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こんにちは、広告事業部の田端です。
最近、外部の方の前でプレゼンや講演をさせて頂く機会が増えてきました。規模は20~30人くらいのものから500人程度の聴衆を前にしたものまで様々ですが、回を重ねるにつれ、私自身がプレゼンについて色々と思うことが増えてきました。そこで、今回は私がプレゼンをする際に気をつけている心構えをご紹介します。

1. 誰に向けて話すのかを意識する


プレゼンと一口にいっても、その相手は様々です。例えば、人事が設定した新人研修の一環として話を聞いている人と、アフター5に自主的にセミナーに来ている人では、一般的に話を聞こう!というモチベーションに大きく違いがあります。プレゼンや講演は聴衆あってのものです。そういった意味では、聞き手という要素を考慮せず、普遍的に「良い」と言えるようなプレゼンはないといえるでしょう。

常に聴衆を意識し、そのプレゼンが終わったときに、聴衆をどのような状態にもっていきたいか、たとえば営業であれば受注を取る、ディレクターであればサービスの思想をしっかり伝えてファンになってもらうなど、自分なりの成功イメージを事前に明確に持つことが重要です

私の場合、モチベーションがそれほど高くないと思われる相手にプレゼンを行う場合、まず冒頭部分で相手の注意を引きつけるようにしています。このお笑いでいうツカミの部分で、私は自分の話が相手にとってどのような影響を与えるかを説明するという方法をとっています。

人が聞く気になる話というのは大体、「聞くと得をする」「聞かないと損をする」「話そのものが面白い」の3種類に分類できるので、ツカミの部分で今回のプレゼンはそのうちのどれに該当するのかをうまく伝えることができれば、聴衆を一気に自分の世界に引き込むことができるはずです。

2. 話す内容を絞る


プレゼンを行う際、多くの話者が物事を正確に伝えようとするあまり、聴衆にとってどうでもいい情報、興味のない情報ばかりを話してしまいがちです。このようなプレゼンはテクニック以前に、なぜそれを話すのか、何を伝えるのかという点において、そもそも勝負の土俵に立ってすらいないと思います。そのような状況を避けるためにも、話す内容は出来る限り絞るべきです。そもそも、自分自身がいま何を言おうとしているかよく分かっていないのに、それが聴衆に伝わることは有り得ません。極端に言えば、プレゼン内容はとにかく伝えたい最優先のことだけに絞ってもいいくらいです

また、プレゼンが網羅的な内容になってしまいがちな話としては、いろいろなサラリーマン的な大人の事情、会社のシガラミ的な理由から、話者が「伝えたいこと」よりも「話さなければならないこと」が多いケースが上げられます。

こういう場合、ついつい借り物の言葉で話してしまうことになりがちですが、このようなプレゼンははっきり言って聴衆をしらけさせてしまいます。聴き手もバカではありませんから、その人が本気でそう思って話しているか、イヤイヤにやらされ感で話しているかどうかは瞬間的に見抜かれてしまうということを肝に銘じた方がよいと思います

3. ユーモアを忘れない


人前で話す機会が増えるにつれて、ユーモアは本当に大事だなと思うようになりました。もちろん聴衆は義理で笑ってくれているのかも知れませんが、相手が自然なタイミングで笑ってくれているということは双方向のコミュニケーションが成立している証であり、自分の話が相手に伝わっているかどうかを話者自身が確認する絶好のチャンスでもあります。つまり、ユーモアはPingのようなものだということです。

この確認作業のためにも、ある程度ユーモアを織り交ぜながら話すということは非常に重要です。ユーモアを交える際には、例え話などを利用して、プレゼン自体の本筋にうまく内容をリンクさせると聴衆にとって印象的なプレゼンになり、記憶にも残りやすいはずです。

事前に仕込んでおいたネタが全くウケないと話者はとても不安になりますが、これはクラブイベントでDJがまったくお客さんを踊らせられないという状態と同じで、意図したとおりに聴衆をグリップできてないということの裏返しです。滑ったからといって失うものはないので、次回のプレゼンの改善点としましょう

4. 最後は場慣れ


ここまで色々と書いてきましたが、どの種類の聴衆にどの切り口が好まれるのか、話す内容の絞り方、ユーモアの交え方などの技術を身につけるには、実際に何度もプレゼンを重ねて、現場で聴衆の醸しだす空気を掴みながらアドリブでのチューニングに挑戦し続けることが近道になると思います。ディレクターであれば、自分のサービスをプレゼンする機会を見つけて、どんどん外に出て行って話をしてみるといいかもしれません。

また営業やカンファレンスなどのプレゼンで絶対に失敗したくないときは、やはり練習をすることが重要になってきます。時間配分、喋るスピード、姿勢などは多くのプレゼン術を紹介した書籍に書いてありますが、実際に自分がどのように話しているのかを確認するには、動画を撮って、それを自分で見ることが手っ取り早い方法です。自分で自分のプレゼンの様子を見るのはかなり辛い作業になりますが、修正点が山のように見つかるはずです。

なるべく関係のない第三者になりきったつもりで、突き放して自分自身を見つめてみましょう。保証してもいいですが、実は自分のプレゼンをビデオにとってまで練習している人はビジネスパーソンで100人に1人もいません。だからこそ、ここまでやり切れれば非常に価値があると思います。

プレゼンのノウハウに関する基本書としては、以下の本が参考になります。ちょっとカッチリしたプレゼン場面を想定した本ですが、参考になると思います。

Amazon.co.jp: プロフェッショナル・プレゼンテーション (アクション・ラーニング・シリーズ): 土井 哲, 高橋 俊介: 本

こういう基本書を押さえて場数を踏みながら、Presentation Zenや自分以外の人の面白いプレゼンから、自分が真似たしたい部分を取り込んでいきましょう。


最後に、私が実際にプレゼンをしている様子を撮影した動画をご紹介します。




この動画を休日の朝に見返してみたとき、私は自分で「こいつ、ホント早口だよなあ。まあ、水でも飲んで、深呼吸して落ち着けよ。」と素朴に思いました。


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