こんにちは、ウェブサービス本部の宮澤です。私は現在、自社コンテンツ内で自社のサービスをPRするため自社広告の管理を担当しています。
NHN Japanには数多くのサービスが存在するため、常時20〜30の自社広告が運用されています。自社広告は細かく効果測定を行うことが可能なので、毎週5〜10のバナーを入れ替えながら最適化を図ったところ、コンバージョン率、クリック率など、ほぼすべての指標で広告効果が向上しました。
自社広告の掲載メディアに関しても、livedoor、livedoorニュース、livedoor Blog、NAVER まとめ、各種アプリと多岐にわたっており、今では新規ユーザー獲得のための重要施策の一つとなっています。
今回は100種類以上の自社広告を制作、運用してみてわかった、効果の高い広告クリエイティブを作るためのコツをご紹介します。
まずはLINEの自社広告を例に紹介してみたいと思います。LINEでお馴染みのキャラクター「ムーン」ですが、『笑顔』と『泣き顔』のクリエイティブを両方出して効果を検証してみたところ、『笑顔』のクリエイティブは『泣き顔』に比べ2割ほど高い効果を得ることができました。。
両クリエイティブは『スタンプで気持ちを伝える』という訴求ポイントに沿って制作を行ったのですが、一見して楽しい印象を受ける『笑顔』の方がより閲覧者の興味を引けたのだと思います。
皆さんも楽しいことがあった時は家族、友達、恋人に思いを伝えたくなりませんか?かく言う私も家族とのコミュニケーションによくこのスタンプを送っています。
PRしたいアプリ、サービスにあったフォントを使うことでも効果を上げることができます。NHN Japanでは怖い話を取り上げたアプリも展開しており、プロモーションのために自社広告を制作、運用していました。下のバナーはそのプロモーションの際に使ったクリエイティブなのですが、掲載当初はあまり調子がよくありませんでした。
そこで、フォントを下記のようにより怖くしてみました。
すると、みるみるクリック数は上昇し、変更前の3倍以上に。イラストがなく、文字だけのシンプルなクリエイティブながら、おどろおどろしくも感じられるタッチのフォントが本プロモーションのテーマとも合い、見ている人たちの「怖いもの見たさ」を刺激出来たのがクリック増の要因だと思います。
フォントによって効果が現れた例は他にもあります。
ゲーム系のサービスに誘導するための自社広告ですが、通常フォントではあまり数値がよくなかったので、実際にゲームで使われているようなドットフォントに変更してみたところ、クリック数は変更前の2倍になりました。
ドットフォントにするだけで見た目がレトロゲームのような雰囲気になり、ゲームに興味のある人や、昔ゲーム好きで懐かしさを感じた人達の心を掴めたのではないでしょうか。
多機能なアプリなどをリリースすると、ついつい広告コピーにもその魅力を盛り込みたくなりますが、長々と文章を入れるのは避けたいところです。基本的に、広告が視認されるのはほんの一瞬です。広告制作を行う側としては、その一瞬の間に閲覧してくれる人に興味を持ってもらい、広告をクリックしてもらわなければなりません。
人間が一瞬で視認できる文字数というのには限りがあるので、一番の訴求ポイントを端的にキャッチコピーで表現した方が関心を引く可能性は高いです。特にスマートフォン向けの広告は、PC向け広告よりもサイズが小さいので、文字数が多いと何が書いてあるのかわからなくなってしまう可能性もあります。
上のバナーで言うと訴求ポイントがいくつもあり伝わり辛いですし、文字が多いためユーザーもなかなか読む気になりません。逆に下のバナーは訴求したい「無料通話」というポイントが端的に伝わります。
どうしても他にも押したいポイントがある場合には、バナーではなくランディングページでじっくりと説明するのがベターだと思います。限られた文字数でいかに閲覧者の興味を惹けるかが制作サイドの腕の見せ所で、苦しくもあり、楽しくもある部分です。
とにかく見ている人に「何だろう?」と思わせてバナーをクリックさせるのもよい方法です。以下のバナーは通常のクリエイティブよりも高い効果がでたキャッチコピーです。
このバナーは肩の力を抜いて読めるエンタメ系ニュースリーダーアプリの広告ですが、端的でインパクトのある言葉ということで「最強バカアプリ0円」のキャッチコピーが生まれました。
このキャッチコピー自体からは何のアプリ(サービス)についての広告なのかすぐには想像がつきませんが、『何となく気になる』状態を作ることができます。人は誰しも気になることには答えを求めたくなるもので、こういったバナーもクリック数が伸びやすいです。(TVCMで見かける「続きはWEBで」も同様の手法ですね)
「3. キャッチコピーの鉄則。端的に!」の項でも説明しましたが、広告バナーが閲覧されるのは基本的に一瞬なので、時にはインパクト勝負なキャッチコピーも効果的です。とはいえ、いくらインパクトを出したいからといって、メインとなるアプリ(サービス)に関係のないキャッチコピーを採用してはいけません。クリエイティブとアプリ、サービスに乖離が生じてしまえば、閲覧者から単なる「釣り」だと思われてしまう危険性があります。
効果の高い広告プロモーションは一朝一夕で出来るものではありません。プロモーションしたいアプリ、サービスの特性を良く理解して、それをどのように表現するか日々トライアンドエラーを繰り返しながら最適化していくしかありません。社内の風通しをよくして、企画、制作、運用が三位一体となってPDCAサイクルを迅速にまわしていける協力体制を作ることこそが成功への近道ではないでしょうか。
NHN Japanでは自社のサービス全てに関わりたい!という欲張りなディレクターを募集しています。
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NHN Japanには数多くのサービスが存在するため、常時20〜30の自社広告が運用されています。自社広告は細かく効果測定を行うことが可能なので、毎週5〜10のバナーを入れ替えながら最適化を図ったところ、コンバージョン率、クリック率など、ほぼすべての指標で広告効果が向上しました。
自社広告の掲載メディアに関しても、livedoor、livedoorニュース、livedoor Blog、NAVER まとめ、各種アプリと多岐にわたっており、今では新規ユーザー獲得のための重要施策の一つとなっています。
今回は100種類以上の自社広告を制作、運用してみてわかった、効果の高い広告クリエイティブを作るためのコツをご紹介します。
1. 笑顔 VS 泣き顔
まずはLINEの自社広告を例に紹介してみたいと思います。LINEでお馴染みのキャラクター「ムーン」ですが、『笑顔』と『泣き顔』のクリエイティブを両方出して効果を検証してみたところ、『笑顔』のクリエイティブは『泣き顔』に比べ2割ほど高い効果を得ることができました。。
両クリエイティブは『スタンプで気持ちを伝える』という訴求ポイントに沿って制作を行ったのですが、一見して楽しい印象を受ける『笑顔』の方がより閲覧者の興味を引けたのだと思います。
皆さんも楽しいことがあった時は家族、友達、恋人に思いを伝えたくなりませんか?かく言う私も家族とのコミュニケーションによくこのスタンプを送っています。
2. テーマに最適なフォントでハートを掴む
PRしたいアプリ、サービスにあったフォントを使うことでも効果を上げることができます。NHN Japanでは怖い話を取り上げたアプリも展開しており、プロモーションのために自社広告を制作、運用していました。下のバナーはそのプロモーションの際に使ったクリエイティブなのですが、掲載当初はあまり調子がよくありませんでした。
そこで、フォントを下記のようにより怖くしてみました。
すると、みるみるクリック数は上昇し、変更前の3倍以上に。イラストがなく、文字だけのシンプルなクリエイティブながら、おどろおどろしくも感じられるタッチのフォントが本プロモーションのテーマとも合い、見ている人たちの「怖いもの見たさ」を刺激出来たのがクリック増の要因だと思います。
フォントによって効果が現れた例は他にもあります。
ゲーム系のサービスに誘導するための自社広告ですが、通常フォントではあまり数値がよくなかったので、実際にゲームで使われているようなドットフォントに変更してみたところ、クリック数は変更前の2倍になりました。
ドットフォントにするだけで見た目がレトロゲームのような雰囲気になり、ゲームに興味のある人や、昔ゲーム好きで懐かしさを感じた人達の心を掴めたのではないでしょうか。
3. キャッチコピーの鉄則。「端的に!」
多機能なアプリなどをリリースすると、ついつい広告コピーにもその魅力を盛り込みたくなりますが、長々と文章を入れるのは避けたいところです。基本的に、広告が視認されるのはほんの一瞬です。広告制作を行う側としては、その一瞬の間に閲覧してくれる人に興味を持ってもらい、広告をクリックしてもらわなければなりません。
人間が一瞬で視認できる文字数というのには限りがあるので、一番の訴求ポイントを端的にキャッチコピーで表現した方が関心を引く可能性は高いです。特にスマートフォン向けの広告は、PC向け広告よりもサイズが小さいので、文字数が多いと何が書いてあるのかわからなくなってしまう可能性もあります。
上のバナーで言うと訴求ポイントがいくつもあり伝わり辛いですし、文字が多いためユーザーもなかなか読む気になりません。逆に下のバナーは訴求したい「無料通話」というポイントが端的に伝わります。
どうしても他にも押したいポイントがある場合には、バナーではなくランディングページでじっくりと説明するのがベターだと思います。限られた文字数でいかに閲覧者の興味を惹けるかが制作サイドの腕の見せ所で、苦しくもあり、楽しくもある部分です。
4. 「何だろう?」と思わせたら勝ち
とにかく見ている人に「何だろう?」と思わせてバナーをクリックさせるのもよい方法です。以下のバナーは通常のクリエイティブよりも高い効果がでたキャッチコピーです。
このバナーは肩の力を抜いて読めるエンタメ系ニュースリーダーアプリの広告ですが、端的でインパクトのある言葉ということで「最強バカアプリ0円」のキャッチコピーが生まれました。
このキャッチコピー自体からは何のアプリ(サービス)についての広告なのかすぐには想像がつきませんが、『何となく気になる』状態を作ることができます。人は誰しも気になることには答えを求めたくなるもので、こういったバナーもクリック数が伸びやすいです。(TVCMで見かける「続きはWEBで」も同様の手法ですね)
「3. キャッチコピーの鉄則。端的に!」の項でも説明しましたが、広告バナーが閲覧されるのは基本的に一瞬なので、時にはインパクト勝負なキャッチコピーも効果的です。とはいえ、いくらインパクトを出したいからといって、メインとなるアプリ(サービス)に関係のないキャッチコピーを採用してはいけません。クリエイティブとアプリ、サービスに乖離が生じてしまえば、閲覧者から単なる「釣り」だと思われてしまう危険性があります。
効果の高いプロモーションには迅速なPDCAサイクルが重要
効果の高い広告プロモーションは一朝一夕で出来るものではありません。プロモーションしたいアプリ、サービスの特性を良く理解して、それをどのように表現するか日々トライアンドエラーを繰り返しながら最適化していくしかありません。社内の風通しをよくして、企画、制作、運用が三位一体となってPDCAサイクルを迅速にまわしていける協力体制を作ることこそが成功への近道ではないでしょうか。
NHN Japanでは自社のサービス全てに関わりたい!という欲張りなディレクターを募集しています。
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