こんにちは。情報コンテンツの課金サービスを担当しているlawです。

テクニカルなノウハウが多いディレクターブログ、今回は趣向を変えて、日々の業務の中でストレスを溜めがち!というディレクターのあなたのために、ポジティブ脳に切り替えるための思考法をお伝えいたします。

コミュニケーションが仕事の大半を占めるディレクターの職業柄、自分のミスへの自己嫌悪や、コミュニケーションの中で起こる摩擦等で悩む人は多いのではないでしょうか?うまく気持ちを発散できる人には今回のエントリーは不要かもしれませんが、繰り返す事で考え方の自分の癖を改善する方法をお伝えします。

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(Photo: Close up of The Thinker by Brian Hillegas)

よくあるディレクターのストレスケース


ディレクター歴4年の田中良音(たなからいん)さんは、パートナーへの新しいビジネスモデルの提案の資料作りとサービスの定期的な更新のタスクが重なり、焦燥感に駆られています。

折しも時期は4月、新入社員のOJT担当になったことで先輩として見本にならなくてはいけないというプレッシャーも感じているようです。しかし、そんな中で定期更新のタスクで多くの修正が発生し、思っていたよりも調整に時間がかかりました。

残業をして資料を作っても、なかなか期待通りのものが作れず、追い打ちを掛けるような自分のミスの多発でストレスの極限のようです。

ストレスの元を自分なりに分析してみる


Step1. 状況を整理し、感情を自分なりに数値化する


自分がストレスの元だと思っているできごとを文章に起こしてみます。それに対し、どのような感情が起きるかをざっくりと自分基準の数値にしてみます。数値は自分基準です。田中さんは100点を上限に設定してみました。
例)仕事が忙しく、とにかく色んな事をするにも時間がなくて困っている。
更に普段はしないようなミスをしてしまい、後輩の見本にもなれない自分が情けない(焦り:90)
時間は無限に欲しいですね…。焦る気持ちもわかります。

Step2. 状況に対する印象を書きます


Step1の状況が起きたときにどんなイメージがわいたか、どんな考え方をしたかを書きます。
例)ビジネスモデルの提案は大きな案件に繋がる可能性があるので優先度が高い!
しかし、定期更新のタスクは止めることができないしどうしよう。
ミスをして叱られているところを見られるのは恥ずかしい!
仕事が進まないことだけじゃなくて、恥ずかしさもあったようです。

Step3. 気分・感情を箇条書きにする


Step2の状況に対する印象を考えている時に起きる感情を箇条書きにします。この感情を軽減するのが分析の目標となります。
例)焦り、イライラ、不満、悲しい、情けない
がんばれ、田中さん…!

Step4. 自分がとった行動をまとめる


Step3の気持ちの時に実際どういう行動をとったかを思い出して書きます。
例)イライラとした空気を回りに出してしまう。
もう、大人の余裕もありません。

Step5. ストレスが自分の体調に影響したことをまとめる


瞬間的なストレスでは感情に影響するほどもなく沈静化すると思いますが、ネガティブな思考が収まらない時は必ず原因があります。長期にわたるストレスはもちろん体調にも影響してきますので、その時にどのような変化があったかを書きます。
例)無気力、モチベーション低下、怒りっぽくなる
にんげんだもの。

分析を踏まえて、実際にどう対処していくか


前の項目にあったStep3の感情が引き起こされることでストレスを感じるので、この感情が収まるための理由付けを事実に基づいて判断していきます。

本来誰かに見せるものではないので、自分の気持を納得できるまで細かく書いていきます。何から書いていいかわからない場合は、最初に状況から時系列に話を書き、その都度起きる問題を解決するように書いていくのもいいと思います。

田中さんは以下のように分析してみました。
時間がないので焦るのは当然。恥ずかしいと思うのは先輩としてのプライドがそうさせている。自分のことを不甲斐ないと感じるのもプライドが傷ついたから起こる感情で、そのことが悲しさを誘発している。つまり、自分の面目が守れればこの感情は起きなくなる。本来の落ち着いていた頃の自分であればこのようなミスはなかったはず。

では問題はなんだろうかと考えると、睡眠時間を削って資料作成に当てていたのもあり自己管理しきれていなかったところに原因の一つはありそうだ。そこまで時間を作れなくなったきっかけは何かと思うと、パートナーへの資料提示の期日を正確に見積もり切れていなかったのではないかということに気づいた。定期的な更新の通常のスケジュールは見積もりに含んでいたものの、修正が起きるというマージンを取っていなかったことが問題だった。

いつもならしないミスをしたのは新しい環境(OJT)へのプレッシャーもあったかもしれないが、結局はスケジュールの見積もりが甘かったのと、周囲への情報共有、例えばヘルプを頼むなど…が欠如してしまっていたため引き起こされたストレスだった。
順序立てて問題を整理することで、この状況に自分なりに納得ができた田中さんは悩んでいたストレスを受け入れました。原因がはっきりすれば、次回は同じ事を繰り返さないと心に決めることですっきりしますね!

このように導き出した考え方を言い聞かせてみて、負の感情が治まれば対処としては正しいことができていると言えます。ただ気をつけないといけないのは、こじつけで感情を押さえつけ無理に自分を納得させたり、事実を曲げて感情を押さえ込むのでは根本的な解決にはなりません。

腑に落ちないな…と感じた時は、流れを逆に辿って、チェックしている項目の前後の関係が結びついているかどうか、足りていない情報がないかを再度探し直します。

最後にまとめ


この手法は認知行動を学んだ時に教わった方法になります。サンプル用に作成した問題解決シートのPDFをアップしましたので、気になった方はダウンロードして試してみてくださいね。
[PDFはこちら]

▼参考:認知行動療法 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/認知行動療法

基本的に考え方の整理法なので、ストレスを感じやすい人は状況を整理して考える事を繰り返すうちに、ストレスに強い考え方にも変わっていきます。もちろん自分の事でも使えますが、仕事の同僚や友達が悩んでいた時にも同じ手法でストレスの原因を探ってあげることもできます。

客観的な思考ができるようになる事で、業務の中でも主観になりがちな所を多角面から判断する癖がつくのでおすすめです。私の場合は、ランチや就業後の時間に同僚や友人と相談をすることで、たくさんのストレスを溜めすぎずにいられます。

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