こんにちは。元ディレクターブログ編集部員のモリウチです。
5月末でLINE株式会社を退職いたしましてこのエントリーが置き土産となりました。
Webディレクターのみなさんプレゼンテーションをしていますか?ここで言うプレゼンとは
・制限時間内で
・決まった(決めた)テーマについて
・何らかの準備をして
・複数人に発表する
ことを指します。
“プレゼンテーション” と言うと、スティーブ・ジョブズによるキーノートやTEDのような社会への提言とか、偉いひとがドヤ顔でサービス自慢するためにする発表とか、凄腕エンジニアが会社の枠を越えてスキルをOpen&Shareし合う発表とか、、そのような対外的で特別なものだと思っていませんか?
もしくはクライアントやパートナーに営業・提案・コンサルするときに必要なスキルで、自社サービスの企画や開発・運営には必要ないものだと思っていませんか?
今回は、比較的プレゼンの機会の少ないWebディレクターへ向けて、社内でプレゼンを行うことのメリットとそのためのノウハウについてお伝えしたいと思います。
社内プレゼンテーション
私の在職中に弊社では以下に紹介するような機会をはじめとして、多くの社内プレゼンを行うチャンスに恵まれました。
ホーフニングトーク
ディレクター全員(数十名)参加の新年の抱負Lightning Talk大会でした。(Lightning TalkはWikipediaによると、カンファレンスなどで行われる短い数分程度のプレゼンのことです。)
関連記事:自分の目標 (抱負) をプレゼンしあう "HoufuningTalk" を行いました : LINE Corporation ディレクターブログ
http://directorblog.jp/archives/51579968.html
プロダクトジャム
事業部キックオフを各チームリーダーのプレゼンショー仕立てにしてみました。スピーカーは机なし・マイク無しのジョブススタイル!
関連記事:座って聞いてるだけだった「事業部キックオフ」を"祭り"に変えるまで : LINE Corporation ディレクターブログ
http://directorblog.jp/archives/51668895.html
新サービスプレゼン大会
上記プロダクトジャム内での3分間で新サービスを紹介するわくわくドキドキのコーナー。
ADMIN Nite
各サービスの担当者がユーザーには見えない、サービス運営者のみが閲覧する「管理画面」について熱く語り合うマニアックな勉強会のオープニングトークです。
チーム内アイデア発表
また私がリーダーを務めていたニュース開発チームでは、ディレクター・エディター・エンジニア・デザイナの職種に関わらず現場の意見やアイデアを主体的に出し合う場を定期的に設けました。
社内プレゼンテーションの効能3つ
さて、上で例を挙げたような弊社内でのプレゼンはどれも内輪での公開、内輪向けの内容のものです。新しい受注を生み出したり、サービス認知向上につながるものでもありません。むしろこんなことやらなかったほうが「仕事」をする時間も余暇の時間も増えるのです。
また当然、発表者の慣れやスキルはバラバラで、全ての発表として及第点を満たしているわけではありませんでした。では、なぜ社内プレゼンを行うのでしょうか。私たちが社内プレゼンを行ってみて具体的によかったことは以下の通りです。
自分のことを発見できる
Webディレクターは可視化・数値化できるスキルが殆どありません。「あなたは何ができますか?」と聞かれた際に咄嗟に上手く「自分」を紹介することは難しい職種ですよね。自分の得意・苦手、仕事感、人生観、目標、ロールモデル、などなど、プレゼンを機会に見つめ合うようにしておくと長くそのエッセンスを使い回すことができます。
同僚との距離を縮め、影響をあたえることもできる
どういうバックグラウンドがあって現職にいるのかなぜWebディレクターをやっているのか、普段どんな問題意識を持っているのか(いないのか)、仕事上のミーティングやランチなどの日常では改めてアピールするのが恥ずかしいことも、プレゼンには織り交ぜることができます。社内なので真面目とネタのバランスのさじ加減も自由。共通の趣味や関心ごとを通してエンジニアやデザイナーとの距離を縮めるチャンスです。
いざ外でしゃべる!というときに動じない
「自分は裏方ディレクターだから・・・」と思っている人でも人生の節々で喋らなければならない機会は突然やってきます。
・上司に振られたサービス紹介
・思い切って参加した勉強会
・切羽詰った転職活動
・親友の結婚式でのご指名
こういった場数の経験が少ない人ほど、自分に合った規模の聴衆から練習ができる社内プレゼンを活用しない手はありません。
※上は社外勉強会で喋ることになった際のプレゼン資料
社内プレゼンで押さえておきたい心構え
では、実際に社内でプレゼンを行う機会がセッティングされた場合に、プレゼン初心者の方が気を付けたいポイントを2つ紹介します。
自分主語で語る
淡々と事務的にやりすごそうとしていされてるプレゼンほど発表者・聴衆にとって不幸なものはありません。あらかじめ用意されたサービス紹介や業績の報告がメインのプレゼンであっても、自分やチームが重要視している部分は十分にフォーカスをして、自身の言葉で説明をできるようにしたいものです。
「ざっくりと」「シンプルに」「印象的に」伝える
減点式評価の採点で受注の成否が決まりがちなコンペ提案などに比べて、社内プレゼンでは緻密さや完成度よりも、いかに伝えたいことを多くの人の印象に、できれば長く残せるかに注力できます。
・同僚に前置きは不要、ハイコンテクストに
・同僚にはいつでも補足はいつでもできる
・外では使えない内輪ネタも上等
・スライドも必須ではない
・あえて「才能の無駄遣い」で印象を残す作戦も
具体的なテクニックについては書籍や他の記事に譲ります。
おなじみのプレゼンテーションZEN
http://www.amazon.co.jp/dp/4894713284
関連記事:説得力のある提案資料作成のすすめ : LINE Corporation ディレクターブログ
http://directorblog.jp/archives/51706913.html
社内プレゼンの機会をつくるには?
ここまでで、社内プレゼンをやってみようと思っていただけたでしょうか?では、どうやって、その場を作るかということですが、チーム単位で企画してもいいですし、自主的にやるのもいいでしょう。一番カジュアルなのが毎週・毎月の定例ミーティングの「5分」をもらうことです。まずは最小単位のチーム内でやってみて(少し自信をつけて)、他部署も巻き込んで横断的に実施するのはいかがでしょうか。
弊社で行った際の具体的なコツとしては、発案者が裏方の事務的な用意(ルール作成、会場設営など)をしっかりやって発表者がプレゼンのみに集中できるようにすること、「プレゼン」ではなく「勉強会」という立て付けにするとなぜか人が集まること、「それいいね」「やってみたいね」という話題が起こったときにすかさずカレンダーと広めの会議室を押さえてしまうこと(笑)、です。
さらに発表の会場自体は出入り・観覧自由にしておくと、関心のなさそうな上司やエンジニアもふらっとやってきたりして程よい緊張感が生まれます。
例えば、以下のような身近なテーマで少人数から開催してみませんか?
◆私が◯◯◯(今の会社)に入ってよかったこと
◆担当サービス(クライアント)の魅力について自分の言葉で伝える
◆自分のチームの良い点と良くない点、私はこう思う
◆他社のサービス(サイト・アプリ)だけど私はこういう仕事に関わりたい
関連記事:デモでサクッと盛り上がる!Webトレンド勉強会をやってみた(スライド有) : LINE Corporation ディレクターブログ
http://directorblog.jp/archives/51677664.html
以上、しゃべれる(自分を出せる)Webディレクターになるための第一歩、「社内プレゼン」についてお話ししました。とは言えプレゼン”だけ”うまい人は制作・開発の現場ではほとんど信用されませんのでご留意ください(笑)
日々のディレクターとしての業務を着実にこなした上でのプラスアルファの強みとして、そして自分の個性と向きあって整理するために、プレゼン「も」できるWebディレクターを目指してみませんか?
LINE株式会社では記録よりも記憶に残るディレクターも"若干名"募集していると聞きました。
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