にiframeでアフィリエイトURLを踏ませる(※明確な規約違反)ような手法が、2007年頃まで盛んに使われていました。

よくあるスパム事例その2:わかるけれどわからない


自動生成_1

単語羅列はあっさりスパムだとばれてしまうので、そのうちテンプレート形式で文章を自動作成するタイプが登場しました。あらかじめ設定された文章要素をランダムに組み合わせて、一見するとつながっているような文章を出力するものです。

このタイプはパーツがとても豊富で、伊藤博文以外の歴史上の人物も登場しますし、「オランダ人の多くが」「スウェーデン人の多くが」といった書き出しも存在します。2008年頃から目に付きだして、ピークは過ぎたものの2012年に入ってもまだ目にすることがあります。ほぼ必ずアンカーテキストが存在しており、SEO目的であると考えられています。

よくあるスパム事例その3:盗用コンテンツ


SEO目的と見られる一部スパムの中には、他者のコンテンツを盗用して本文中やサイドフレームにキーワードリンクを埋め込むタイプも発見されています。人の書いた文章そのままなので、検知が難しいタイプです。ただ最近は検索エンジン側でコピーコンテンツ検出が強化されているため、逆SEOになりそうな気がします。
これとよく似たものに、検索用や集客用と銘打って販売されているブログ文章を購入して使うケースがあります。中には大阪弁フィルタをかけて同一文章判定を回避しようとしているケースもありましたが、まあ、遅かれ早かれ検知されるので、やめた方がいいです

よくあるスパム事例その4:あのタレントの◎※動画が流出!


ワンクリ_1

「あのタレントの◎※な動画が流出!」等といった見出しに続く芸能ゴシップ記事の体裁で、「再生はコチラ→」と動画サイトそっくりなサイトに誘導します。動画を再生しようとスケベ心一直線で突き進むと、「ご登録ありがとうございます。あなたは規約に同意して入会しました。さあカネ払え」と表示されるという、これが即ちクリック詐欺です。(参考: この画面が表示されたら要注意! ワンクリック請求の代表的な画面例9種 -INTERNET Watch)
クリック詐欺サイトへ誘導するスパムはもう5年以上前から今の芸風で作られていて、この記事を書いている間も1時間に10〜20個のペースで作られています。このタイプは、速やかなブログ停止が一番の対策ですので、現在、規制強化の施策を進めています。二番目の対策は「うっかり踏んでも慌てず、こちらから連絡を取らない、連絡が来たら内容次第ですぐに警察に相談する」です。皆様ご協力をお願いします


ここまで挙げたものは、私たちがスパム行為に気付いて対策を打ってきたものです。まだ気付いていない巧妙なスパムもあるでしょうが、私たちは影響の大きいスパムから着実に対策を進めていくつもりです。

NHN Japanではスパムに負けないディレクターを募集しています。