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こんにちは、広告事業部に所属するディレクターの阿部です。今回は、分かりやすい媒体資料を作るためのポイントを紹介します。

私が所属する広告事業部は、NHN Japanのサイトやサービスに対して広告を誘致するための部署です。つまり、広告主に広告出稿先として、LINEやNAVER、livedoorをチョイスさせるのが私の仕事です。広告の出稿先候補として、広告主へ媒体を紹介する時に必要になるのが、媒体資料(あるいはMedia Sheet)と呼ばれるものです。この記事では特に、ウェブサイト、ウェブサービスをリリースしたけれど、どうやって広告収益化するか資料の作成に思案しているウェブディレクターさんに向けて、広告媒体資料について解説します。

資料は大きく2つの章立てで構成


広告媒体資料は、2つに分割した章立てで構成するのが良いでしょう。例えば、資料の前半は、そのサイトやサービスの自体の紹介、後半は広告枠の紹介、といった構成です。さらに詳細な台割となると、次のようになるでしょうか。

(A)サイト、サービス自体の紹介
 A−1 概要、さわり
 A−2 PV、UUなどでみる規模や成長率
 A−3 サイト、サービスを構成するコンテンツ
 A−4 サイト、サービスを利用するユーザーの属性、傾向

(B)広告商品の紹介
 B−1 枠広告商品の紹介(バナー広告など)
 B−2 企画広告商品の紹介(記事タイアップ広告など)

広告出稿を獲得するためには、出稿先のメディアがいかに魅力的なメディアであるのかを広告主へ伝える必要があります。膨大なページビューやユーザーを抱えているメディアであれば、A−2 のような「PV、UUなどでみる規模や成長率」という項目は外せないでしょうし、特定の領域・分野に特化したメディアであれば、A−4 サイト「サービスを利用するユーザーの属性、傾向」などを打ち出すのも効果的でしょう。


これまでに類のない言論メディアである「BLOGOS」は、その新しさ故に説明が必要です。そこでサイト、サービスを構成するコンテンツを紹介するページを用意しています。
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livedoorが運営する映画ファンのためのニュースサイト「MOVIE ENTER」では、独自アンケートの結果をもとにMOVIE ENTERの平均的なユーザーイメージを作成、媒体資料に加えています。
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プロモーションしたい商材をより多くの人に見てもらいたい、と考える広告主であれば、PV・UUは意識してチェックします。一方で、プロモーションしたい商材がニッチである場合は、広告の露出量よりも、よりセグメントされたユーザーが滞在するメディアへの出稿を検討するでしょう。

媒体資料の後半には広告枠のスペックを記載します。例えばバナー広告の場合のスペックは、露出回数(impression)、掲載面、掲載期間、入稿原稿の形式、入稿期限、そして価格といった内容が一般的です。このほか様々なスペックを記載するのも良いでしょうが、一方で「複数のメディアを並べてみて出稿先を検討したい」という広告主も多いですから、ここはWeb広告業界の表示的なスペックリストに併せて記載しておくことをオススメします。

livedoorのバナー枠の商品紹介ページ。枠の名称、価格、露出回数(impression)、掲載面、掲載期間、入稿原稿の形式、入稿期限などを記載しています。
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媒体資料は広告主への紹介状


媒体資料はそれだけで独立した資料であるべきです。いつの場合も広告営業マンが資料を携えて、広告主へ媒体の説明をすることができるとは限りません。資料は一人歩きしますし、「自分は知らないけど、なんか周囲が騒いでいるから広告担当として“NAVERまとめ”ってメディアの媒体資料を見てみるか・・・」なんて積極的に知るつもりはさほど無い、という人が見てもどんなメディアであるか正しく理解することができるような資料であるべきでしょう。

サービス自体がイノベーティブである「NAVERまとめ」の場合、メディアとしての特性がサービス提供側の意図したとおり正しく伝わらないこともあります。そこで「NAVERまとめ」の媒体資料ではサービスが登場するに至った背景から、まとめサイトを一言で伝えるようなページも追加しています。
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また、媒体資料はそのメディアの世界観を伝えるという機能もあります。資料のトーンがメディアとリンクしていると、よりメディアのイメージが伝わりやすいのではないでしょうか。

LINEの広告媒体資料をリリースしたのは2012年の6月です。2012年6月時点でもLINEは国内で1,800万人、世界では4,000万人と非常に多くのユーザーを抱えていましたが、広告業界への認知はまだまだでした。総ユーザー数が1億人を超えた2013年1月現在のように、若年層だけではなく4-50代の企業の広告担当の方すらも「LINE使っていますよ、それでなんですが、LINE POPの攻略法ってありませんか?(笑)」と、打ち合わせの席で尋ねられるほど浸透度は高くありませんでした。

そこで、LINEというサービスがどのようなものであるか?登場の背景になにがあるのか?広告、マーケティングへの有効な利用法とは?などの情報をLINEの世界観と併せて資料にする必要がありました。LINEの広告媒体資料では、おなじみのLINEキャラクター、ブラウン、コニー、ムーンなどを登場させ、LINEカラーのグリーンを基調に資料を作成しました。

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Web広告の媒体資料は4半期ごとに版を刷新するのが慣例となっています。雑誌など他のメディアと異なり、サイトトラッキングツールでユーザー数の推移がリアルタイムに把握することのできるWebならではの習慣ではないでしょうか。LINEやNAVERまとめ、livedoorの最新の媒体資料はこちら(http://linecorp.com/ads/)から閲覧することができます。



NHN Japanでは、NHN Japanの持つメディアの広告企画を担当してくれるディレクターを募集しています。割と切実です!