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photo: METI Buildings by Dick Thomas Johnson

こんにちは、ウェブサービス本部の鳴海です。

突然ですが、あなたが24歳男性だったとすると、同い年の年男は日本全国で何人いるでしょう? また36歳男性には、同じく年男の同級生は何人いるでしょうか?

答えは、24歳男性が64万人、36歳男性が87万人。実は、世代間で20万人以上の差があります。また、今年の年男・年女世代の中で、最も人口の少ない12歳女性(57万人)と最も人口の多い48歳男性(89万人)では1.5倍以上の開きがあります。最近、身の回りに小学生の女の子よりも中年男性の方が多いなと思っていましたが、気のせいではなかったようです。

同級生の人口なんて普段意識することはないですが、仕事をする上ではたまに大事だったりします。いま自分が手がけているサービスのターゲットはどの層で、人口で言えばどのくらいの規模なのか、前後の世代に比べてどのような傾向があるのかなどは感覚的に掴めているといいですね。

意外と使える官公庁の統計データ


そんなときに役に立つのが官公庁の統計データです。探しに行けばけっこう便利な情報がたくさんあります。上記の年男年女の人数に関する諸々の数字も「統計局」という官庁のホームページに掲載されていたものです。

統計局では実に多様な統計調査を行なっているため、一つ一つがどんな内容のものか把握するのが大変です。そこでわざわざ毎月1回、旬なデータをピックアップして「統計トピックス」というコーナーで解説してくれています。昨年のこどもの日には「子どもの数」を、科学技術週間には「企業等の研究費」を取り上げて、面白い数字をかいつまんで紹介しています。月に1回更新されるトピックだけでも購読してみてはいかがでしょう。いろいろな発見があると思います。

ちなみに、昨年5月の「子どもの数」というトピックを見ると、子ども(15歳以下)の人数は1665万人、人口に占める割合は13.0%であることがわかります。一方で65歳以上は23.7%。このまま行くと、数年後には高齢者が子どもにダブルスコアをつけそうです。もし「子どもが少なくなっている」あるいは「高齢者が多くなっている」ことを説明したい場面があったら、使えそうな数字ですね。

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我が国のこどもの数 -「こどもの日」にちなんで-」より。グラフもあるのでわかりやすい。


こんな具合に官公庁のデータには仕事に生かせそうなものがたくさんあります。しかし何がどこにあるかわからないという方のために、今回は基本的なものをおさらいしてみたいと思います。前置きが長くなりました。

「◯◯な人ってどれくらいいるの?」は人口推計


たとえばですが、全国の15歳〜24歳をターゲットにサービスを企画するとしましょう。とりあえず、いま何人いるのでしょうか。そういうときは統計局の「人口推計」を見てみます。

統計表の中の「年齢(各歳)」を見ると各年齢の人口が、「年齢(5歳階級)」を見ると5歳区切りで人口がわかります。ちなみに2011年10月時点では15歳〜24歳の人口は1245万人でした。さらに違う切り口で、全国に高校生は何人いるんだろうと思ったら、文部科学省の統計が便利です。「学校基本調査」という資料を見ると、2011年時点で335万人だったことがわかります。

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インターネットの利用状況は総務省へ


総務省が発行している「情報通信白書」ではインターネットの利用動向についてまとめられています。ネット利用者の数は? 人口における割合は? 誰がどんな目的でネットを利用しているの? ECサイトで商品・サービスを購入するときにはどんな支払方法を選んでいるか? といったといった基本的な項目が揃っています。たとえば以下のような感じです。

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情報通信白書「インターネットの利用状況」より


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情報通信白書「インターネットの利用目的」より


ざっくりとした情報を知るには十分で、さらに詳しい情報や具体的な数値が必要な場合は、白書作成の元となった基本調査の資料をたどれます。白書の各ページからリンクされているので大変わかりやすいです。

ネットにおけるビジネス動向は経済産業省


インターネットユーザーの現状や行動については総務省が調査していますが、企業の営業活動は経済産業省の統計で調べられます。「電子商取引実態調査」を見ると、日本のECサイトの市場規模や成長率、商取引全体における“EC化率”、さらにアメリカ、イギリス、中国、フランス、インドネシアなど海外の状況もわかります。

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「電子商取引実態調査」より、日本のEC市場の推移


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「電子商取引実態調査」より、6カ国でECを週に1〜2回以上利用する人の割合(2011年)


これを見ると、2011年の日本のEC市場(BtoC)は8兆5000億円。毎年継続的に成長していることがわかります。一方でそれでもまだ全体の商取引の2.83%しかEC化がなされていないようです。まだまだ成長の余地はあるんでしょうね。海外では中国の人が頻繁にECを利用しているようです。

消費に関しては統計局の「全国消費実態調査」も素晴らしい資料です。これはオンライン/オフラインにかかわらず、誰が何に毎月いくらお金を使っているかがわかる資料です。20代と30代ではウィスキーとワインの消費にどのような違いがあるのか、洋服をたくさん買っているのは何歳の男性あるいは女性なのか、あるいはもっとつっこんで「夫婦と子供が2人の世帯で、長子が2歳以下の幼児」の場合は毎月何をどれだけ消費しているか、といった細かすぎる数字もわかります。

最後に


いろんな統計が各省庁のサイトに遍在していて、探すのが面倒という方は、こうした統計情報をひとまとめにしたサイト「e-Stat 政府統計の総合窓口」が便利です。

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ここで紹介した以外にもたくさんの統計データがありますので、たとえば検索窓に「ソーシャルメディア」「ネット広告」「スマートフォン」「ブログ」などお好きなキーワードを入れると、いい感じのデータが見つかるかもしれません。


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